火災保険料を安くするには

火災保険、2021年1月に再度の値上げへ 保険料を安くするには?

投稿日:2019年11月25日 更新日:

2022年10月の改定により、火災保険料は再度値上げされました。また、同日に地震保険料の改定も行われています。よってこの記事の情報は一部古い可能性があります。最新の情報は以下の記事リンクをご確認ください。

2022年に火災保険大幅値上げへ 参考純率全国平均10.9%引き上げ・最長5年に
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2022年10月地震保険の基本料率が全国平均で0.7%引き下げとなっています。全国平均でみると値下げとなっていますが、一部値上げとなる地域や構造によっても異なる ...

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参考純率を平均で4.9%の引き上げ

損害保険会社各社でつくる損害保険料率算出機構は火災保険の参考純率を平均で4.9%引き上げることを金融庁に届け出て、2019年10月30日に適合性審査結果通知を受領したことを公表しました。

参考純率とは、保険料率のうち、事故が発生したときに保険会社が支払う保険金に充てられる部分の参考値です。保険料率は以下の図のように純保険料率と付加保険料率とに分けられますが、このうち、純保険料率の参考となる値です。各保険会社は参考純率をそのまま使う必要はありませんが、統計データをもとに算出しているため値上げの方向性は変わらないでしょう。

純保険料と付加保険料

なお、値上げばかりではなく値下げのニュースもあります。築浅住宅は築年数が経過した住宅よりも水漏れなどのリスクが低い実態があるため、それを反映するために築浅住宅を対象とした割引が導入されます。

築5年未満築5年以上10年未満
平均28%の割引平均20%の割引

※割引率は契約条件(都道府県・構造等)によって異なります。

値上げの背景

2019年10月にも火災保険料の値上げが行われていますが、どうして再度の値上げが必要なのでしょうか。これは、2019年10月の値上げは2016年度までの保険統計データに基づいたものであり、2017年や2018年の自然災害の影響が反映されていないからです。

特に2018年度は、大阪などで被害が大きかった台風21号の1兆678億円をはじめとして合計で1兆5695億円もの保険金の支払がありました。これは調査を始めた1970年度以降で最大の保険金支払額であり、それまで最大であった2004年度の約7400億円の2倍以上です。

こうした巨額な保険金の支払の影響を踏まえ、収支の均衡を確保する観点から再度の参考純率の引き上げが行われるのです。この引き上げの各社の反映時期は未定ですが、2021年1月に火災保険料を上げる方向で検討しているようです。

また、この引き上げには2019年度の自然災害の被害は反映されていません。2019年度においても大きな台風被害が発生したため、更なる値上げが行われる可能性もあります。

どれくらいの値上げになる?

実際の保険料の値上げ・値下げは各保険会社にゆだねられますが、建物構造別に東京都、大阪府、愛知県と改定率が最大・最小となる都道府県の参考純率の改定率を紹介します。なお、保険金額を建物2000万円、家財1000万円とした場合の事例です。

■すべての築年数の契約を平均した改定率

M構造T構造H構造
都道府県改定率都道府県改定率都道府県改定率
三大都市圏東京都+1.4%東京都+4.9%東京都+0.1%
大阪府+8.9%大阪府+16.6%大阪府+14.9%
愛知県+4.2%愛知県+11.0%愛知県+10.9%
最大熊本県+24.1%宮崎県+24.7%熊本県+31.3%
最小静岡県▲3.8%福岡県▲6.8%福岡県▲15.9%

出典:損害保険料率算出機構

※上表は参考純率の改定率で、実際の契約にあたっての保険料の改定率とは異なります。
※構造については以下の表を参考にしてください。

構造級別
M構造耐火建築物の共同住宅(例:コンクリート造のマンション)
T構造耐火建築物の専用住宅、準耐火建築物・省令準耐火建物(例:鉄骨造の一戸建て)
H構造M構造・T構造のいずれにも該当しない建物(例:木造の建物)
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また、築浅住宅に対する割引が適用される築5年未満の契約の改定率と割引が適用されない築10年以上の契約の改定率の例も紹介します。なお、契約している保険会社ですでに築浅住宅に対する割引が適用されている場合、改定率の傾向(引き上げ・引下げ)自体が異なる場合もあります。

■築5年未満の改定率

M構造T構造H構造
都道府県改定率都道府県改定率都道府県改定率
三大都市圏東京都▲18.1%東京都▲8.7%東京都▲13.2%
大阪府▲13.1%大阪府+0.1%大阪府▲2.0%
愛知県▲17.6%愛知県▲3.4%愛知県▲4.2%
最大熊本県+1.4%宮崎県+10.2%熊本県+10.1%
最小静岡県▲23.4%福岡県▲19.2%福岡県▲29.4%

■築10年以上の改定率

M構造T構造H構造
都道府県改定率都道府県改定率都道府県改定率
三大都市圏東京都+6.3%東京都+9.6%東京都+1.9%
大阪府+14.1%大阪府+21.7%大阪府+17.3%
愛知県+9.2%愛知県+18.1%愛知県+15.4%
最大熊本県+30.3%宮崎県+34.1%熊本県+35.0%
最小静岡県+0.8%福岡県▲0.8%福岡県▲13.9%

いずれも出典は損害保険料率算出機構

地震保険も値上げに

火災保険だけでなく地震保険も2021年1月に値上げが予定されています。割引等を適用する前の基本料率について全国平均で+5.1%の引き上げとなります。改定率は都道府県・建物の構造区分によって異なり、最大引き上げ率は+14.7%(福島県のロ構造)、最大引き下げ率は-18.1%(愛知県、三重県、和歌山県のイ構造)です。なお、イ構造とは耐火建築物、準耐火建築物および省令準耐火建物等でロ構造は木造建物などイ構造以外の建物です。

また、保険期間が2~5年の長期契約に適用される地震保険料の割引(長期係数)についても、近年の金利状況を踏まえて見直されます。例えば、現行では5年契約の長期係数は4.60で4.6年分の保険料で契約できますが、改定後は4.65となって4.65年分の保険料が必要となります。

各構造・都道府県ごとの改定率については以下のコンテンツをご覧ください。

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地震保険料が値上げへ!基本料率が平均5.1%引き上げに
この記事は2019年の情報です。2022年10月に再度地震保険の改定が行われているため、一部情報が古い可能性があります。最新の改定内容は以下の記事リンクをご確認 ...

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保険料を安くするには

上述の通り火災保険料の値上げが予定されていますが、保険料を安く抑えるためにはどうすればよいのでしょうか。その方法を紹介します。

値上げ前に長期契約する

保険料の値上げの対象となるのは基本的に保険料の改定日以降に開始となる契約です。保険料の改定前に契約を開始すれば更新のタイミングまで値上げの影響を受けません。このとき、1年契約にするとすぐに値上げ後の保険料が適用されてしまうので、10年などの長期契約にするとより保険料を安く抑えることができます。また、もともと長期契約だと1年契約を繰り返した時よりも保険料の総支払額が抑えられるので併せてお得になります。

なお、新築で築浅住宅に対する割引がない保険会社との契約の場合は割引が適用されてから長期契約を結んだ方がお得となる場合もあります。ただ、その場合はすでに築浅住宅に対する割引がある保険会社と契約して、保険料の改定後に再度各社の見積もりを取ってみる形の方が保険料を安く抑えられるかもしれません。

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必要ない補償は外す

当たり前ではありますが、補償内容を充実させるほど保険料は高くなります。必要がない補償を外すことで保険料の節約ができます。例えば、都市部のマンション高層階では水災補償の必要性は薄いです。必要な補償についてはハザードマップなどを参考にしてみるとよいでしょう。また、家財保険などで保険金額(保険金支払の上限額)が必要以上に高くなっていないかなども確かめてみるとさらに保険料の節約ができるかもしれません。

免責金額を設定する

免責金額を設定することで保険料を安くすることができます。免責金額とは、簡単に言えば自己負担額です。例えば、免責金額が3万円で10万円の損害が発生した場合、3万円は自己負担して残りの7万円が保険金として支払われます。免責金額を高く設定するほど保険料が安くなりますが、損害が発生したときの自己負担額も大きくなってしまいます。万が一の時にいくらまでの自己負担なら耐えられるのか考えたうえで設定するようにしましょう。

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保険料が安い保険会社と契約する

火災保険は同じ条件であっても保険会社によって保険料が異なります。銀行やハウスメーカーなどで勧められた火災保険以外にも目を向けることで保険料が安い保険会社と契約できるかもしれません。

保険料が安い保険会社を探すには一括見積もりサービスが便利です。一度の情報の入力で複数社から火災保険の見積もりを取ることができます。一社一社個別に見積もりを依頼する手間が省けます。利用は無料なので、ぜひ気軽に利用してみてください。


堀田健太

著者情報

堀田 健太
東京大学経済学部金融学科を卒業後、2015年にSBIホールディングス株式会社に入社、インズウェブ事業部に配属。以後、一貫して保険に関する業務にかかわる。年間で100本近くの保険に関するコンテンツを制作中。

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「保険(Insurance)」とインターネット「ウェブ(Web)」の融合から、サイト名『インズウェブ(InsWeb)』が誕生しました。自動車保険の見積もりを中心として2000年からサービスを提供しています。現在の運営会社はSBIホールディングス株式会社となり、公正かつ中立的な立場で自動車保険のみならず火災保険に関する様々なお役立ち情報も提供しています。

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