住宅購入の基礎知識

木造住宅はメンテナンスが重要!木造住宅の寿命と長持ちさせるコツ

投稿日:

日本は、一戸建て住宅を建築される方の多くが木造住宅を建築しており、一戸建ての木造住宅は全体の9割以上です(総務省統計局_平成30年住宅・土地統計調査)。木造住宅が戸建て住宅の主流となっていることは今も昔も変わらないようです。しかし、住宅建築の技術は大きく成長しており、木造住宅でも築年数によって性能の違いは大きいかもしれません。そんな、木造住宅を長持ちさせるためのコツ、メンテナンス方法について紹介します。

木造住宅の耐用年数は22年?

「木造住宅の寿命は20年~30年程度」などと話題にあがることがあります。これは、木造住宅の法律で定められた減価償却期間の耐用年数が22年であるというところからきています。日本にはたくさんの木造住宅があり、築年数が20年を超過した住宅は至る所にあり、どの住宅もそれなりの経年劣化などによる修繕が必要な個所がありつつも快適に暮らせていることと思います。木造住宅に対する課税や融資などにおける政策上において定めた法定対応年数が独り歩きしてしまい「木造住宅の寿命」という言われ方で広まってしまったのかもしれません。

建物は、固定資産として所有者に固定資産税が課税されています。建物も時間の経過とともに価値が失われていくもののため減価償却資産として法定耐用年数が定められ、法定耐用年数に基づいて課税額が算定されています。法定耐用年数は、建物の構造・用途・期間に応じて新築からの年数が定められているのです。

【一般住宅法定耐用年数】

構造・用途法定耐用年数
木造・合成樹脂造22年
木骨モルタル造20年
鉄骨鉄筋コンクリート造・鉄筋コンクリート造47年
れんが造・石造・ブロック造38年
金属造、主要な鉄骨の肉厚が3mm以下19年
金属造、主要な鉄骨の肉厚が3~4mm以下27年
金属造、主要な鉄骨の肉厚が4mm超31年

ポイント

「法定耐久年数=寿命」ではありません!
法定耐久年数は課税の公平性を担保するための税法上の指標で木造住宅の寿命に明確な定義はない

長期優良住宅で100年暮らせる家

日本は地震大国であるため、地震に強い住宅づくりの工夫や環境への配慮などもあり、長期にわたり良好な状態で使用するための措置が講じられた住宅を「長期優良住宅」として国の認定を受けることができます。一定の基準を満たして建築された長期優良住宅制度は「100年暮らせる家」をめざした取り組みとして普及に力を入れています。

長期優良住宅を建築した場合には、減税や住宅ローン金利・住宅ローン控除などの優遇が受けられます。

住宅ローン

住宅金融支援機構の「フラット35(長期固定金利)」では、省エネルギー性、耐震性などを備えた質の高い住宅にはフラット35の適用金利を一定期間引き下げる「フラット35S」の適用を受けることができます。さらに、住宅ローンの返済期間が50年で売却時に購入者がローンを引き継げる「フラット50」を選択することもできます。

住宅ローン減税の借入限度額は一般住宅であれば、3,000万円です。しかし、長期優良住宅は5,000万円まで(2023年12月31日まで※)原則、13年間0.7%の所得控除を受けることができます。

※2024年2025年は限度額が4,500万円までに引き下げられます。

地震保険

地震保険には「建築年割引」「耐震等級割引」「免震建築物割引」「耐震診断割引」の4つの割引制度が設けられています。長期優良住宅は、認定基準の中には耐震性が含まれているので、地震保険料の割引を受けることができます。長期優良住宅に認定されている場合、耐震等級割引あるいは免震建築物割引のいずれかの条件を満たすことになります。ただし重複して割引を受けることはできず、条件を満たす中で最も割引率が高いものが適用されることになります。

木造住宅の寿命を延ばすメンテナンス

現在の新築住宅の寿命と数十年前に新築した住宅とでは、住宅技術の進歩もあり、長期優良住宅の認定を受けていない住宅であっても多くの新しい技術が施され、住宅の寿命は長くなっています。新しい住宅も築年数の古い住宅であってもメンテナンスの状況によって寿命は延ばすことが可能です。

住宅を長持ちさせるために重要なことは住宅の劣化を防ぐことです。築年数が古い住宅でもメンテナンスで劣化を防止し長く住み続けることが可能になります。

マンションなどの集合住宅は外壁などの共用部分のメンテナンスは管理組合が行いますが、一戸建て住宅の場合、自分で行わなくてはいけません。修繕のタイミングに合わせてまとまった修繕費の積立も必要になります。メンテナンス費用が必要になることも念頭に置いておきましょう。

築5年の住宅

築5年の住宅はまだまだ見た目もきれいです。しかし、新築から5年のタイミングで傷や痛みがないかチェックしておきましょう。外回りの点検と住宅の電気的設備に異常がないか確認しておきます。異常が見つかれば早めの対処、交換で10年目の点検における費用も安く抑えられるでしょう。

【外まわりの点検・メンテナンス箇所】

  • 防蟻工事
  • 屋外木部・鉄部の再塗装・補修

内部の点検・メンテナンス箇所

  • 水栓のパッキンの劣化

築10年~15年の住宅

築10年も経過すると経年劣化による交換が必要な個所や一部リフォームを考える時期にもなってきます。築10年目の目安の時期にメンテナンスを先延ばしにしてしまうと劣化が進んでしまい、修復に余計な費用がかさんでしまうことにもなりかねません。修復が必要な個所がないかしっかり点検を行いましょう。

【外まわりの点検・メンテナンス箇所】

  • 外壁のモルタルの塗装
  • サッシまわりのシーリング
  • 屋根の点検・メンテナンスもしくは塗装
  • バルコニーや屋上の防水工事
  • 防蟻工事
  • 屋外木部・鉄部の再塗装・補修
  • シャッター機械部のオーバーホールの補修
  • サイディング(板状外壁材)の目地の再シーリング
  • 床下

【内部の点検・メンテナンス箇所】

  • キッチンのコンロのメンテナンスや交換
  • 食器洗い機のメンテナンス・交換
  • 換気扇類のメンテナンス・交換
  • 給湯器・ボイラーのメンテナンス・交換
  • 浴室のシーリングのリフォーム
  • サッシ戸車やクレセント鍵の点検・交換
  • 室内ドアの再調整
  • 玄関ドアの蝶番や鍵の再調整・交換
  • ウォッシュレットのメンテナンス・交換
  • 畳の交換
  • 排水管の詰まりや腐食の点検・交換

メンテナンス費用の目安:100万円前後

築20年~30年の住宅

築20年~30年くらいになると住宅内部の水回りのリフォームを考える時期になります。キッチン、浴室などをリフォームすると100万円単位の費用が必要になります。トイレや洗面所の交換では、数十万円といった費用が必要になるでしょう。内部の壁紙やフローリング、床材などの痛みも目立ってきている頃です。

築20~30年経過している住宅は、現在の住宅よりも断熱性が低いです。高断熱の断熱リフォームなどを検討してもよいかもしれません。断熱リフォーム工事はさまざまな方法とタイプがありますが、手軽にできるものもあります。窓を2重にしたり、一部分だけの対応も可能なため気になる部分があればリフォーム業者に相談してみましょう。

他にも、10年目で点検・メンテナンスを行った箇所も年数が経過しているため点検が必要です。外装の塗り替えやサイディング、屋根の張り変えなどは10年目のメンテナンスで交換が必要ではなくても築20年~30年ともなると注意深く点検を行い早めの交換や修理で対処したい時期です。

メンテナンス費用の目安
キッチン・浴槽:100万円単位
トイレ・洗面所:数十万円
外回り:100万円~200万円

住宅のメンテナンス目安は5年周期で!

住宅は必ず一定の周期でメンテナンスが必要になります。住宅のメンテナンスは5年単位で行うことが理想的です。外壁や屋根、床下といった外回りは住宅に関する専門的な知識が必要となり、自分ではなかなか異常に気づけません。住宅を建てたハウスメーカーや専門業者に点検をお願いするとよいでしょう。

悪徳業者に注意

リフォーム業者の中には、「無料点検」にやってきた業者に住宅の修理を急かされて修理代金をしはらうと音信不通となったり、ずさんな工事に見積もりと違う高額請求を行ったりといった詐欺を行う業者がいます。そのような悪徳業者とのトラブルが問題となることもあり、業者からのアドバイスに判断が難しい時には周りに相談したり、別の業者にも点検をお願いしたり悪徳業者とのトラブルに巻き込まれないように注意しましょう。

木造住宅を長持ちさせるためには日々の「清掃」が重要!

木造住宅に関わらず、住宅を長持ちさせるコツは日々の清掃です。特に水回りの汚れやカビの付着を放っておくと異臭も気になるようになり住宅の劣化も早くなってしまいます。排水管が詰まったままでいると排水がうまくいかず、家に湿気が溜まる原因になります。湿気はカビの発生につながり、人体にも悪影響を及ぼします。水回りの清掃は住宅を長持ちさせるためにも日々の生活を快適にするためにも重要です。排水管内の詰まりや腐食もこまめに掃除することで予防することは可能です。

日本は高温多湿な気候で住宅にカビが生えやすいです。湿気により押し入れや狭い空気の通りの悪い場所にカビが生えていたりするので定期的な清掃、こまめな換気は住宅にとってもとても大切なことなのです。

自然災害被害による損害は火災保険で補償を受けられる!

日本では台風や地震、大雪など毎年のように何らかの自然災害の被害が発生しています。住宅が自然災害の被害に遭ってしまったときに、その補償の基本となるのが火災保険です。自然災害による損害は軽くてもしっかり修理を行っておかなければ住宅の劣化が早まる心配があります。

住宅が自然災害の被害を受けた場合にその補償の第一番手となるのが火災保険や地震保険です。自然災害が原因での住宅被害であれば、火災保険や地震保険で修理することができますので、住宅を長もちさせるためにも損害を受けたら早めに専門業者に状態の確認をお願いし、修理しておきましょう。

自然災害による自宅への損害には火災保険で備えよう!
近年、地震や台風などの自然災害による大きな被害が多く発生しています。こうした自然災害による住宅への被害に備えるには火災保険・地震保険への加入が基本となっています ...

続きを見る

自動車保険も安くしませんか?
一番安い自動車保険を探す方はこちら!

自動車保険は比較で安くなる!

インズウェブSNS公式アカウント

  • Twitter
  • facebook
  • instagram
  • tiktok
  • LINE
  • youtube
  • pinterest
  • note
  • Twitter
  • facebook
  • instagram
  • tiktok
  • youtube
  • pinterest
  • note
\インズウェブのお得情報を発信!/友だち追加

記事が参考になったらシェアお願いします!

  • この記事を書いた人

インズウェブ

「保険(Insurance)」とインターネット「ウェブ(Web)」の融合から、サイト名『インズウェブ(InsWeb)』が誕生しました。自動車保険の見積もりを中心として2000年からサービスを提供しています。現在の運営会社はSBIホールディングス株式会社となり、公正かつ中立的な立場で自動車保険のみならず火災保険に関する様々なお役立ち情報も提供しています。

-住宅購入の基礎知識

Copyright© SBI Holdings Inc. All Rights Reserved.

\火災保険は比較で安くなる!/