火災保険の基礎知識

住宅購入時の諸費用はどれくらいかかる?

投稿日:2020年7月9日 更新日:

住宅を購入する際には物件の購入代金以外にも税金や手数料などの諸費用がかかります。この諸費用のうちの多くは住宅ローンに含めるのが難しく現金で用意する必要があるのですが、総額でいくらくらいかかるものなのでしょうか?

諸費用はどれくらいかかる?

住宅購入時には物件購入代金以外にも様々な費用がかかります。どれくらいかかるのかは物件が新築か中古か、戸建てかマンションかといったことや業者がどれだけの手数料を取っているのかなどによっても変わるのですが、物件価格の5%~10%程度を見ておくとよいでしょう。つまり、3000万円の住宅を購入する場合は150万~300万円ほどの諸費用がかかることになります。

新築住宅と中古住宅とでは中古住宅の方が諸費用が高くなる傾向にあります。その理由の一つとして不動産会社への仲介手数料(物件価格が400万円超の場合は「物件価格の3%+6万円」(税抜)が上限)が必要になることが多いからです。また、中古物件は購入後にリフォームが必要なこともあるので多めにお金を用意しておく必要があるでしょう。

諸費用にはどんなものがある?

諸費用としてかかってくるものにはどのような費用があるのか紹介します。

物件売買にかかわる費用

費用名内容
印紙税売買契約書に印紙を貼付する形で支払われる税金。
仲介手数料不動産業者が仲介する物件を購入した場合にかかる手数料。
登録免許税取得した土地や建物を登記する際にかかる税金。住宅ローンで抵当権を設定する場合の登記にも必要。
司法書士報酬登記を司法書士に依頼する場合にかかる依頼料。
不動産取得税土地や建物を取得したときに一度だけかかる税金。
固定資産税・都市計画税毎年1月1日時点で土地や建物を所有している人に課される税金。年の途中で売買が行われた場合は売主に対して日割りで精算することが慣例。

印紙税

売買契約書などの契約書に貼る印紙代です。契約書に決められた金額に応じた額の印紙を貼って割り印することで納税します。例えば不動産の譲渡に関する契約書の場合、1000万円超5000万円以下の場合は1万円、5000万円超1億円以下の場合は3万円です。なお、この金額は軽減措置によるもので、令和4年3月31日までの間に作成される場合の金額です。本則としてはそれぞれ倍の2万円と6万円です。下部で説明しますが、金融機関からローンを借りるときの契約書については本則通りの金額が必要です。

仲介手数料

不動産業者(仲介会社)と媒介契約を結んで住宅を売買する際に不動産業者に支払う手数料です。中古住宅の場合は不動産業者が仲介するケースが一般的です。また、新築の場合でも不動産会社が間に入っているケースもあります。法律で仲介手数料の上限は決められていて、以下の表のようになっています。なお、売買価格が400万円以上の場合は「(売買価格×3%+6万円)×消費税」という計算式で簡単に計算できます。

売買価格仲介手数料の上限
200万円以下の部分5%+消費税
200万円を超え400万円以下の部分4%+消費税
400万円を超える部分3%+消費税

登録免許税

土地や建物を購入したらその土地や建物が自分のものだと示すために所有権を登記する必要があります。登記をする際には登録免許税という税金がかかります。所有権の場合の税額は固定資産税評価額に一定の税率をかけた金額です。税率は登記の種別(所有権保存登記、所有権移転登記、抵当権設定登記)によって異なります。詳しくは国税庁財務省のページをご確認ください。

登記の種別税率
()内は軽減後
軽減措置の対象
土地の売買による所有権の移転2.0%
(1.5%)
令和5年3月31日までの登記
住宅の所有権の保存0.4%
(0.15%)
・自己の居住の用に供する家屋
・床面積50平方メートル以上
・令和4年3月31日までの取得
・新築又は取得後1年以内の登記である
・中古住宅の場合は、築後25年以内(木造は20年以内)のもの又は一定の耐震基準に適合する
住宅の所有権の移転2.0%
(0.3%)
住宅の抵当権の設定0.4%
(0.1%)

司法書士報酬

登記は自分でも行えますが、司法書士に手続きの代行を依頼することが多いです。司法書士に依頼する場合はその報酬が必要です。報酬額は登記の種類や依頼先によって異なりますが、数万円から十数万円程度です。

不動産取得税

土地や建物の購入、建物の建築などで不動産を取得したときには取得した人に対して不動産取得税が課税されます。税額は固定資産税評価額に税率をかけたもので、令和6年3月31日までは3%です。土地の場合は固定資産税評価額を1/2にしたものに3%をかけます。一定の要件を満たせば軽減措置が受けられ、その結果として税額が0円となることもあります。ただし、軽減措置を受けるには都道府県税事務所に申告が必要なので忘れないようにする必要があります。

参考:東京都主税局

固定資産税・都市計画税

毎年1月1日時点で土地や建物を所有している人に対して課す税金です。税額は固定資産税評価額に税率をかけて計算します。固定資産税の税率は1.4%、都市計画税の税率は0.3%が一般的です。1月1日時点の所有者が1年分を支払うので、年の途中で売買が行われる場合には売主に対して日割りした金額を支払うのが通例です。

住宅ローンにかかわる費用

費用名内容
印紙税住宅ローン契約書に印紙を貼付する形で支払われる税金。
融資手数料金融機関に支払う手数料。
ローン保証料保証会社に保証を依頼するための費用。ローンの返済ができない場合は保証会社が金融機関に一括返済する。なお、その場合は保証会社への返済義務が発生する。
団体信用生命保険料住宅ローン契約者が死亡時などに保険金によってローンを完済するための保険料。金利に含まれる場合がほとんど。
火災保険料住宅が火災や自然災害などで損害を負ったときに備える保険。住宅ローンを借りる場合には基本的に火災保険に加入することが条件づけられている。

印紙税

住宅ローン利用に関する金銭消費貸借契約書に貼る印紙代です。契約書に決められた金額に応じた額の印紙を貼って割り印することで納税します。例えば、1000万円超5000万円以下の場合は2万円、5000万円超1億円以下の場合は6万円です。

融資手数料

金融機関に支払う手数料です。数万円ほどの定額制の場合と融資額×2%などの定率制の場合があります。

ローン保証料

住宅ローンの返済が滞ったときに返済を保証する保証会社に支払う保証料です。保証会社による返済後は保証会社に対して返済義務が生じます。保証料は融資額や借入期間などにより変わります。一括で支払う場合は1000万円あたり数十万円ほどで分割して支払う場合は住宅ローンの金利に0.2%などを上乗せて支払います。ネット銀行などでは保証料を0円としているケースも多いですが、その場合は融資手数料が高額になっています。

団体信用生命保険料

住宅ローンの契約者が返済中に死亡したときなどに保険金でローンを返済するための費用です。保険料は住宅ローンの金利に含まれる場合がほとんどなので基本的に別途の支払は不要です。

火災保険料・地震保険料

ローン返済中に火災や自然災害で住宅を失ってしまった場合に返済が滞らないようにするために、住宅ローンを借りる場合には火災保険の加入が条件として入っていることがほとんどです。地震保険は必須ではないですが、地震・噴火・津波による損害は火災保険では補償を受けられず地震保険が必要となります。火災保険の保険料は補償内容によって異なります。また、住宅ローンを借りる金融機関で提示された保険会社以外に加入しても問題ありません。火災保険の一括見積もりサービスを利用して複数の保険会社の火災保険を比較してみるとよいでしょう。

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その他の費用

費用名内容
修繕積立基金新築マンションを購入するときにかかる費用。毎月の修繕積立金の額を抑えるために最初に数十万円などのまとまった額を集めるのが一般的。
水道負担金新たに水道を設置する場合や口径を増やす場合などにかかる水道加入金や水道工事費用について購入者に割り当てられた金額。不動産広告のガイドラインとしては物件価格に含めて表示することになっているが必ずしも徹底されているわけではない。
引っ越し・家具購入費用引っ越しや家具の新規購入にかかる費用。

購入後にかかるお金も

住宅を購入後に継続的にかかるお金もあります。代表的なものについて紹介します。

住宅ローン返済

借りたお金は返さなければなりません。返し終えるまで毎月返済を続ける必要があります。無理のない返済計画を立ててしっかりと返していくようにしましょう。

固定資産税・都市計画税

毎年1月1日時点で土地や建物を所有している人に対して課す税金です。税額は固定資産税評価額に税率をかけて計算します。固定資産税の税率は1.4%、都市計画税の税率は0.3%が一般的です。一括払か年4回の分割払を選択することができます。

管理費・修繕積立金

マンションを購入した場合にかかる費用です。管理費は共用部分の清掃費用や設備の管理費用などに充てられます。修繕積立金はマンションの大規模修繕に備えて毎月積み立てるお金です。修繕時に積立金が不足すると一時金が必要となることもあります。

なお、一戸建ての場合も毎月徴収されるわけではありませんが、将来的に修繕は必要となるので備えておく必要があります。

駐車場代

駐車場を借りる場合には駐車場代が必要です。料金は借りる場所などによって変わります。月数千円から数万円で基本的に都市部の方が高くなります。

火災保険料・地震保険料

火災保険と地震保険の契約期間は最長5年です。契約時に一括で保険料を払うことが多いですが、契約期間が終了したら更新あるいは別の保険会社で契約して再度保険料の払込が必要となります。長期間の保険料を一括で支払う方が保険料の総額は安くなりますが、大きな金額を支払うのは厳しい場合は年払なども可能です。

まとめ

住宅を購入する場合、物件の購入費用だけでなく諸費用もかかります。諸費用は物件価格の5%~10%程度で基本的に現金で用意する必要があります。物件の費用だけでなく諸費用も考えて購入計画を立てる必要があるでしょう。


堀田健太

著者情報

堀田 健太
東京大学経済学部金融学科を卒業後、2015年にSBIホールディングス株式会社に入社、インズウェブ事業部に配属。以後、一貫して保険に関する業務にかかわる。年間で100本近くの保険に関するコンテンツを制作中。

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「保険(Insurance)」とインターネット「ウェブ(Web)」の融合から、サイト名『インズウェブ(InsWeb)』が誕生しました。自動車保険の見積もりを中心として2000年からサービスを提供しています。現在の運営会社はSBIホールディングス株式会社となり、公正かつ中立的な立場で自動車保険のみならず火災保険に関する様々なお役立ち情報も提供しています。

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