雷はものすごく大きな電気エネルギーを持っており、家に雷が直撃すれば大きな被害が出るのはもちろんのこと、近くへ落ちるだけでも建物や家電製品が故障するなどの影響が出る場合があります。今回は雷により起こり得る影響と、万が一のときの対策について解説します。

落雷とは

落雷とは、帯電した積乱雲など主に地上物の間に発生する放電である「雷」が落ちる自然災害です。

落雷被害の主な５種類

1.直撃雷

落雷の中でも最も大きな被害を及ぼすのがこの直撃雷です。雷が建物や工作物、人、木などに直接落ちることで、強い電流が流れます。

2.誘導雷

雷が落ちる時、電線などの高所にあるものには瞬間的に高い電圧がかかり過電流が発生します。この過電流が誘導雷として電話線や電源線、アンテナなどを通って室内に侵入することがあります。

3.侵入雷

侵入雷というのは、建造物や木などに落ちた雷の電流が大地に向かって浸透しきれずに、配電線や通信線などを介して建物内に侵入し、放電する現象です。

4.側撃雷

側撃雷は木や工作物などに落雷した電流が周囲の物体に際放電する現象を指します。高い樹木に落ちた雷の際放電によって付近にいる人が側撃雷に巻き込まれてしまうことがあります。

5.逆流雷

逆流雷というのは、他の建物に落雷があった場合に、その建物の避雷針などから大地に流れでた電流が、アースを通じて逆流してくる現象のことです。

想定される被害

では、具体的にどのような被害が出るのか、家の中での落雷リスクについて詳しく見ていきましょう。

電化製品への影響

誘導雷や逆流雷によって発生した過大な電圧や電力が、電線やケーブルを通って室内に入り電化製品に流れ込むと故障の原因になります。特にパソコンなどの精密機器は大きな被害を受ける可能性もあります。

建物への被害

落雷により瓦が破壊され吹き飛んでしまったり、煙突が折れてしまったり屋根に穴が空いてしまうことがあります。たとえ雷が直撃しなくても、近くに落雷した衝撃で窓ガラスが割れる危険性もあることを認識しておきましょう。

停電のリスク

停電は、近くに雷が落ちなかったとしても電線が直撃を受けるだけで発生します。特に夜間の停電は危険です。電気が途絶えた時の想定をして、事前に懐中電灯やガスコンロなどの対策グッズを用意しておきましょう。

感電の危険性

屋外ではもちろん、室内にいても雷による感電の危険性はあります。例えば水道管などのように外から金属でつながっている部分は、落雷によって大きな電流が流れてしまうと建物内までその電流が伝わってしまいます。

落雷の危険を感じたときは？

雷の音が聞こえてきた場合どうすればよいのか、屋外・屋内での落雷リスクを避けるための対策のポイントを説明します。

屋外にいる場合

まずは避難

雷の音が聞こえたら、まずは建物や車の中に避難しましょう。 建物の場合、鉄筋コンクリート建築の大きな建物が特に安全です。避難できそうな場所が見当たらない場合は、開けた平地等へ移動するようにしましょう。

傘は差さない

雷は、少しでも高く・細く・突き出た場所に落ちやすい性質があります。雷は雨を伴うことが多いため傘を差す方も多いと思いますが、傘を差すことは落雷の危険性が高まります。またゴルフクラブや釣り竿を持っている場合は立てたり振り回したりしないようにしましょう。

高い物体の近くに行かない

近くに高いものがあると、上述した側撃雷により背の高い物体を通して感電する危険性があります。高い木や電柱などの近くからは離れ、急いで安全な場所へ移動しましょう。

屋内にいる場合

電源プラグを抜いておく

異常電圧による故障を防ぐには、家電をコンセントから抜くことで対策をとることができます。普段から使っていない電子機器はコンセントを抜いておくようにすると良いでしょう。

避雷器を使用

避雷器とは、落雷などによる突発的な異常高圧電流を遮断する機器です。異常電圧や過電流等から機器を保護する「サージプロテクタ」を介してコンセントに接続することで、家電製品を守ることができるといわれています

金属部に触れない

雷が鳴っている時には室内での感電を防ぐため、水道管や排水管などの金属部分にできるだけ近づかないようにしましょう。雷の高電圧が屋内に侵入する恐れがあるので、落雷時には入浴などは避けた方がより安全です。

電気製品にはアースをつける

アース線は過電圧がかかったりしたときに余分な電気を地面へ流す役割があります。よって、冷蔵庫や洗濯機、エアコンなどの大型家電にはアースをつけておくことで異常電圧による故障を防ぐことができます。

自宅が落雷被害に遭ったら？

火災保険で補償される可能性がある！

落雷による損害は火災保険の補償範囲に含まれています。落雷によって火災が起きた場合だけでなく、過電流によってテレビやパソコンなどの家財に損害があっても火災保険で補償を受けることができる可能性があります。

建物で補償される事例

• 落雷が原因で火災が起きた
• 落雷によって屋根が破損した
• 落雷が原因で備え付けの家電（エアコン、食洗機など）が故障した

家財で補償される事例

• 落雷による過電流などでテレビやパソコンなどの家電が故障した
• 落雷による火災で家財（家具や家電、衣類等）が損害を受けた

屋外での被害も補償されるかも

火災保険に携行品損害補償特約を付帯している場合、自宅の外でも落雷による被保険者の携行品の被害については、火災保険で補償される可能性があります。

今の家庭環境に合った補償を

火災保険は、補償内容や保険料、サービスの改正が都度行われています。また火災保険は、家族構成や生活スタイルによって補償内容のニーズも変わるものです。家族が増えると室内設備も増えるので損傷リスクが上がったり、住居設備によって修理費も変わってきます。今の火災保険の内容が本当に今の自分の生活や家族構成にとってベストな内容であるのかを、一度しっかりと見直してみることをオススメします。

また見直すだけでなく、各保険会社を比較検討してみることでより自分や家族にとってベストな火災保険に切り替えることもできるかもしれません。