地震保険の基礎知識

長期優良住宅の場合、火災保険・地震保険で割引はある?

投稿日:2020年3月12日 更新日:

長期にわたって良好な状態で住むことができると認定を受けた長期優良住宅は税制面などでさまざまなメリットを受けることができます。住宅にかかわるところとして、火災保険や地震保険でも優遇措置を受けることができるのでしょうか?

長期優良住宅なら地震保険の割引を受けられる

長期優良住宅の場合、地震保険の割引を受けることができます。長期優良住宅の認定基準の中には耐震性が含まれているので、長期優良住宅の認定基準を満たしているのならば地震保険の耐震等級割引あるいは免震建築物割引のどちらかの条件は必ず満たしているのです。割引を受けるには保険会社に基準を満たしていることの確認資料の提出が必要となりますので注意してください。

なお、火災保険については長期優良住宅であれば割引を受けられるというような制度はありません。新築であれば新築割引など何かしら割引の条件を満たす他の要素があればその割引を受けることはできます。

火災保険・地震保険の割引制度

火災保険や地震保険にどのような割引制度があるのか紹介します。

火災保険

火災保険は契約する保険会社によってどのような割引制度があるか、割引が適用される条件、割引率といったことが異なります。以下で紹介する割引はその一部です。多くの保険会社が採用しているものもあればあまり採用している保険会社がないものもあります。また、ここで紹介していない割引がある保険会社もあります。保険料を安くするには複数の保険会社を比較することが大切です。

割引の種類内容
新築割引保険始期日が建物の新築年月から11か月後の月末までにある建物の契約に適用。
築浅割引保険始期日の時点で建物の築年数が10年未満である場合に適用。
ホームセキュリティ割引火災、盗難を常時監視するシステムを購入し、有効活用している場合に適用。
オール電化住宅割引空調、給湯、調理などすべての設備を電気でまかなう住宅の場合に適用。
ノンスモーカー割引保険対象の建物の所有者・居住者が喫煙しない場合に適用。

※割引の名称や詳細な条件は保険会社によって異なる場合があります。

割引
火災保険の割引制度
火災保険や地震保険には保険料を安くすることができる割引制度があります。地震保険は各社共通ですが、火災保険によってはどの割引制度を採用しているのか、また、どの程度 ...

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地震保険

地震保険には以下で紹介する4つの割引があります。ただし重複して割引を受けることはできず、条件を満たす中で最も割引率が高いものが適用されることになります。なお、地震保険はどこの保険会社で契約しても内容は変わりません。

割引の種類適用条件割引率
建築年割引1981年6月1日以降に新築された建物であること10%
耐震等級割引住宅の品質確保の促進等に関する法律に基づく耐震等級(構造躯体の倒壊等防止)または 国土交通省の定める「耐震診断による耐震等級(構造躯体の倒壊等防止)の評価指針」に基づく耐震等級を有していること耐震等級1:10%
耐震等級2:30%
耐震等級3:50%
免震建築物割引住宅の品質確保の促進等に関する法律に基づく免震建築物に該当する建物であること50%
耐震診断割引耐震診断または耐震改修の結果、改正建築基準法(1981年6月1日施行)における耐震基準を満たすこと10%

長期優良住宅に認定されている場合、耐震等級割引あるいは免震建築物割引のいずれかの条件を満たすことになります。なお、実際は耐震等級3であっても保険会社に提出した書類でそれが確認できない場合は耐震等級2など低い割引率しか適用されないことがありますのでご注意ください。

割引
地震保険料を安くするなら割引制度と保険期間を確認しよう
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地震保険の基礎知識

長期優良住宅で割引の適用が受けられるのであれば地震保険の加入についても考えたいところです。地震保険はどのような保険なのか紹介します。

地震保険とは

地震保険は地震・噴火またはこれらによる津波を原因とする火災・損壊・埋没・流出による建物や家財の損害を補償する保険です。地震・噴火・津波は火災保険単独では免責となっており、補償を受けることができません。これらの補償を受けるには火災保険とセットで契約する地震保険が必要となります。

地震保険は政府と民間が共同で運営する保険で、どこの保険会社で地震保険に入っても補償内容や保険料は変わりません。政府と共同という形をとっているのは、地震による被害は広範囲かつ甚大になることがあり、その場合、民間の保険会社のみで保険金を支払うことが困難であるからです。

地震保険でいくら補償される?

地震保険では保険の対象の建物・家財が受けた損害の程度によって、全損・大半損・小半損・一部損の4段階に判定されて、その判定に応じて保険金が支払われます。全損は保険金額(支払われる保険金の上限)の100%、大半損は保険金額の60%、小半損は保険金額の30%、一部損は保険金額の5%の保険金の支払となっています。

地震保険の保険金額は火災保険の保険金額の30%~50%の間で設定することとなっていて、上限額は建物が5,000万円までで家財は1,000万円までです。このような保険金額になっているのは、地震保険は建物を建て直す費用を補償する保険ではなく、「被災した人々の生活の安定に貢献する」ことを目的にできた保険だからです。

どれくらいの人が地震保険を契約している?

損害保険料率算出機構によると、2020年度に契約された火災保険のうち、地震保険も契約した割合(付帯率)は68.3%です。概ね3分の2の契約で火災保険に地震保険も付帯しています。以前はもっと付帯率が低く2010年度までは50%を下回っていましたが、東日本大震災や熊本地震などの大きな地震が発生したことから付帯率が上昇してきています。

なお、全世帯に対してどの程度の世帯が地震保険を契約しているかを表す世帯加入率は2020年において33.9%と低くとどまっています。ここ数年で火災保険を契約した人は地震保険も契約する人が多いですが、昔はあまり契約する人が多くなく、その分世帯加入率は低くなってしまっています。

まとめ

長期優良住宅の場合、地震保険の耐震等級割引あるいは免震建築物割引のどちらかの割引条件は満たすことになるので、地震保険の保険料が安くなります。地震による被害は日本に住む以上どこでも起こりうることですが、火災保険のみの契約では補償を受けることができません。万が一の備えとして地震保険も検討してみてはいかがでしょうか。


堀田健太

著者情報

堀田 健太
東京大学経済学部金融学科を卒業後、2015年にSBIホールディングス株式会社に入社、インズウェブ事業部に配属。以後、一貫して保険に関する業務にかかわる。年間で100本近くの保険に関するコンテンツを制作中。

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