地震保険の基礎知識

地震保険の補償内容は?いくら補償される?

投稿日:2019年5月30日 更新日:

地震大国である日本ではいつ地震の被害に遭ってもおかしくはないので、保険に加入して備えておきたいところです。しかし、火災保険のみでは地震の被害に備えることはできず、地震保険もあわせて加入する必要があります。地震保険はどのような補償内容で、いくらの補償を受けられるのでしょうか?

地震保険の補償内容

地震保険の補償内容を紹介します。地震保険は政府と損害保険会社が共同で運営する保険なので、保険料や補償内容も一律で決まっています。どこの保険会社で契約しても補償内容や保険料に違いはありません。なお、地震保険は単独では契約できず、火災保険とセットで契約する必要があります。

保険の対象

地震保険の補償の対象は、居住用の建物とそこに収容されている家財です。契約は「建物のみ」「家財のみ」と「建物と家財」を選択することができます。

工場や事務所専用の建物など住居として使用されない建物や、1個または1組の価額が30万円を超える貴金属・宝石・骨とう(いわゆる明記物件)、通貨、有価証券などは補償の対象外となっています。また、自動車についても家財には含まれず補償の対象外となっています。

地震保険の補償内容の詳細

地震保険は火災保険では補償されない地震・噴火・津波を原因とする火災、損壊、埋没または流出による建物や家財の損害を補償します。

地震等による損害を受けた場合は、損害の程度によって補償の判定がされます。全損、大半損、小半損、一部損の認定を行い、その認定に沿った保険金が支払われます。損害の程度が一部損に満たない場合は保険金は支払われません。

地震保険の保険金額(支払われる保険金の上限)は、契約している火災保険の保険金額の30%~50%の範囲内で決めます。ただし、上限が決まっており、建物は5,000万円、家財は1,000万円です。

建物

損害基準保険金支払額
全損主要構造部の損害額が建物の時価50%以上建物の地震保険の保険金額の100%(時価額が限度)
焼失または流出した床面積が建物の延床面積の70%以上
大半損主要構造部の損害額が建物の時価の40%以上50%未満建物の地震保険の保険金額の60%(時価額の60%が限度)
焼失または流出した床面積が建物の延床面積の50%以上70%未満
小半損主要構造部の損害額が建物の時価の20%以上40%未満建物の地震保険の保険金額の30%(時価額の30%が限度)
焼失または流出した床面積が建物の延床面積の20%以上50%未満
一部損主要構造部の損害額が建物の時価の3%以上20%未満建物の地震保険の保険金額の5%(時価額の5%が限度)
建物が床上浸水または地盤面より45㎝を超える浸水を受け、損害が生じた場合で全損・大半損・小半損に至らないとき

注意ポイント

なお、建物における主要構造部とは、土台、柱、壁、屋根等の建築基準法施行令第1条第3号に掲げる構造耐力上主要な部分のことをいいます。生活に必要な部分であっても、塀、垣、エレベーター、給排水設備のみの損害など主要構造部に該当しない部分のみの損害は補償されません。

家財

損害基準保険金支払額
全損損害額が家財全体の時価の80%以上家財の地震保険の保険金額の100%(時価額が限度)
大半損損害額が家財全体の時価の60%以上80%未満家財の地震保険の保険金額の60%(時価額の60%が限度)
小半損損害額が家財全体の時価の30%以上60%未満家財の地震保険の保険金額の30%(時価額の30%が限度)
一部損損害額が家財全体の時価の10%以上30%未満家財の地震保険の保険金額の5%(時価額の5%が限度)

平成29年1月1日以降始期の地震保険
※地震保険に関する法律施行令の改正(平成29年1月1日施行)により、「半損」が「大半損」および「小半損」に分割されています。

地震
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地震保険の保険料

地震保険の保険料率は都道府県ごとに定められており、対象の建物の構造によって算出されます。どの保険会社で契約しても保険料は変わりません。地震保険の保険料には、住宅の建築年月日や耐震性能により割引制度が設けられており、適用できれば保険料を割引できます。保険期間は1年および長期(2年~5年)で選択し、最長で5年契約が可能です。長期契約の場合の保険料も長期係数に応じて割引対象となります。

保険料=保険金額×基準料率
基準料率=基本料率×(1-割引率)×長期係数

基本料率(2021年1月1日実施の料率改定による)

イ構造:主として鉄骨・コンクリート造建物等の耐火構造
ロ構造:主として木造建物等の非耐火構造

※「耐火建築物」、「準耐火建築物」および「省令準耐火建物」等に該当する場合は「イ構造」となります。

保険金額1000万円あたりの地震保険料は以下の表の通りです。(保険期間1年につき、単位:円)

タップをすると表が開きます。

+ 北海道・東北

都道府県基本料率
イ構造ロ構造
北海道7,40012,300
青森県7,40012,300
岩手県7,40012,300
宮城県11,80021,200
秋田県7,40012,300
山形県7,40012,300
福島県9,70019,500

+ 関東

都道府県基本料率
イ構造ロ構造
茨城県17,70036,600
栃木県7,40012,300
群馬県7,40012,300
埼玉県20,40036,600
千葉県27,50042,200
東京都27,50042,200
神奈川県27,50042,200

+ 中部

都道府県基本料率
イ構造ロ構造
新潟県7,40012,300
富山県7,40012,300
石川県7,40012,300
福井県7,40012,300
山梨県11,80021,200
長野県7,40012,300
岐阜県7,40012,300
静岡県27,50042,200
愛知県11,80021,200

+ 関西

都道府県基本料率
イ構造ロ構造
三重県11,80021,200
滋賀県7,40012,300
京都府7,40012,300
大阪府11,80021,200
兵庫県7,40012,300
奈良県7,40012,300
和歌山県11,80021,200

+ 中国・四国

都道府県基本料率
イ構造ロ構造
鳥取県7,40012,300
島根県7,40012,300
岡山県7,40012,300
広島県7,40012,300
山口県7,40012,300
徳島県17,70041,800
香川県11,80021,200
愛媛県11,80021,200
高知県17,70041,800

+ 九州・沖縄

都道府県基本料率
イ構造ロ構造
福岡県7,40012,300
佐賀県7,40012,300
長崎県7,40012,300
熊本県7,40012,300
大分県11,80021,200
宮崎県11,80021,200
鹿児島県7,40012,300
沖縄県11,80021,200
都道府県基本料率
イ構造ロ構造
北海道7,40012,300
青森県7,40012,300
岩手県7,40012,300
宮城県11,80021,200
秋田県7,40012,300
山形県7,4002,300
福島県9,70019,500
茨城県17,70036,600
栃木県7,40012,300
群馬県7,40012,300
埼玉県20,40036,600
千葉県27,50042,200
東京都27,50042,200
神奈川県27,50042,200
新潟県7,40012,300
富山県7,40012,300
石川県7,40012,300
福井県7,40012,300
山梨県11,80021,200
長野県7,40012,300
岐阜県7,40012,300
静岡県27,50042,200
愛知県11,80021,200
三重県11,80021,200
都道府県基本料率
イ構造ロ構造
滋賀県7,40012,300
京都府7,40012,300
大阪府11,80021,200
兵庫県7,40012,300
奈良県7,40012,300
和歌山県11,80021,200
鳥取県7,40012,300
島根県7,40012,300
岡山県7,40012,300
広島県7,40012,300
山口県7,40012,300
徳島県17,70041,800
香川県11,80021,200
愛媛県11,80021,200
高知県17,70041,800
福岡県7,40012,300
佐賀県7,40012,300
長崎県7,40012,300
熊本県7,40012,300
大分県11,80021,200
宮崎県11,80021,200
鹿児島県7,40012,300
沖縄県11,80021,200

割引率

地震保険には耐震性能が優れている建物に対して割引が適用されます。割引は以下の4種類があり、重複しての適用はされません。

免震建築物割引

項目内容
対象免震建築物と評価された居住用建物およびこれに収容される家財
割引率50%
確認書類住宅性能評価書等

耐震等級割引

項目内容
対象耐震性能が耐震等級1~3に該当する居住用建物およびこれに収容される家財
割引率耐震等級3:50%
耐震等級2:30%
耐震等級1:10%
確認書類住宅性能評価書、耐震性能評価書等

耐震診断割引

項目内容
対象耐震診断または耐震改修により、建築基準法に定める現行耐震基準に適合していることが確認された居住用建物およびこれに収容される家財
割引率10%
確認書類耐震診断または耐震改修の結果により減税措置の適用を受けるための証明書、国土交通省の定める基準(平成18年国土交通省告示185号)に適合することを証明した書類等

建築年割引

項目内容
対象1981年6月1日(建築基準法に定める現行耐震基準実施日)以後に新築された居住用建物およびこれに収容される家財
割引率10%
確認書類建物登記簿、重要事項説明書(宅地建物取引業者が建物の売買、交換または貸借の相手方等に対して交付)等

※実際の確認書類などの具体的事項については保険会社または代理店にご確認ください。

長期係数

地震保険は火災保険と同様に、保険期間が1年よりも2年~5年の長期契約の方が保険料が安くなります。その計算に用いる長期係数は以下の通りです(2021年1月1日実施の改定に基づく長期係数)。

保険期間長期係数
2年1.90
3年2.85
4年3.75
5年4.65

保険期間が5年の場合、4.65年分の保険料で地震保険に加入することができます。

電卓
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地震保険の保険料控除

地震保険の保険料は「地震保険料控除」の対象となっています。住民税・所得税から支払った保険料の控除を受けることができます。長期契約で一括で保険料を支払っている場合は、保険料総額を保険期間で割った金額を1年分の控除対象とすることができます。

地震保険料控除の控除額

年間支払保険料所得税住民税
5万円まで保険料全額保険料の1/2
5万円超一律5万円一律2万5千円

参考:地震保険制度の概要

地震保険で補償される事故例

地震保険で補償されるケースを確認しておきましょう。火災保険では補償外となってしまうので注意が必要です。

補償を受けられる事例

  • 地震による揺れで外壁や基礎にクラックが生じた
  • 地震による揺れで建物が倒壊した
  • 地震による揺れで食器が割れた
  • 地震による揺れで家具・家電などが倒れて破損した
  • 地震による揺れでストーブが倒れ、火災になった
  • 地震による揺れで液状化現象が起こり、建物が傾いた
  • 地震や火山の噴火で津波が起こって建物が流出した
  • 噴火による溶岩流や噴石、火山灰、爆風によって倒壊・埋没した
  • 噴火による火砕流で建物が燃えた
  • 地震や噴火による土砂崩れで建物が流出や埋没した

地震保険は必要?

地震保険の補償内容を紹介してきましたが、全損でも100%補償されるわけではなく(地震保険の保険金額は火災保険の50%までであるため)、保険料もそこそこするため、地震保険は必要なのか疑問に思う人もいるのではないでしょうか。

そこで、地震保険に入っておいた方がよい理由を2つ紹介します。これを見て必要性について考えてみてください。

他の保険では地震による被害の補償を受けられない

一部の少額短期保険を除き、地震による建物や家財の損害の補償を受けられる保険は地震保険しかありません。地震の発生確率と損害額の予測が難しいことや、巨大地震が発生した際に広範囲に莫大な被害が発生する可能性があることなどから、民間の保険会社のみで地震に対する広範な保険を提供することは難しいです。被災後にまとまった保険金を得て生活を建て直すには地震保険の必要性が高いといえます。

公的支援だけでは足りない

地震などの大きな自然災害が発生したときには被災者に対して公的支援がありますが、それだけでは再建に足りずに自分で何らかの備えが必要だというのが現状です。

例えば、公的支援のメインとなるものの一つに被災者生活再建支援制度がありますが、この支援金で支払われるのは最大でも300万円です。この金額では住宅の再建築や再購入には足りないでしょう。

対象世帯

10世帯以上の住宅全壊被害が発生した市町村等の自然災害により
①住宅が「全壊」した世帯
②住宅が半壊、または住宅の敷地に被害が生じ、その住宅をやむを得ず解体した世帯
③災害による危険な状態が継続し、住宅に居住不能な状態が長期間継続している世帯
④住宅が半壊し、大規模な補修を行わなければ居住することが困難な世帯
⑤住宅が半壊し、相当規模の補修を行わなければ居住することが困難な世帯

基礎支援金
(住宅の被害程度)
加算支援金
(住宅の再建方法)
①全壊
②解体
③長期避難
100万円建設・購入200万円300万円
補修100万円200万円
賃借(公営住宅を除く)50万円150万円
④大規模半壊50万円建設・購入200万円250万円
補修100万円150万円
賃借(公営住宅を除く)50万円100万円
⑤中規模半壊建設・購入100万円100万円
補修50万円50万円
賃借(公営住宅を除く)25万円25万円

※世帯人数が1人の場合は、各該当欄の金額の3/4の額

実際、内閣府の防災情報のページによると、東日本大震災で全壊被害に遭った住宅の新築費用は平均して約2500万円なのに対し、公的支援として受給できるのは善意による義援金をあわせても約400万円にとどまりました。また、生活の再建のためには建物を新築するだけでなく家具や家電の購入が必要となります。東日本大震災の際には、被災者生活再建支援制度を申請した人の45.5%が家電・家具・寝具の購入など、住宅再建以外に50万円以上の費用をかけています(出典:平成24年度被災者生活再建支援法関連調査報告書)。

公的支援+義援金では約2100万円不足する

地震保険に加入した方がいい人はどんな人?

  • 住宅の築年数が浅い人
  • 住宅ローンの残債が多い人
  • 地震発生リスクが高い地域に住む人
  • 預金が少ない人
  • 頼れる身寄りがいない人

地震が発生したときには、火災の発生が増加し消防も対応が追い付かない状況になることが想定されます。住宅密集地などでは大規模火災になるリスクもあります。そのため、地震が原因で起こる損害は火災保険の対象外となっているので、地震のリスクに備えた地震保険の加入は重要といえます。

保険会社の中には火災保険の特約として地震保険の上乗せの補償を用意している保険会社もあります。補償が足りないと心配な場合は上乗せの契約も検討してみてはいかがでしょうか。しかしながら、補償を手厚くすればその分保険料が高くなります。家庭の貯蓄分なども含めバランスを考えて契約するようにしましょう。

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まとめ

地震保険は地震・噴火・津波を原因とする火災、損壊、埋没または流出による建物や家財の損害を補償します。これらの損害は火災保険では補償されません。地震の被害に対する公的支援は十分なものとはいえないので、地震等による建物や家財の損害に備えるのであれば地震保険に加入しましょう。

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「保険(Insurance)」とインターネット「ウェブ(Web)」の融合から、サイト名『インズウェブ(InsWeb)』が誕生しました。自動車保険の見積もりを中心として2000年からサービスを提供しています。現在の運営会社はSBIホールディングス株式会社となり、公正かつ中立的な立場で自動車保険のみならず火災保険に関する様々なお役立ち情報も提供しています。

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