火災保険の基礎知識

火災保険の物体の飛来と風災補償の違いは?

投稿日:2019年4月23日 更新日:

火災保険には物体の落下・飛来・衝突という補償項目があります。また、一方で物が飛んでくるというと風災をイメージする方も多いかと思います。火災保険の物体の飛来と風災の補償にはどのような違いがあるのでしょうか。

物体の落下・飛来・衝突とは

まずはイメージしづらい物体の落下・飛来・衝突について、どのような補償なのか紹介します。物体の落下・飛来・衝突は、自動車が突っ込んできて壁が壊れた、ボールが飛んできて窓ガラスが割れた、飛んでいたヘリコプターが墜落して自宅に損害が出たなど、建物外部から物体が落下・飛来・衝突したことにより、保険の対象である建物や家財に損害が発生した場合に補償を受けることができます。

相手からの損害賠償を受け取れる場合はそれで賄うことができますが、自動車の当て逃げなどで加害者が分からない場合や相手を特定できたとしても保険に未加入で支払能力がない場合などでも火災保険から保険金が支払われて損害を受けた個所を直すことができます。交通量が多い場所などでは補償を付ける価値があるでしょう。

補償を受けられる事例

物体の落下・飛来・衝突では以下のような場合に補償を受けることができます。

  • 自動車の飛び込みで建物に損害を受けた場合
  • 自動車の飛び石で窓ガラスが割れた場合
  • 石やボールを投げ込まれて窓ガラスが割れた場合
  • ヘリコプターから荷物が落ち、建物に損害を受けた場合
  • ドローンが落下してきて雨どいが破損した場合
  • 近くのビルから看板が落下して建物・家財に損害を受けた場合

風災補償との違い

物体の落下・飛来・衝突と風災補償との違いは事故の原因にあります。強風によって屋根瓦や看板が飛んできて建物・家財が破損したというように、原因が風災である場合には風災補償の方で補償を受けることとなります。

一方でイタズラで石を投げ込まれて窓ガラスが割れた場合などは、原因は石を投げ込んできた人にあり、風災ではありません。この場合は物体の飛来として補償を受けることとなります。

風災補償で補償される事例

物体が飛んできた場合に風災補償の方での補償になる場合の事例を紹介します。

  • 台風による強風で看板が飛んできて建物に損害を受けた場合
  • 竜巻によって飛ばされた屋根瓦によって建物に損害を受けた場合
  • 暴風雨で飛んできたものが窓ガラスに当たって割れ、そこから入り込んだ雨で家財に損害を受けた場合

物体の落下・飛来・衝突の保険金が支払われない事例

原因が風災以外の場合で、物体の落下・飛来・衝突の補償では補償対象にならずに保険金を受け取れない事例を紹介します。

地震が原因の場合

地震が原因で看板が落下して建物に損害を受けた場合など、地震が原因の場合には物体の落下・飛来・衝突では補償を受けることができません。この場合、補償を受けるには地震保険に加入している必要があります。物体の落下・飛来・衝突に限らず、地震・噴火・それらによる津波を原因とする損害は火災保険では補償を受けることができず、地震保険にも加入している必要があります。

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ひょう・あられが原因の場合

ひょうやあられが降ってきて屋根等が破損した、窓ガラスが割れたといった場合、物体の落下ではなく雹(ひょう)災補償での補償となります。雹災補償は風災・雹災・雪災補償という形で風災や雪災と一緒になっていることが多いです。

ちなみに、ひょうとあられは直径の大きさで分けられていて、直径5mm以上の氷粒がひょう、5mm未満の氷粒があられと呼ばれます。

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既に損害賠償の支払いを受けている場合

物体の落下・飛来・衝突に該当する場合でも、既に損害賠償の支払いを受けている場合は保険金を受け取れません。火災保険などの損害保険は受けた損害を補償するもので、損害賠償と合わせて二重に補償を受けることはできないのです。

まとめ

火災保険の物体の飛来と風災補償のどちらで補償を受けられるかは物体が飛んできた原因によります。台風などの強風が原因の場合は風災補償の方での補償となります。物体の落下・飛来・衝突は加害者に損害賠償請求するケースが多いですが、当て逃げなどで加害者を特定できない場合や加害者に支払能力がない場合などに役に立ちます。交通量が多い道路に面している場合など、建物の立地によっては価値が高い補償となります。


堀田健太

著者情報

堀田 健太
東京大学経済学部金融学科を卒業後、2015年にSBIホールディングス株式会社に入社、インズウェブ事業部に配属。以後、一貫して保険に関する業務にかかわる。年間で100本近くの保険に関するコンテンツを制作中。

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