地震が原因の損害は火災保険では補償されません。地震保険に加入している必要があります。しかし、火災保険に加えて地震保険も加入するとなると保険料が気になります。地震保険の保険料はどれくらいなのでしょうか?
地震保険の保険料は保険会社によって差がない
火災保険は保険会社によって保険料に差がありますが、地震保険は国と保険会社が共同して運営している保険なので、保険会社による保険料の差はありません。そのため、地震保険が安い保険会社を探す行為は意味がありません。保険料については火災保険優先で決めましょう。
地震保険の保険料は何で決まる?
地震保険の保険料は、保険対象である居住用建物および家財を収容する建物の構造、所在地により算出されます。財務省のサイト上の地震保険制度の概要のページに、保険期間が1年の場合の保険金額1,000万円あたりの保険料の紹介があります。これをもとに自分で計算することもできますが、分からない場合は保険会社や代理店にお問い合わせください。
保険料=保険金額×基準料率
基準料率=基本料率×(1-割引率)×長期係数
基本料率(2019年1月1日実施の料率改定による)
イ構造:主として鉄骨・コンクリート造建物等の耐火構造
ロ構造:主として木造建物等※の非耐火構造
※「耐火建築物」、「準耐火建築物」および「省令準耐火建物」等に該当する場合は「イ構造」となります。
保険金額1,000円あたりの地震保険料は以下の表の通りです。(保険期間1年につき、単位:円)
都道府県 | 基本料率 | |
---|---|---|
イ構造 | ロ構造 | |
北海道 | 0.78 | 1.35 |
青森県 | 0.78 | 1.35 |
岩手県 | 0.71 | 1.16 |
宮城県 | 1.07 | 1.97 |
秋田県 | 0.71 | 1.16 |
山形県 | 0.71 | 1.16 |
福島県 | 0.85 | 1.70 |
茨城県 | 1.55 | 3.20 |
栃木県 | 0.71 | 1.16 |
群馬県 | 0.71 | 1.16 |
埼玉県 | 1.78 | 3.20 |
千葉県 | 2.50 | 3.89 |
東京都 | 2.50 | 3.89 |
神奈川県 | 2.50 | 3.89 |
新潟県 | 0.78 | 1.35 |
富山県 | 0.71 | 1.16 |
石川県 | 0.71 | 1.16 |
福井県 | 0.71 | 1.16 |
山梨県 | 1.07 | 1.97 |
長野県 | 0.71 | 1.16 |
岐阜県 | 0.78 | 1.35 |
静岡県 | 2.50 | 3.89 |
愛知県 | 1.44 | 2.47 |
三重県 | 1.44 | 2.47 |
都道府県 | 基本料率 | |
---|---|---|
イ構造 | ロ構造 | |
滋賀県 | 0.71 | 1.16 |
京都府 | 0.78 | 1.35 |
大阪府 | 1.26 | 2.24 |
兵庫県 | 0.78 | 1.35 |
奈良県 | 0.78 | 1.35 |
和歌山県 | 1.44 | 2.47 |
鳥取県 | 0.71 | 1.16 |
島根県 | 0.71 | 1.16 |
岡山県 | 0.71 | 1.16 |
広島県 | 0.71 | 1.16 |
山口県 | 0.71 | 1.16 |
徳島県 | 1.55 | 3.65 |
香川県 | 1.07 | 1.97 |
愛媛県 | 1.20 | 2.24 |
高知県 | 1.55 | 3.65 |
福岡県 | 0.71 | 1.16 |
佐賀県 | 0.71 | 1.16 |
長崎県 | 0.71 | 1.16 |
熊本県 | 0.71 | 1.16 |
大分県 | 1.07 | 1.97 |
宮崎県 | 1.07 | 1.97 |
鹿児島県 | 0.71 | 1.16 |
沖縄県 | 1.07 | 1.97 |
割引率
地震保険には耐震性能が優れている建物に対して割引が適用されます。割引は以下の4種類があり、重複しての適用はされません。
免震建築物割引
対象:免震建築物と評価された居住用建物およびこれに収容される家財
割引率:50%
確認書類:住宅性能評価書等
耐震等級割引
対象:耐震性能が耐震等級1~3に該当する居住用建物およびこれに収容される家財
割引率:耐震等級3 50%、耐震等級2 30%、耐震等級1 10%
確認書類:住宅性能評価書、耐震性能評価書等
耐震診断割引
対象:耐震診断または耐震改修により、建築基準法に定める現行耐震基準に適合していることが確認された居住用建物およびこれに収容される家財
割引率:10%
確認書類:耐震診断または耐震改修の結果により減税措置の適用を受けるための証明書、国土交通省の定める基準(平成18年国土交通省告示185号)に適合することを証明した書類等
建築年割引
対象:1981年6月1日(建築基準法に定める現行耐震基準実施日)以後に新築された居住用建物およびこれに収容される家財
割引率:10%
確認書類:建物登記簿、重要事項説明書(宅地建物取引業者が建物の売買、交換または貸借の相手方等に対して交付)等
※実際の確認書類などの具体的事項については保険会社または代理店にご確認ください。
長期係数
地震保険は火災保険と同様に、保険期間が1年よりも2年~5年の長期契約の方が保険料が安くなります。その計算に用いる長期係数は以下の通りです(2019年1月1日実施の改定に基づく長期係数)。
保険期間 | 長期係数 |
---|---|
2年 | 1.90 |
3年 | 2.80 |
4年 | 3.70 |
5年 | 4.60 |
保険期間が5年の場合、4.6年分の保険料で地震保険に加入することができます。
今後の保険料率の改定について
2011年の東日本大震災の影響から、地震保険は3段階に分けて料率改定が行われることが決定されており、2019年1月1日に2回目の料率改定が行われました。3回目の料率改定が行われること自体は決定していて、料率の改定について金融庁長官に届出がなされています。東日本大震災以後も大きな地震が継続して起こっていることから、今後も地震保険の値上がり傾向は続くものと思われます。
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まとめ
地震保険は国と保険会社が共同して運営しているので、どこの保険会社で契約しても保険料は同一です。地震保険の保険料は建物の所在地や建物の構造によって算出されます。また、建物の耐震性能によって割引を受けられたり、長期契約をすることで1年契約を繰り返すよりも保険料が安くなったりします。今後の料率改定の時期は未定ですが、さらに値上がりする可能性も十分にあるので、長期契約をするなどして保険料の節約をする工夫をしましょう。
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