火災保険の基礎知識

火災保険は家財も必要?家財も対象にすると安心な理由を解説

投稿日:

住宅の火災保険の対象は「建物」と「家財」があります。
実際に火災が発生した場合は建物はもちろん、家財への被害が大きくなってしまいます。家財もすべて自己負担になってしまうと、経済的にも大きなダメージがあるため、保険でフォローしておくと安心です。

この記事では、火災保険の対象に家財も含めた方が安心できる理由を解説します。

家財とは

家財とは「建物に固定されておらず生活の用に供するもの」と定義され、家具や電化製品、衣類などを指します。

具体例をあげると以下の通りです。

補償の対象になるもの補償の対象外
テレビ自動車、バイク(125cc以上)
ソファーカーポート、塀
食器現金
衣類動物、植物

※基本的に「持ち運び可能か、日常生活で使うものか」が判断基準

ここで一点注意しておきたいのが、システムキッチン。
IHクッキングヒーターや食洗機がついていたりと非常に便利で、スペースを効率よく使用できるため、近年ではシステムキッチンの住宅が増えています。

しかしビルトイン形式は【建物扱い】となるので、家財保険の対象外です。
とはいえ火災保険側でフォローしている場合が多いので、加入条件を確認しておきましょう。

また、絵画、骨董品などの1点(1組)が30万円以上の価値がある家財が補償を受ける場合は『明記物件』として別途申告が必要なことが多いので、こちらの記事を参照ください。

絵画
火災保険の明記物件とは?補償を受けるために要注意!
火災保険で家財に対しての補償を付けていても1個30万円を超える貴金属や美術品、書画などのいわゆる明記物件は補償されない場合があります。明記物件とはどのようなもの ...

続きを見る

火災保険の家財付帯が必要な理由

火災保険の家財付帯が必要な理由には、どのようなものがあるでしょうか。

こちらでは以下の3点を紹介します。

  1. 家財の損害が保険で補償される
  2. もらい火で火災が発生することもある
  3. 火災は不注意で発生する可能性がある

順を追って説明します。

家財の損害が保険で補償される

冒頭で紹介した通り、火災発生時は家具も損傷してしまう可能性が非常に高くなりますが、火災保険で家財を付帯していない場合は保険の適用外となってしまいます。
そのため、災害が発生した場合のリスクに備えて家財の補償も付帯しておいた方が安心ですね。

家財を付帯した場合には、火災以外でも補償が受けられる場合も。
詳しくは後述しますが、盗難や日常の不注意からの事故による破損も対象になる場合があります。

補償対象外の家財もあるので、契約する際には補償内容を確認しておきましょう。

家財
火災保険に家財の補償は必要?賃貸の家財保険は?
火災保険の対象は「建物」と「家財」に分かれています。建物に火災保険が必要なのはイメージがつきやすいですが、家財も対象とする必要はあるのでしょうか。どのようなもの ...

続きを見る

もらい火で火災が発生することもある

ご自身は火災を発生させないように気をつけていても、隣家からのもらい火で火災が発生してしまう可能性もあります。
その場合、火災を発生させた本人(失火者)は失火責任法によって責任を負わない場合が多く、賠償金が払われるケースは多くありません。
(法律上は「重大な過失がなければ賠償責任はない」となっています。)

住宅ローンを借りる方は、火災で全損した場合に保険に加入していないとローンだけ残ってしまうリスクが高いため、加入される方が大半です。
住宅の分は補償できたとしても、家財分を全額自己負担になってしまうと金銭的に苦しくなってしまうので、家財にも付帯しておくと安心ですね。

火災は不注意で発生する可能性がある

消防庁の令和3年における火災の状況(確定値)によると毎年20,000件ほどの建物火災が発生しています。

火災発生の原因はコンロやたばこの不始末など、一時の不注意から発生してしまう割合が高くなっています。
また、不注意以外にも放火される懸念があり(放火・放火の疑いは建物火災の出火原因の第3位)、いつ火災が起こってもおかしくない状況が見て取れるので、潜在的なリスクに対応できるよう備えておくのがベターです。

補償する主な内容

補償する主な内容としては、以下の通りです。

  1. 火災時の補償
  2. 事故・災害時の補償
  3. 盗難に対する補償

契約プランに応じて補償の対象外になるものもあるため、ご契約内容を確認しましょう。

では、一つずつ紹介していきます。

火災時の補償

火災保険と聞いてまず思い浮かべるのが、火災時の補償です。
火災発生に伴い、焼失・破損した家財に対して補償します。

例えば「火災発生時にソファーがコゲてしまった」といった事例の場合にも補償され、保険金が支払われることがあります。

消火活動による水濡れにも補償される場合が多いので、安心ですね。

事故・災害時の補償

事故・災害による被害での補償です。
家財を壊してしまった場合にも補償されるケースがあります。

例えば「落雷で電化製品が壊れた」や「子どもがおもちゃを投げてテレビを壊してしまった」、「床上浸水の被害に遭い、家具・家電の買い替えが必要」などの場合に補償され、保険金が支払われることがあります。

小さなお子さまがいる家庭や、災害ハザードマップで危険性があると判断された地域に住んでいる場合は、いざという時に備えておくのもよいでしょう。

盗難に対する補償

空き巣などの盗難をカバーしているパターンです。

警視庁の令和3年 刑法犯に関する統計によると、1日あたり約47件も住宅への侵入窃盗にあっている計算になります。

侵入対策をしていても空き巣に入られてしまう可能性はあります。
財産を失ってしまった場合はそれだけでも大きな痛手となってしまうのですが、保険でカバーできる部分があると助かりますね。

家財保険を選ぶ時のポイント

では家財保険を選ぶ時には、どのようなポイントを確認しておくべきでしょうか。

こちらでは押さえておくべきポイントを以下の3点に絞り、紹介します。

  1. 補償範囲
  2. 補償限度額
  3. 適正価格であるか比較する

一点ずつ確認していきましょう。

補償範囲

保険の補償範囲を決めます。
どこまで補償するかに応じて保険料も変わります。

火災保険に関しては、具体的には以下のような補償があります。

  • 風災補償
  • 水災補償
  • 盗難補償
  • 建物外部からの物体の落下・飛来・衝突補償
  • 破損・汚損補償
  • 個人賠償責任補償

実際に請求する際に使えないと意味がないので、ご自身がフォローしておきたい範囲内を明確にしておきましょう。

補償限度額

手持ちの家財をすべて買い替えた場合、いくら必要になるかを計算して補償金額とするのが基本です。
とはいえ「すべてを把握するのは難しい」「購入時の価格は忘れてしまった」という方も多いのではないでしょうか。

そうした場合、保険会社で目安表を用意していることが多いです。「家族構成と年齢」と「専有面積」の2つが基準となっています。

家族構成をもとに算出

家族構成と世帯主の年齢をもとに目安の保険金額を算出しています。

参考までにご確認ください。

家族構成2名
大人のみ
3名
大人2名
子供1名
4名
大人2名
子供2名
5名
大人2名
子供3名
独身世帯
世帯主の年齢25歳前後490万円580万円670万円760万円300万円
30歳前後700万円790万円880万円970万円
35歳前後920万円1,000万円1,090万円1,180万円
40歳前後1,130万円1,220万円1,310万円1,390万円
45歳前後1,340万円1,430万円1,520万円1,610万円
50歳前後
(含以上)
1,550万円1,640万円1,730万円1,820万円

専有面積から算出

専有面積から算出するパターンも用意しています。

専有面積33㎡未満33㎡~66㎡未満66㎡~99㎡未満99㎡~132㎡未満132㎡以上
保険金額450万円880万円1,050万円1,490万円1,980万円

※明記物件の額は含みません。

※家財簡易評価表の一例なので、保険会社によって評価額が異なる場合があります。

補償限度額が高いほど保険金も高くなります。そのため、必要な補償を選別しておく必要があります。

お金と疑問
家財保険はいくら掛けるのがいい?
火災保険で保険の対象に家財も含む場合、家財の保険金額(保険金支払の上限額)はいくらで設定すればよいのでしょうか?建物と違い、家財は家具や家電、衣類など複数のもの ...

続きを見る

適正価格であるか比較する

火災保険は複数社から提供されており、保険会社によって保険料や補償範囲も変わります。
ご自身の納得のいく補償内容と保険料を見極めるためには、複数社による相見積もりを取り、適正価格であるか判断するのが最も良い方法です。

インズウェブの一括見積もりでは、簡易的な情報を入力するだけで一括見積もりが可能なので、ぜひご利用ください。

住宅リスクに備えて火災保険は家財付帯が必要

家財保険は、潜在リスクに備えるための最適な保険です。
災害大国の日本に住んでいる限りは、災害リスクも少なくありません。
「加入しておけばよかった」とならないように、最低限の家財付帯をしておく必要性は高いので、加入を検討しましょう。


重松 雄太

著者情報

重松 雄太
フリーランスのライター。
統計データと実体験をもとに、難しい内容をわかりやすく解説します。
好きなものはボクシング・バイク・ケーキ。

自動車保険も安くしませんか?
一番安い自動車保険を探す方はこちら!

自動車保険は比較で安くなる!

インズウェブSNS公式アカウント

  • Twitter
  • facebook
  • instagram
  • tiktok
  • LINE
  • youtube
  • pinterest
  • note
  • Twitter
  • facebook
  • instagram
  • tiktok
  • youtube
  • pinterest
  • note
\インズウェブのお得情報を発信!/友だち追加

記事が参考になったらシェアお願いします!

  • この記事を書いた人

インズウェブ

「保険(Insurance)」とインターネット「ウェブ(Web)」の融合から、サイト名『インズウェブ(InsWeb)』が誕生しました。自動車保険の見積もりを中心として2000年からサービスを提供しています。現在の運営会社はSBIホールディングス株式会社となり、公正かつ中立的な立場で自動車保険のみならず火災保険に関する様々なお役立ち情報も提供しています。

-火災保険の基礎知識

Copyright© SBI Holdings Inc. All Rights Reserved.

\火災保険は比較で安くなる!/