火災保険の基礎知識

火災保険の支払限度額はいくら?保険金額を正しく設定して十分な補償を!

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火災や自然災害などで住宅に損害を受けた時に火災保険で補償を受けますが、保険金の支払には支払限度額があります。火災保険の支払限度額はいくらなのか、支払われる保険金はどのように決まるのかについて説明します。火災保険の支払限度額は契約時に設定した保険金額が限度となります。保険金額の正しい設定についても理解しておきましょう。

火災保険の支払限度額は保険金額

「保険金額」とは何か、ということですが、火災保険の保険金額は、火災や自然災害などで住宅に損害を受けた時に火災保険から支払われる保険金の限度額になります。すなわち、「保険金額」が「支払限度額」になるということです。

保険金額は、火災保険の契約時に保険の対象とする建物や家財などの「保険価額」をもとに設定します。保険価額と保険金額が正しく設定されていなければ住宅に損害を受けても十分な補償を受けられない場合がありますのでしっかり理解しておきたい部分です。

保険価額保険の対象(建物や家財)の評価額
保険金額保険価額をもとに設定する契約金額は、事故が発生した場合に支払われる保険金の限度額になる
支払限度額支払限度額=保険金額

では、実際に火災や自然災害などで住宅に損害を受けた時に支払われる保険金はいくらなのかというと、それは、受けた損害の損害額です。受けた損害の損害額が火災保険で補償される額という事になります。そして、その補償される額は保険金額が上限ということです。

契約時の「時価」と「新価(再調達価格)」に注意する

火災保険の契約を行う時には、建物の保険金額をいくらに設定するかを決めます。火災保険の保険金額は建物の保険価額(評価額)をもとに決めますが、建物の保険価額は、「時価」と「新価(再調達価格)」の2つの求め方があります。

火事や自然災害などで住宅が全損したような場合に同じ物件を新たに建築あるいは購入するのに必要な金額を保険金として受け取る事ができるように契約するためには「新価(再調達価格)」の契約である必要があります。現在の火災保険は、その、「新価」で契約することが主流となっています。

しかし、古い火災保険の長期契約などでは、もう一方の「時価」の契約となっている場合があります。建物の場合において「時価」の契約では、実際に保険金を受け取る事故が発生した時に、同じ物件を新たに建築あるいは購入するために必要な金額から経過年数による価値の減少と消耗分を差し引いた金額を保険金額とするため十分な補償を受ける事ができない可能性が高いです。「時価」の契約では、住宅が火災や自然災害などの被害で全損被害を受けてしまっても、同じ物件を新たに建築あるいは購入するための金額を保険金として受け取る事ができないからです。

新価(再調達価格)同じ物件を新たに新築あるいは購入するために必要な金額
時価新価から経年劣化による価値の減少と使用による消耗分を差し引いた金額(建物や家財などの現在価値)

火災保険の契約が「時価」になっている場合は、自宅が全損被害にあっても同じ住宅を建て直すだけの保険金を受け取る事ができず、自己負担分が多く発生してしまう可能性があります。特に古い長期の火災保険に契約している人は「時価」の契約になっていないか確認してみましょう。

保険金額を正しく設定する

上記の説明で「保険価額」「保険金額」「支払限度額」の関係性、「時価」と「新価」について分かりました。では、十分な補償を受けるためにはどんなことに注意して保険金額の設定をすればよいのでしょうか。

保険金額の設定が建物評価額と同じ場合、多い場合、少ない場合とあります。正しい保険金額で設定されていなければ、住宅に損害を受けても十分な補償が受けられません。また、保険の無駄払いとなるような契約をしている場合もあるので注意しましょう。

保険金額の設定を「一部保険」で保険価額(評価額)より保険金額が少なく設定している場合は、保険金額より損害額が大きくても設定した保険金額までしか保険金を受け取る事ができません。保険料は安くなりますが、補償が足りず自己資金での負担が大きくなってしまう可能性があるので注意しましょう。

火災保険は、火災や自然災害などで住宅が被害にあってしまっても損害額以上の保険金は支払われません。したがって、保険価額(評価額)より保険金額を高く設定している「超過保険」は、保険料は高くなりますが、火災や自然災害などで住宅が全損の被害にあってしまっても保険価額(評価額)以上の保険金を受け取る事ができないこととなり、保険料の無駄払いとなります。

保険金額の設定内容注意点
全部保険保険価額(評価額)が同一時価の契約の場合は、時価額となるため十分な補償が受けられない
一部保険保険価格(評価額)より保険金額が低い損害の一部しか支払われないため、十分な補償が受けられない
超過保険保険価格(評価額)より保険金額が高い保険価額(評価額)が限度のため、超過分の保険料は無駄になってしまいます。

免責金額(自己負担額)を理解する

火災保険の契約を行う際に自分で免責金額を設定する場合、日常生活において馴染みのない言葉のため免責金額が何か分からない、いくらで設定したらよいか分からないという人も多いと思います。古い長期契約の火災保険で免責金額が設定されている場合など、火災や自然災害などで実際に保険金を受け取る事故が発生した時に免責金額があり予定したより保険金を受けとる事ができなかったという想定外の事態になることもあります。そのような状況にならないためにも免責金額を理解しておきましょう。

免責金額とはいわば自己資金額です。免責とは責任を免れるという意味ですから、保険会社が保険金の支払の責任を免れる金額、つまりは自己負担しなければならない金額ということです。免責金額の設定があると損害額から免責金額を差し引いた額が支払われる保険金になります。免責金額には、フランチャイズ方式と免責方式(エクセス方式)の2つの方式があります。フランチャイズ方式は、一昔前の火災保険の風災補償に20万円の金額設定で標準的についていた方式です。現在では、免責方式で設定することが多いです。

保険金=損害額-自己資金額(自己負担額)

フランチャイズ方式と免責方式

フランチャイズ方式は、一定の金額までは全額自己負担で、一定の金額を超えたら全額保険金が支払われる、という方式です。免責方式は、自己負担する金額をあらかじめ決めておく方式です。保険会社によって設定できる金額に違いがありますが、0円、5千円、1万円、3万円、5万円、10万円、20万円などのいくつかの金額が示され、その中から選択するパターンが多いようです。免責金額の設定は、大きな金額で設定するほど自己負担額は大きくなりますが保険料は安くなります。

フランチャイズ方式と免責方式の違いを具体例を用いて説明します。ランチャイズ方式で免責20万円と免責方式で免責5万円の設定の場合で比べてみます。

損害額フランチャイズ方式免責方式
損害額3万円保険金:0円
自己負担:3万円
保険金:0円
自己負担:3万円
損害額15万円保険金:0円
自己負担:15万円
保険金:10万円
自己負担:5万円
損害額30万円保険金:30万円
自己負担:0円
保険金:25万円
自己負担:5万円

地震保険の支払限度額(保険金額)について

自然災害の中でも火災保険のみでは補償されない地震・噴火・津波を原因とする火災・損壊・埋没・流出による損害の補償には、火災保険とセットで契約する地震保険に契約する必要があります。地震保険は、火災保険とセットで契約しますが、設定する保険金額は火災保険と同じではなく、建物と家財に対して火災保険で設定した金額の30%~50%の範囲内で設定することとなります。なお、上限額は建物が5,000万円までで家財は1,000万円までです。このような保険金額になっているのは、地震保険は建物を建て直す費用を補償する保険ではなく、「被災した人々の生活の安定に貢献する」ことを目的にできた保険だからです。

【地震保険の保険金額の設定】
建物と家財に対して火災保険で設定した金額の30%~50%の範囲内で設定する
※上限額は建物が5,000万円まで、家財は1,000万円まで

地震保険の補償内容

地震保険は、政府と損害保険会社が共同で運営する保険なので、保険料や補償内容も一律で決まっています。地震等による損害を受けた場合は、損害の程度によって補償の判定がされます。全損、大半損、小半損、一部損の認定を行い、その認定に沿った保険金が支払われます。損害の程度が一部損に満たない場合は保険金は支払われません。

建物

損害基準保険金支払額
全損主要構造部の損害額が建物の時価50%以上建物の地震保険の保険金額の100%(時価額が限度)
焼失または流出した床面積が建物の延床面積の70%以上
大半損主要構造部の損害額が建物の時価の40%以上50%未満建物の地震保険の保険金額の60%(時価額の60%が限度)
焼失または流出した床面積が建物の延床面積の50%以上70%未満
小半損主要構造部の損害額が建物の時価の20%以上40%未満建物の地震保険の保険金額の30%(時価額の30%が限度)
焼失または流出した床面積が建物の延床面積の20%以上50%未満
一部損主要構造部の損害額が建物の時価の3%以上20%未満建物の地震保険の保険金額の5%(時価額の5%が限度)
建物が床上浸水または地盤面より45㎝を超える浸水を受け、損害が生じた場合で全損・大半損・小半損に至らないとき

注意ポイント

なお、建物における主要構造部とは、土台、柱、壁、屋根等の建築基準法施行令第1条第3号に掲げる構造耐力上主要な部分のことをいいます。生活に必要な部分であっても、塀、垣、エレベーター、給排水設備のみの損害など主要構造部に該当しない部分のみの損害は補償されません。

家財

損害基準保険金支払額
全損損害額が家財全体の時価の80%以上家財の地震保険の保険金額の100%(時価額が限度)
大半損損害額が家財全体の時価の60%以上80%未満家財の地震保険の保険金額の60%(時価額の60%が限度)
小半損損害額が家財全体の時価の30%以上60%未満家財の地震保険の保険金額の30%(時価額の30%が限度)
一部損損害額が家財全体の時価の10%以上30%未満家財の地震保険の保険金額の5%(時価額の5%が限度)

平成29年1月1日以降始期の地震保険
※地震保険に関する法律施行令の改正(平成29年1月1日施行)により、「半損」が「大半損」および「小半損」に分割されています。

損害額以外の諸費用をカバーする「費用保険金」

火事や自然災害などで住宅に損害を受けた時に火災保険で修理費用を補償してもらいますが、住宅に損害を受けた時には修理費用だけではなくさまざまな諸費用が発生します。火災保険には、そのような諸費用を補償する費用保険金や特約なども用意されているので一部紹介します。

費用保険金特約などを付帯すると保険料は高くなりますが、住宅に損害を受けた時の諸費用が心配だという人は確認しておくとよいでしょう。

費用保険金損害の内容補償額
臨時費用保険金特約損害保険金とは別に追加で保険金が支払われる特約1事故あたり損害保険金の10%~30%
(限度額100万~300万円)
地震火災費用特約地震・噴火またはこれらによる津波を原因とする火災で保険の対象が一定割合以上の損害を受けたときに支払われる特約通常、保険金額の5%
(上限は300万円)
失火見舞費用特約住まいからの失火で近隣の家屋などに延焼してしまった場合に、支出した見舞金等の費用が保険金として支払われる特約1世帯当たり30万円、1回の事故につき保険金額の30%や1世帯当たり20万円
(1回の事故につき保険金額の20%といった金額が限度)
残存物取片付け費用保険金特約火災や自然災害などで損害を受けた建物や家財の焼け残りや瓦礫などの残存物を片付けるための費用の実費が支払われる特約損害保険金の10%を限度として実際にかかった費用が保険金として支払われる

まとめ

火災や自然災害で住宅に損害を受けた時に備える保険は火災保険です。火災保険で支払われる保険金は受けた損害の損害額となり、その補償される額は保険金額が上限となります。住宅に保険金を受け取る事故が発生した時に十分な補償を受けられるように正しい保険金額の設定に注意しましょう。また、地震・噴火・津波を原因とする火災・損壊・埋没・流出による損害の補償には、火災保険とセットで契約する地震保険に契約する必要があります。地震保険は保険料や補償内容が一律で決まっています。補償内容を確認し地震で大きな被害に遭ってしまった時のことを想定し必要かどうか検討するようにしましょう。

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