火災保険の基礎知識

火災保険の家財の対象は?どのような場合に補償される?

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火災保険の対象は建物と家財に分かれています。家財を火災保険の対象に含めた場合、どのようなものが補償の対象となり、どのような損害が発生したときに補償を受けることができるのでしょうか?

火災保険の家財の対象となるのは?

火災保険で家財の対象となるのは、基本的に電化製品、家具、衣類、食器などの生活に欠かせない「動かすことができるもの」です。引っ越しのときに持ち運んでくるものをイメージするとよいと思います。「動かすことができるもの」なので、エアコンや浴槽、調理台などの建物に取り付けてあるものや建物に固定してあるテレビアンテナなどは家財ではなく建物の方で補償されます。

補償の対象となるもの補償の対象にならないもの
  • 電化製品、家具、衣類、食器などの生活用動産
  • 1個(1組)の価額が30万円を超える貴金属、宝石、書画、骨董等
    ※別途明記が必要
  • 建物に付属しているもの
  • 自動車
  • 動植物
  • 現金・小切手・有価証券
    (生活用の通貨、預貯金証書などは盗難に限って補償される場合あり)
  • パソコンなどの中のプログラムやデータ
  • 仕事で扱う什器や商品
  • 家財を建物の外に持ち出している間に発生した損害
    ※特約により補償対象となる場合あり

また、注意点として自動車やバイクは火災保険の対象になりません(自転車や原付バイクは対象となります)。例えば、台風や大雪でカーポートが倒壊して、その下に止めてあった車も損害を受けたという場合、カーポート自体の損害は火災保険の建物の補償対象となりますが、車の損害は火災保険では補償されません。自動車保険の車両保険で補償を受けることになります。そのほか、パソコンなどの中のプログラムやデータも補償対象外なので、落雷時には注意が必要です。

「明記物件」に注意!

1個(1組)の価額が30万円を超える貴金属、宝石、書画、骨董等については保険会社によって対応が異なります。これらは補償を受けるために保険証券に明記が必要であることから「明記物件」とも呼ばれています。保険証券に明記されていない場合は、1個(1組)30万円を上限として補償される、一定の金額を超えるまでは補償を受けられる、補償を受けられないなど対応がさまざまに分かれています。自宅に当てはまるものがある場合は自分が契約する保険会社ではどのような対応になっているのか確認しておくとよいでしょう。

なお、30万円を超えたら必ず明記物件となるわけではなく、例えば高額な家具・家電や通常使用する楽器などは30万円を超えていても明記物件として申告する必要はありません。ただし、骨董的または美術的価値が高いようなもので30万円を超えるものであれば明記物件として申告する必要があります。判断に迷う場合は保険会社や代理店に確認してみましょう。

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建物の外に持ち出している間の損害は対象外

火災保険の対象となる家財は、保険証券記載の建物に収容されている家財なので、建物の外に持ち出している間に発生した損害は火災保険の補償の対象外となります。例えば、旅行中にカメラをうっかり落として壊してしまったというような場合や駅の駐輪場に止めた自転車を盗まれたというような場合は建物の外に持ち出している間の損害なので対象外です。

なお、保険会社によっては保険証記載の建物の外に一時的に持ち出している家財も補償対象とする特約を用意しているところもあります。ただし、注意点として携帯電話・スマートフォンなどの携帯式通信機器は対象外となっています。落として壊してしまわないように気を付けてください。

どのような損害が補償される?

保険の対象となる家財はどのようなものか紹介しましたが、家財にどのような損害が発生したときに火災保険の補償を受けることができるのでしょうか?

火災保険は火災だけでなく、風災や水災などの自然災害や盗難、水濡れなども補償内容に含まれています。こうした補償内容のうち、家財の補償として契約した内容で損害が発生した場合に補償を受けることができます。火災、破裂・爆発、落雷は基本補償としてどこの保険会社でも対象となりますが、そのほかの補償は保険会社によって自動で補償内容に含まれる場合も自分で付帯するか否かを選択できる場合もあります。

損害の種類内容
火災、破裂・爆発落雷失火・延焼・ボヤなどの火災、ガス漏れなどによる破損・爆発の損害、落雷による損害を補償。
風災・雹災・雪災台風等の強風による損害、雹(ひょう)や霰(あられ)による損害、豪雪の際の雪の重み、雪の落下などによる事故または雪崩により生じた損害を補償。
水災台風、暴風雨、豪雨などによる洪水、高潮、土砂崩れなどにより生じた損害を補償。
水濡れ給排水設備の故障や他人の戸室で生じた事故による水濡れ損害(水漏れ)を補償。
物体の落下・飛来・衝突車の飛び込みや飛び石など建物外部から物体が落下・飛来・衝突したことにより生じた損害を補償。
盗難家財の盗難や盗難に伴う鍵や窓ガラス等の建物の損害を補償。
騒擾・集団行動等に伴う暴力行為集団行動などに伴う暴力行為・破壊行為による損害を補償。
破損・汚損など子供が室内でボールを投げ、窓ガラスが破損してしまった等、事前に予測して防ぐことができず、突発的な事故によって生じた建物や家財の損害を補償。

補償される事例

  • 火災で家具が焼けた(火災)
  • 消火のための放水で家電が濡れて壊れた(火災)
  • 落雷による過電流で家電が故障した(落雷
  • 台風による強風で屋根瓦が飛び、そこから入る雨で家具が濡れた(風災
  • 強風で軒下に止めていた自転車が倒れて壊れた(風災
  • 雹が屋根や窓ガラスを突き破り、家具にあたって壊れた(雹災
  • 雪崩に建物が巻き込まれて家具・家電も損害を受けた(雪災
  • 台風による洪水で床上浸水の被害に遭い、家具・家電に損害を受けた(水災
  • マンション上階からの漏水で家電が濡れて壊れた(水濡れ
  • 車が自宅に突っ込んできて、家具・家電も損壊した(建物外部からの物体の落下・飛来・衝突
  • 空き巣に入られて家財を盗まれた(盗難
  • 子供がテレビにおもちゃを投げつけて壊してしまった(破損・汚損など

地震・噴火・津波は地震保険の付帯が必要

火災保険は自然災害による損害も補償内容に含んでいますが、自然災害でも地震・噴火・津波は補償対象外となっています。地震等による損害で補償を受けるためには火災保険とセットで地震保険も契約する必要があります。日本は地震大国であり、いつ大きな地震の被害を受けてもおかしくはありません。巨大地震では公的支援や義援金も十分ではなく、例えば東日本大震災のときでは、全壊被害に遭った住宅の新築費用は平均して約2500万円なのに対し、公的支援として受給できるのは善意による義援金をあわせても約400万円にとどまりました。地震による被害を受けた後に生活を建て直せるだけの貯蓄がないのであれば地震保険への加入も検討しましょう。

保険金額はいくらで設定するのがいい?

家財の保険金額は、一般的には持っている家財を全て買い直すのに必要な金額で設定するのがおすすめされています。火事で全焼するなどして家財を全て失ってしまった場合に買い直すことができるように設定するのです。なお、それより大きな金額で設定していても実際の被害額までしか保険金が支払われないので保険料の無駄払いとなります。

しかし、家財を全て買い直すのにいくら必要なのか把握している方は少ないと思います。各保険会社では家族構成や専有面積をもとにした簡易的な保険金額の目安表を用意しています。以下でその一例を紹介します。

簡易評価表

家族構成をもとにした簡易評価表の一例

家族構成2名
大人のみ
3名
大人2名
子供1名
4名
大人2名
子供2名
5名
大人2名
子供3名
独身世帯
世帯主の年齢25歳前後490万円580万円670万円760万円300万円
30歳前後700万円790万円880万円970万円
35歳前後920万円1,000万円1,090万円1,180万円
40歳前後1,130万円1,220万円1,310万円1,390万円
45歳前後1,340万円1,430万円1,520万円1,610万円
50歳前後
(含以上)
1,550万円1,640万円1,730万円1,820万円

専有面積をもとにした簡易評価表の一例

専有面積33㎡未満33㎡~66㎡未満66㎡~99㎡未満99㎡~132㎡未満132㎡以上
保険金額450万円880万円1,050万円1,490万円1,980万円

※簡易評価表には明記物件の額は含まれていません。
※上表は家財簡易評価表の一例です。保険会社によって評価額が異なる場合があります。

簡易評価表はあくまでも必要とされる金額の目安です。明らかに多すぎると感じる場合や少なすぎると感じる場合は実態に合わせて保険金額を決めるようにしましょう。

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まとめ

火災保険の家財の対象となるのは電化製品、家具、衣類、食器などの生活に欠かせない「動かすことができるもの」です。エアコンや浴槽など建物に取り付けてあるものは建物の方で補償されます。火災保険では火災以外にも自然災害や盗難、水濡れなどの損害でも補償を受けることができます。自分の契約内容を確かめて、被害を受けたときに保険金を請求しそびれないようにしましょう。


堀田健太

著者情報

堀田 健太
東京大学経済学部金融学科を卒業後、2015年にSBIホールディングス株式会社に入社、インズウェブ事業部に配属。以後、一貫して保険に関する業務にかかわる。年間で100本近くの保険に関するコンテンツを制作中。

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