多くの保険会社には新築割引や築浅割引があり、新築の建物で火災保険に加入すると保険料の割引を受けることができます。また、保険会社によって他にも様々な割引制度があり、うまく活用できれば火災保険料を安くできるかもしれません。
新築割引とは
火災保険の新築割引とは、火災保険の保険始期日が建物の新築年月から11か月後の月末までにある建物の契約に適用される割引です。新築割引ではなく築年数が10年未満に適用される築浅割引の場合もあります。新築割引や築浅割引は火災保険全体としてある割引ではなく保険会社が独自で行っている割引ですが、多くの保険会社でこのどちらかの割引は存在しています。
また、火災保険全体としても新築や築浅の保険料は安くなる方向性にあります。損害保険料率算出機構が算出する火災保険の参考純率の改訂が2021年1月に行われますが、そこで築年数が浅い住宅に対する割引が導入されます。築年数が経過した住宅よりも築浅住宅の方が水濡れ損害などのリスクが低いという実態があるためです。参考純率がそのまま保険会社の保険料に反映されるというわけではありませんが、新築や築浅住宅の保険料が築年数が経過した住宅よりも割り引かれるという方針は変わらないでしょう。
他の割引制度
火災保険は保険会社によって新築割引以外の割引が用意されていることもあります。どのような割引があるのか、どの程度の割引を受けられるのかは保険会社ごとに異なりますが、新築割引以外の割引も紹介します。
割引の種類 | 内容 |
---|---|
オール電化住宅割引 | 空調、給湯、調理などすべての設備を電気でまかなう住宅の場合に適用。 |
ホームセキュリティ割引 | 火災、盗難を常時監視するシステムを購入し、有効活用している場合に適用。 |
ノンスモーカー割引 | 保険対象の建物の所有者・居住者が喫煙しない場合に適用。 |
Web申込割引 | 専用Webサイトから申し込み手続きをした場合に適用。 |
※割引の名称や適用条件などは保険会社によって異なる場合があります。
※すべての保険会社にこれらの割引制度があるわけではありません。
地震保険も安くなる?
地震・噴火・津波による損害に対する補償を受けるには火災保険だけではなく地震保険にも加入しなければなりません。地震保険は火災保険とは異なり、どの保険会社で加入しても内容が変わりません。地震保険の割引制度は以下の4つがあり、新築の場合は建築年割引により少なくとも10%の割引を受けることができます。
割引の種類 | 割引条件 | 割引率 |
---|---|---|
免震建築物割引 | 対象建物が「住宅の品質確保の促進等に関する法律」(品確法)に規定された免震建築物である場合 | 50% |
耐震等級割引 | 対象建物が品確法または「耐震診断による耐震等級(構造躯体の倒壊等防止)の評価指針」(評価指針)に定められた耐震等級を有している場合 | 耐震等級1:10% 耐震等級2:30% 耐震等級3:50% |
耐震診断割引 | 対象建物が地方公共団体等による耐震診断または耐震改修 の結果、昭和56年6月1日に 施行された改正建築基準法における耐震基準を満たす場合 | 10% |
建築年割引 | 対象建物が昭和56年6月1日以降に新築された建物である場合 | 10% |
なお、地震保険では複数の割引を適用することはできず、有利なものがどれか1つ適用されます。新築の場合、耐震等級が2以上であったり免振建築物であったりした場合には建築年割引による10%ではなく、耐震等級割引や免振建築物割引の30%や50%の割引を受けることができます。
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ほかに保険料を安くする方法は?
割引制度を使う以外にも火災保険を安くする方法がいくつかあります。どのような方法があるのか紹介します。
長期契約で一括払いをする
火災保険は契約期間が長いほどトータルで支払う保険料は安くなります。現在は最長で5年契約をすることができますが、1年契約を5回繰り返すよりも5年契約をした方が5年間の保険料総額は安くなります(補償内容が同一で保険料の改定がなかった場合)。数年で保険会社を変えるつもりがないのであれば長期契約を検討してみるとよいでしょう。
また、保険料を一括払いすることでも保険料を抑えることができます。一般に、月払よりも年払、年払よりも一括払いの方が保険料が安く済みます。ただし、5年一括払いなどの長期間の保険料を一括で支払う場合は一度の保険料負担がどうしても重くなりがちなので注意が必要です。
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不必要な補償は外す
火災保険は補償内容が手厚くなるほど保険料が高くなります。そのため、損害を受けるリスクがなく全く使わない補償を契約内容に含めているのは保険料の無駄払いとなります。
最近は基本となる火災の補償以外は自由に補償を組み立てられる火災保険も出てきています。ハザードマップ等を確認して明らかに使わない補償があるのであれば補償範囲から外してしまって保険料を安くしましょう。
免責金額を設定する
免責金額を設定することで保険料を安くすることができます。免責金額とは、簡単に言えば保険を使う時の自己負担金額です。例えば、契約時に3万円の免責金額を設定した場合、20万円の損害が発生して保険金を請求すると、免責金額の3万円が差し引かれて17万円の保険金が支払われます。
免責金額の設定額が大きくなるほど保険料は安くなりますが、保険を使う際の自己負担も重くなります。万が一の時にどれだけの自己負担をしてもよいか考えて免責金額を設定しましょう。
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銀行経由で入る必要はない
銀行で住宅ローンを借りる場合、その銀行で火災保険の勧誘を受けることもあります。そのまま加入してしまう人も多いですが、住宅ローンを借りる銀行で勧められた火災保険に必ず入らなければならないということはなく、また、銀行が勧める火災保険に入らなかったからといって住宅ローンの融資が不利になるようなこともありません。
ただし、どこの保険会社のものに入るかは自由ですが、火災保険に加入しなければならないという条件は基本的についています。銀行で勧められた火災保険に魅力を感じるのであれば加入すればよいですが、そうでないのであれば火災保険一括見積もりサービスなどを利用し、より良い補償内容・保険料の火災保険を探すのがよいでしょう。
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まとめ
多くの保険会社で新築割引や築浅割引があり、新築で火災保険に加入した場合には保険料の割引を受けることができます。また、割引制度を活用する以外にも長期契約をする、不必要な補償を外す、免責金額を設定するといった方法で保険料を安くすることができます。銀行等で勧められた火災保険にそのまま加入するのではなく、一括見積もりサービスを利用して自分にとってより有利な保険会社を探しましょう。
著者情報
堀田 健太
東京大学経済学部金融学科を卒業後、2015年にSBIホールディングス株式会社に入社、インズウェブ事業部に配属。以後、一貫して保険に関する業務にかかわる。年間で100本近くの保険に関するコンテンツを制作中。