火災保険の基礎知識

マンションでも火災保険は必要?どう選ぶのがいい?

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住宅ローンを借りる場合、基本的に火災保険の加入が条件となっているのであまり考えずに必要なものとして加入している方も多いと思いますが、マンションは耐火性能に優れているので改めて考えると本当に必要なのか疑問に思う人もいるのではないでしょうか?しかし、マンションでも火災保険は必要です。その理由とどのように火災保険を選ぶのがよいのか説明します。

マンションでも火災保険は必要

マンションでも火災保険は必要です。もちろん、民間の保険なので住宅ローンを借りていない場合は加入しないのも自由ではあるのですが、住宅に損害が発生したときに修復あるいは再購入できるだけの貯蓄がないのであれば加入した方がよいでしょう。

マンションでの火災保険の必要性に疑問を持つ人は、そもそも火災保険を使うような損害が発生するのかというところに疑問を持つ人が多いのではないかと思います。しかし、火災が起こる可能性はゼロではありませんし、火災以外で損害を受ける可能性もあります。それぞれ以下でもう少し詳しく説明します。

火災による損害

マンションは木造の一戸建てなどと比べると火災のリスクは低いのは確かです。しかし、火災が全く起こらないわけではありません。例えば、2020年では1年間に共同住宅での火災が3,318件起こっています。コンロはIHでタバコも吸わないなど室内で火を使わなくても火災は発生する可能性があります。例えば、2020年に起こった住宅火災(共同住宅以外も含む)の出火原因として、配線器具は541件で全体の5.2%、電気機器は508件で全体の4.9%を占めています

※いずれも出典は総務省消防庁消防統計(火災統計)「令和2年(1月~12月)における火災の概要(概数)について」

また、マンションは隣室へと火が燃え広がっていかないように対策されていますが完全に防げるわけではありません。そしてもし延焼による被害を受けてしまったとしても、失火責任法のため火元に重過失がなければ損害賠償請求を行うことはできません。自分が加入する火災保険で補償を受ける必要があるのです。そして、自分の部屋に延焼しなかったとしても消防のための放水で被害を受ける可能性があります。こうした場合も損害賠償請求はできず、自分が加入する火災保険で補償を受ける必要があります。

火災以外による損害

詳細は後で書きますが、火災保険で補償されるのは火災による損害だけではありません。風災や水災などの自然災害や上階からの水漏れ、盗難などによる損害でも補償を受けることができます。近年、気候変動の影響でこれまで大きな自然災害が起きてこなかった地域でも自然災害による被害を受けることが起きています。また、マンションでは上階からの漏水被害、下階への漏水加害はよく起こるトラブルの一つです。特に建物の老朽化が進むと起きやすくなります。火災保険やその特約で漏水についても補償を受けることができます。

自分で加入するのは専有部分

マンションは共用部分と専有部分に分かれますが、自分で火災保険に入るのは専有部分です。エントランスホールや廊下、エレベーターなどの共用部分についてはマンションの管理組合で火災保険に加入するケースがほとんどです。

建物:共用部分は管理組合、専有部分は自分で加入 家財:自分で加入

共用部分と専有部分との境目がどこになるかで専有部分の面積が変わりますが、それによって火災保険の保険料が変わることがあります。室内の天井や壁について共用部分と専有部分の境目を部屋の内側とする上塗基準と、壁・柱・天井・床などの真ん中とする壁芯基準がありますが、上塗基準は壁芯基準よりも専有面積が狭くなるため、その分保険料が安くなります。上塗基準となっているケースが多いですが、どちらの基準を採用しているかはマンションによって異なります。マンション管理規約などで確かめるようにしましょう。

上塗基準と壁芯基準

火災保険にはどのような補償内容がある?

火災保険で補償されるのは火災による損害だけではないということを上述しましたが、実際のところどのような補償があるのでしょうか?代表的な補償内容について紹介します。

火災、破裂・爆発、落雷

火災、破裂・爆発、落雷補償は火災保険の基本補償であり、補償内容を比較的自由に選択できるような保険会社でも外すことができません。火災補償では火災によって保険の対象である建物や家財に損害が発生した場合に補償を受けられます。皆さんがイメージする火自体による損害のほか、消防のための放水で損害を受けた場合も補償を受けられます。

火災保険における破裂・爆発とは、「気体または蒸気の急激な膨張を伴う破壊またはその現象」です。ガス漏れに気が付かずに火をつけて爆発したという場合やカセットコンロのボンベが爆発して損害を受けたという場合などに補償を受けることができます。

落雷補償では落雷によって火災が起きた場合や過電流によってテレビやパソコンなどの家財に損害があった場合などに補償を受けられます。建物備え付けのエアコンや食洗機などは家財ではなく建物での補償となるのでご注意ください。

風災・雹災・雪災補償

風災補償、雹(ひょう)災補償、雪災補償は3つセットになっています。風災補償では台風による強風、旋風、竜巻、暴風等により生じた損害の補償を受けることができます。強風で飛んできたものが窓ガラスを突き破った、マンションの自転車置き場に駐輪していた自転車が強風で損害を受けたというような場合に補償を受けられます。2018年の台風21号ではマンション高層階でもコンクリート片やトタン屋根が室内に飛び込み被害が発生した事例があります。

雹災補償では雹またはあられにより生じた損害で補償を受けることができます。雹で窓ガラスが割れてしまったというような場合に補償を受けられます。

雪災補償では豪雪の際の雪の重み、雪の落下などによる事故または雪崩により生じた損害で補償を受けられます。融雪洪水については雪災ではなく水災補償での補償となります。

水災補償

水災補償では、台風、暴風雨、豪雨などによる洪水、融雪洪水、高潮、土砂崩れ、落石などによって、建物や家財に所定の損害を受けた場合に補償を受けることができます。マンションの場合は1階や地下階を除いて床上浸水の被害に遭いにくいため、火災保険に水災補償をつけないことが多くあります。ただし、土砂崩れの危険性が高い場所の場合やハザードマップで最大5mや10mといった浸水が予想されている地域で2階や3階に住んでいる場合などではマンションでも水災補償を検討した方がよいでしょう。マンションの1階分の高さはおおよそ3mです。

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水濡れ補償では給排水設備の故障や他人の戸室で生じた事故による水濡れ損害(水漏れ)が補償されます。水濡れによって床や壁紙などに生じた損害を補償するもので給排水設備そのものの修理費用は補償対象外であることはご注意ください。また、自分が水漏れを起こして他人の個室に損害を起こし、損害賠償責任を負った場合には火災保険や自動車保険などの特約で契約できる個人賠償責任保険で補償を受けられます。

建物外部からの物体の落下・飛来・衝突

建物外部からの物体の落下・飛来・衝突補償では、その名の通り、車の飛び込みや飛び石など建物外部から物体が落下・飛来・衝突したことにより生じた損害で補償を受けられます。加害者からの損害賠償を受けた分については火災保険では補償を受けられません。同じ物が飛んできて損害が発生するケースでも飛んできた原因が風の場合は風災補償となります。

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盗難補償

盗難補償では盗難によって建物や家財に被害を受けた場合は補償の対象となります。建物の盗難被害といわれてもピンと来ないかもしれませんが、窓ガラスを割られた場合やドアのカギを壊された場合は建物の盗難補償の対象となります。

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不測かつ突発的な事故(破損・汚損など)

不測かつ突発的な事故(破損・汚損など)に対する補償では、事前に予測して防ぐことができず、突発的な事故によって建物や家財を破損・汚損させてしまった場合に補償を受けられます。模様替え中に壁に家具をぶつけて穴をあけてしまったという場合やよろけてガラス戸にぶつかりガラスを割ってしまった場合、子供がおもちゃを投げてテレビの液晶が割れてしまった場合などです。

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地震保険

地震・噴火・津波による損害は火災保険だけでは補償を受けることができず、火災保険とともに地震保険にも加入する必要があります。地震保険では受けた損害額がそのまま補償されるわけではありませんが、被災後の生活再建のための資金として活用することができます。公的支援や義援金のみでは不足する部分も大きいので生活を建て直すために必要な貯蓄が十分になければ地震保険への加入を検討しましょう。

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マンションの火災保険はどう選ぶ?

住宅ローンを借りる金融機関で紹介された火災保険の中から選んで加入する人も多いと思います。そうした場合に紹介されるのは多くても3社ほどですが、火災保険を販売している保険会社はもっと多くあります。火災保険は保険会社によって保険料に違いがあり、また、補償内容を選択できる範囲や特約の内容などにも差異があります。そのため、自分に合った火災保険を選ぶためには複数の保険会社を比較することが大切なのです。

しかし、1社1社見積もりを取って比較するのは大変です。マンション購入時の場合は火災保険のことばかりに時間を取れないのは確かです。そこでおすすめなのが火災保険の一括見積もりサービスを利用することです。一括見積もりを利用すれば1度の情報入力で複数の火災保険の見積もりを取ることができます。それぞれの見積もり結果を比較して最適な火災保険を探しましょう。

まとめ

マンションは木造の一戸建てなどと比べて耐火性が優れていますが、火災が起きる可能性はゼロではなく、また自然災害や漏水など火災以外で損害を受ける可能性があるため、マンションであっても火災保険は必要だといえます。火災保険を販売する保険会社は数多くあるので一括見積もりを利用して見積もり結果を比較してみると自分に合った火災保険を見つけることができるでしょう。


堀田健太

著者情報

堀田 健太
東京大学経済学部金融学科を卒業後、2015年にSBIホールディングス株式会社に入社、インズウェブ事業部に配属。以後、一貫して保険に関する業務にかかわる。年間で100本近くの保険に関するコンテンツを制作中。

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