火災保険の基礎知識

外壁にALCパネルを使っていれば火災保険料は安くなる?

投稿日:2021年8月12日 更新日:

火災保険は一般的な木造の建物よりも燃えにくいコンクリート造や鉄骨造の建物の方が火災保険料が安くなります。それでは木造の住宅の外壁に防火性能が高いALCパネルを使った場合、火災保険料は安くなるのでしょうか?

かつては安くなったが、現在は安くならない

昔は木造の建物であっても外壁にALCを使えば、一般の木造住宅よりも保険料が安い区分に分類されていました。しかし、2010年1月からは外壁材の種類によらず主に柱材のみで判定されるようになったため、現在は外壁にALCを使用していても一般の木造住宅と同様の保険料となっています。

2009年12月まで

構造代表例備考
A構造鉄筋コンクリート造
B構造鉄骨造木造+外壁ALCもここ
C構造一部の2×4、木造で外壁が不燃材料一般の木造はここ
D構造上記以外

昔はA構造、B構造、C構造、D構造に分かれており、A構造が一番保険料が安く、D構造に向けて順に保険料が高くなっていました。そして、木造住宅で外壁のすべてがコンクリート造(ALC造等)の場合もB構造に分類されており、一般の木造住宅がC構造やD構造に分類されていたのよりも保険料が安くなっていました。

2010年1月から

構造代表例備考
M構造耐火建築物の共同住宅
T構造耐火建築物の専用住宅、準耐火建築物、省令準耐火建物
H構造上記以外木造+外壁ALCも一般の木造と同じくここに分類される

2010年1月以降はM構造、T構造、H構造に分かれており、M構造が一番保険料が安く、H構造が一番保険料が高くなっています。M構造、T構造、H構造はそれぞれマンション構造、耐火構造、非耐火構造の頭文字を取っています。そして、主に柱材で構造が判定されるようになったため、外壁にALCを使っていても一般の木造住宅と同じようにH構造に分類されるようになりました。

なお、前契約でB構造と判定されていて契約を更新する際にH構造と判定される場合には経過措置としてH構造よりも安い料率が適用される場合があります(K構造)。当てはまる場合は保険会社に確認してみるようにしましょう。

木造でも省令準耐火建物であれば安くなる

外壁にALCを使っただけでは保険料は安くなりませんが、上で紹介した2010年1月からの表に記載がある通り、木造であっても省令準耐火建物の場合はH構造ではなくT構造に分類され、保険料が安くなります。

省令準耐火構造の住宅とは、建築基準法で定める準耐火構造に準ずる防火性能を持つ構造として、住宅金融支援機構が定める基準に適合する住宅です。具体的には、以下の13のいずれかの条件を満たすものです。

  1. 機構の定める省令準耐火構造の仕様に基づき建設された木造軸組工法の住宅又は枠組壁工法(2×4)住宅
  2. 省令準耐火構造として機構が承認したプレハブ住宅
  3. 省令準耐火構造として機構が承認した住宅または工法

詳細については、フラット35のサイト内の説明ページをご確認ください。

省令準耐火構造の住宅の特徴

省令準耐火構造の住宅は通常の木造より火災に強いですが、具体的にはどのような特徴を持っているのでしょうか?

隣家などから火をもらわない(外部からの延焼防止)

隣家などからの延焼を防ぐために、屋根や外壁、軒裏を耐火性の高い構造となっています。屋根は瓦やスレートなど不燃材料で葺く、外壁は防火サイディング壁にするといったことが行われます。

火災が発生しても一定時間部屋から火を出さない(各室防火)

万が一部屋から火災が発生しても、簡単に燃え広がらないように一定時間部屋から火を出さない構造となっています。各室を区画する構造となっているのに加えて、室内の内側(壁・天井)には火に強い石膏ボードを使用します。

部屋から火が出ても延焼を遅らせる(他室への延焼遅延)

火が壁の内側や天井裏を伝わって燃え広がりにくくするために、壁や天井内部の要所(壁の内部などの部材同士が接触している部分)に木材や断熱材のファイヤーストップ材が設けられています。

木造建物
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一括見積もりで保険料を安くしよう

火災保険料が安くなるからといって建てている途中であるいは建ててしまってから省令準耐火建物となるように変更するのは困難です。しかし、できることなら火災保険料は安くしたいところですよね。そこで大切となるのが各社の火災保険を比較することです。

火災保険料は自動車やバイクの自賠責保険のように各社で一律なのではなく、保険会社によって保険料が異なります。また、保険会社によっては風災・水災など個別の補償内容の有無をある程度自由に選択できるところもあり、そうした保険会社であれば不要な補償を削ることで保険料を安くできます。銀行やハウスメーカーなどに提案された火災保険からそのまま選ぶのではなく、そのほかの保険会社の火災保険も比較してみることが大切なのです。

火災保険を比較する際には一括見積もりサービスを利用するのが便利です。一度の情報入力で複数社の見積もりを取れるので個別に見積もりを取る手間が省けます。ぜひ利用して保険料の安い保険会社を探しましょう。


堀田健太

著者情報

堀田 健太
東京大学経済学部金融学科を卒業後、2015年にSBIホールディングス株式会社に入社、インズウェブ事業部に配属。以後、一貫して保険に関する業務にかかわる。年間で100本近くの保険に関するコンテンツを制作中。

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「保険(Insurance)」とインターネット「ウェブ(Web)」の融合から、サイト名『インズウェブ(InsWeb)』が誕生しました。自動車保険の見積もりを中心として2000年からサービスを提供しています。現在の運営会社はSBIホールディングス株式会社となり、公正かつ中立的な立場で自動車保険のみならず火災保険に関する様々なお役立ち情報も提供しています。

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