日本は毎年いくつかの台風が襲来し、時には大きな被害をもたらします。もし、自分の住居が台風による被害を受けてしまったとしても火災保険によって補償を受けることができます。火災保険は火災以外の時にも利用できます。台風被害の場合はどのような補償が受けられるのか確認していきましょう。
目次
火災保険で台風被害に対してどのような補償がある?
火災保険は「火災」保険というその名称から、火災以外のときに利用することを思い浮かばない人も多くいるようです。しかし、火災保険は自然災害や事故による住宅に対する損害の多くが補償範囲に入っているのです。
台風による被害に対する補償としては、風災補償・水災補償・落雷補償が考えられます。
風災補償
台風による強風で屋根瓦が飛んでしまった、飛来物で窓ガラスが割れてしまった、雨どいが外れてしまったといった被害を受けた場合、風災補償によって補償を受けることができます。
風災補償で注意が必要なのは、保険金の支払い方式がフランチャイズ方式となっている場合、損害額が20万円以上でないと保険金が支払われないということです。この方式の場合、損害額が19万円だと1円も支払われず、21万円だと全額支払われます。最近は車両保険の免責金額のように設定した金額を自己負担で支払う免責方式が多いのですが、一昔前はフランチャイズ方式が一般的でした。35年などの長期で昔から契約している場合はフランチャイズ方式が多いので確認が必要です。
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水災補償
台風による高潮や大雨による洪水が原因で床上浸水や再調達価格の30%以上の損害を受けた場合には水災補償によって補償を受けることができます。また、大雨による土砂崩れの被害を受けた場合も補償の対象です。
水災補償は補償をつけるかつけないかを選択できる会社が多いです。保険料を下げることなどを目的に水災補償をつけていない場合は補償を受けられないので注意してください。
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落雷補償
落雷によって屋根に穴が開いてしまった、落雷による急激な電圧の変化が原因で過電流が流れて電化製品が故障してしまったといった場合に落雷補償により補償を受けることができます。
注意が必要なこととしては、家財を保険の対象にしていない場合は家財の補償を受けることができないこと、パソコンが故障してしまった時にパソコンそのものは補償されますが消失してしまったデータは補償対象外だということです。
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被害状況がわかる写真を撮っておこう
火災保険で補償を申請する際に、一般的に被災状況を証明する写真が必要となります。修理業者への見積もりの際に写真を撮影してもらえるとは思いますが、大規模災害の時など業者が来るまでに時間を要することもあるので、無用なトラブルを避けるためにも被災してから時間が経たないうちに被害個所の写真を複数の角度から撮っておくようにしましょう。
補償が受けられないケース
台風による被害で補償が受けられないケースについて紹介します。思っていた金額が受け取れないということがないように確認しておきましょう。
補償を外してしまっていた場合
当たり前ではありますが、保険料を安くするためなどで水災などの補償を外してしまっていた場合は、その補償は受けられません。また、家財を保険の対象にしていない場合は家財の損害に対する補償はありません。現在の契約の補償範囲がどうなっているか、想定される被害に対して十分な内容になっているか確認しておきましょう。
経年劣化による被害の場合
台風による損害ではなく経年劣化や老朽化による損害である場合は補償の対象とはなりません。
自動車の損害
台風による大雨で自動車が水没してしまった、台風による飛来物で自動車に損害を受けたといった自動車への損害は火災保険では補償されません。自動車保険に車両保険をセットしていればそこから補償を受けることができます。
フランチャイズ方式で20万円未満の損害の場合
風災補償の項目でも説明しましたが、一昔前の火災保険では風災補償は20万円以上の損害でないと保険金が支払われない契約が一般的でした(フランチャイズ方式)。自分の契約がどのようになっているのか保険証券等で確認しておきましょう。
保険金請求までに3年以上経過した場合
保険金の請求期限は保険法により損害が発生してから3年と決められています。台風による被害を受けたら速やかに保険会社に連絡するようにしましょう。
火災保険の補償でいくらもらえる?
台風による被害を受けた時、火災保険でいくらの保険金が支払われるのでしょうか。火災保険では、保険金額を上限として損害額から免責金額を除いた金額が支払われます。
ポイント
損害保険金=損害額-免責金額(自己負担金額)
※損害保険金は保険金額が上限
免責金額とは、契約時にあらかじめ決める自己負担金額のことです。免責金額を高くすると保険料が安くなります。
補償内容の見直しのついでに保険会社の見直しもしてみよう
台風による損害で火災保険を使うには損害の内容に対応した補償が契約に含まれている必要があります。自分の契約がどのようになっているのか補償内容を確認し、必要であれば補償内容の変更を行いましょう。
また、補償内容の見直しついでに保険会社も見直してみるのはいかがでしょうか。同じ補償内容であっても保険会社によって保険料が異なります。火災保険の一括見積もりサイトを利用して複数の保険会社に見積もりを請求してみれば思わぬ保険料の節約ができるかもしれません。
著者情報
堀田 健太
東京大学経済学部金融学科を卒業後、2015年にSBIホールディングス株式会社に入社、インズウェブ事業部に配属。以後、一貫して保険に関する業務にかかわる。年間で100本近くの保険に関するコンテンツを制作中。