火災や災害で住宅に損害を受けた時、火災保険の契約があれば保険会社から受け取る保険金で修理や補修を行う事ができます。万が一の火災や災害などの備えとして準備しておく火災保険ですが、一度保険会社から補償を受けると火災保険の契約はどうなるのでしょうか。火災保険の利用回数などは決まっているのでしょうか。
火災保険の利用回数に制限はありません!
火災保険は、一般的に、火災をはじめ、落雷や破裂・爆発、風災、雪災、水災などの自然災害から盗難などの被害に遭った場合に保険金が支払われる保険です。火災保険は、日常に潜んでいるたくさんのリスクから、私たちの住宅と生活を守る大切な保険です。対象の補償の契約があれば、火災や自然災害などによって住宅に損害を受けた時の修理費用として保険金を受け取る事ができます。保険期間内であれば、利用回数に制限などはなく損害を受ければ何度も申請が可能で補償を受ける事ができます。
火災保険は最長で5年の長期契約を行う事ができます。契約期間を5年としている場合は、5年間の間で生じた補償の対象となる損害は何度でも火災保険から保険金を受け取る事が可能ということです。
建物全体の保険金を請求すれば契約終了
火災保険は、補償となる建物・家財が火災で全焼してしまった場合、設定した保険金額(保険金支払額の上限額)が支払われます。補償の対象となる建物・家財が全焼となると保険の対象となるものがなくなるので、設定した保険金額を受け取ると火災保険の契約は終了となります。火災により全焼してしまった場合に限らず、自然災害による損害で住宅が全損し設定した保険金額を受け取った場合も同様です。また、火災保険とセットで地震保険に契約している場合は、火災や災害による自宅の全損で火災保険の保険金額を受け取ると地震保険も契約終了となるので注意しましょう。
地震保険は2回目以降も支払われる?
地震での損害は火災保険では補償対象外です。地震保険は、「地震・噴火またはこれらによる津波を原因とする火災、損壊、埋没または流出による建物や家財の損害」が対象です。これらによる損害は地震保険で補償を受ける事になります。地震保険は最長5年間で契約することが可能で、補償内容は全損、大半損、小半損、一部損の認定に沿い保険金の支払いが決定します。地震が複数回あった時の地震保険の支払いルールも決められていますので確認しておきましょう。
地震による災害が複数回起きた時に、地震の件数としてどのように考えるかのルールは下記のように決められています。
- 72時間以内に発生した2回以上の地震による損害は1回の扱いとする
- 地震等が発生した日の翌日から10日経過後に生じた損害は対象外
- 全損認定となれば契約は終了
72時間を超えて生じた2回以上の地震による損害は、それぞれについて全損、大半損、小半損、一部損のいずれかに該当するかが認定され保険金が支払われます。地震等が発生してから10日を経過した後に生じた損害が対象外となるのは、地震等が原因で起こった損害であるかどうかを判断することが難しくなるからです。地震保険においても全損認定を受け、地震保険の保険金額の100%(時価額が限度)を受け取ると契約期間が残っていても契約は終了となります。
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火災保険を利用しても保険料は高くなりません
火災保険は、保険期間内で何度利用しても利用したことによって保険料が高くなったりすることはありません。自動車保険は、等級によって割引率が変わるため等級に影響する事故で保険金を受け取ると翌年度からの保険料が高くなりますが、火災保険にはそのような制度はありません。つまりは、契約している保険会社から保険金が支払われた場合でも翌年度以降の保険料は変わりません。
しかし、近ごろ台風や暴風雨などの自然災害による巨額の保険金の支払いの影響を受け保険料の値上げニュースが続いています。火災保険の契約が満期を迎え更新する際や別の保険会社に乗り換えて契約する場合、火災保険の見直しを行う時には保険料が高くなる場合がありますので注意しましょう。また、築年数に応じても築浅の物件の方が割引率が高かったり、新築の場合は新築割引がありますが、住宅の築年数が経過すればそのような割引が受けられなくなります。新規の契約や更新によって火災保険料が高くなってしまう場合には、複数の保険会社を比較したり、補償内容を見直し不要な補償を外したりすることで補償と保険料のバランスを考えながら保険料を安く抑えることもできますので確認してみましょう。複数の保険会社の比較を行うには、一括見積もりサイトなどを利用すると便利ですので活用しましょう。
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火災保険の申請方法
火災や自然災害で住宅に損害を受けた時の火災保険の請求方法について確認しておきましょう。一般的な請求の流れを紹介します。
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1保険会社に連絡
まず、契約する保険会社に損害を受けたことを連絡してください。契約者氏名、保険証券番号、事故内容、被害状況などを伝えることとなります。
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2保険会社から必要書類等が送られてくる
保険会社に連絡すると、保険金の請求に必要な書類や案内が送られてきます。内容をしっかりと確認するようにしましょう。
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3保険会社に必要書類の提出
保険会社からの案内に従って必要な書類を用意して保険会社に書類を提出しましょう。保険会社指定の保険金請求書、修理費用の見積書、被害の状況がわかる写真などが必要となります。
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4保険会社による鑑定人の調査
鑑定人が被害状況の確認・調査を行います。調査結果と契約者からの申請書類などをもとに保険金の支払対象か審査を行い、支払われる保険金の金額が確定します。
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5保険金の入金
保険金の金額が確定したら、契約者指定の口座に保険金が支払われます。
まとめ
火災保険は、保険期間内に対象の補償の契約があれば、何回でも補償を受ける事ができます。地震保険においても同様です。ただし、損害による住宅の全損によって保険金額を受け取った場合は、契約が終了となります。また、火災保険は、保険金を受け取ったことで保険料が値上がりするような事はありません。しかし、火災保険の契約が満期を迎え更新する際や別の保険会社に乗り換えて契約する場合、火災保険の見直しを行う時には保険料が高くなる場合があります。その場合には補償内容と保険料のバランスを考え複数の保険会社を比較したり、不要な補償を外したりなど行ってみましょう。