憧れのマンションを手に入れて幸せな反面、住み始めると現実的にのしかかってくるのが”維持費”です。実際に生活している中で、「予想以上にマンションの維持コストがきついかも…。」という思いをされている方もいるかもしれません。今回は、そんなマンションの維持費負担を少しでも軽減する方法についてご紹介します。
目次
マンション維持費の内訳と相場は?
維持費の6つの項目
まずは、具体的にマンションの維持費としてどのようなものがかかるのかを紹介していきます。大きく分けて、以下の6つの項目に分類することができます。
①管理費
マンションの管理費とは、言葉の通り「マンションの日常的な維持管理をするための費用」をいいます。例えば、共用部分(廊下や駐車場、庭、エレベーターなど)の電気代や水道料金だったり、常駐している管理人の人件費、共用部分の火災保険やその他の損害保険の保険料等などその用途は多岐に渡ります。年々新築マンションの管理費は高くなっている傾向にあり、管理費の相場としてはおおよそ毎月1.5万円~2万円程度です。
②修繕積立金
マンションの修繕積立金とは、 「 マンションを修繕する(壊れたり劣化したりしたものを直す)ための費用 」 をいいます。主に、建物自体の改修工事、ペンキ塗り替え、敷地内駐車場や駐輪場の補修、増設費などに使用されています。毎月修繕積立金という名目で徴収し、改修工事等が必要な時のためにお金を積み立てているようなイメージです。おおよその相場は毎月1万円~1.5万円程度となります。
POINT
③駐車場代・駐輪場代
駐車場や駐輪場などを借りる場合、毎月その料金がかかります。駐車場代の相場はエリアや物件によってかなり差が出ますが、おおよそ毎月5,000円~3万円程度となるでしょう。ただし、高級マンションや都心部などの地価が高いエリアでは、5〜8万円などかなり高額な料金がかかるところもあります。自転車やバイクを停める駐輪場の料金に関しては、かかっても1台1,000円未満が一般的でしょう。マンションによっては、1台までは無料など料金がかからないケースもありますが、その場合車庫に屋根がないなど何かしらの懸念点もある可能性があるため、内見時に要確認です。
④税金
マンションを所有している人が払わなければならない税金として、固定資産税と都市計画税があります。これは、不動産の資産に課税される地方税です。毎年その資産に応じた金額が通知され、払込用紙や口座振替で各自治体に納税します。固定資産税の税率は1.4%(標準税率)、都市計画税の税率は0.3%(上限)と定められており、所有している物件ごとに算定された評価額に税率をかけて算出します。マンションの広さや地価、築年数によって評価額が決められ、税金の金額は人それぞれ異なるため相場の算出は難しいですが、例えば東京都の新築マンションの場合、毎年10~15万円程度となります。地価が安いエリアや築年数が古いマンションの場合はもっと低くなる可能性が高いです。
POINT
⑤保険料
マンションの専有部分が火災・地震などの天災に遭った場合などに備えて、火災保険や地震保険に加入する必要があります。火災保険料は月額ではなく1年~5年分まとめて払うのが一般的です。一括で長い年数分の保険料を払うほど安くなります。マンションの場合、共用部分(外壁や廊下など)の保険はマンション全体で入っているため、一戸建てに比べると補償を最小限にでき、火災保険料も地震保険料もそれほど高額にはなりません。補償内容にもよりますが、5年払いの保険料の相場は年間3万円~5万円程度です。
⑥住宅ローン
マンションを現金一括で購入しない場合は、基本的に金融機関から融資を受けて住宅ローンを組むことになります。国土交通省『平成30年度 住宅市場動向調査』によると、分譲マンションの年間支払の平均は130万程度になるため、月々に換算すると約10万円~11万円程度の返済金額が平均相場になると予想されます。また、中古マンションの場合は、月々約8万円~9万円程度の返済金額が相場になります。
維持費の相場
以上の維持費の項目別の相場から算出すると、中古マンションに住む車持ち世帯を想定したとき、おおよそ月々12万~16万程度のマンション維持費が必要になっていくと予想できます。一般的に、住居にかけるお金は手取り月収の1/4以下が理想だとされているので、手取り月収が48万~64万程度ないと他の部分を節約しないといけない可能性があるということです。また、税金や保険料は一括払いのケースが多いため、日々生活していると、そこにかかる費用を見落としがちです。それらもしっかりと加味して資金繰りをシミュレーションしていきましょう。
戸建てとマンションで維持費は異なる?
この記事を読んでいる方の中には、マンションにするか一戸建てにするか決めかねている方もいるのではないでしょうか。以下にて、マンションと戸建ての維持費を比較していきます。
維持費の比較
仮に30年間住んだ場合、戸建てとマンションでどのくらいの維持費の差が出てくるのかを以下にてシミュレーションしています。
戸建て | マンション | |
---|---|---|
管理費・修繕積立金 | 庭の手入れ・警備費等も含む | 900万円~1260万円 |
675万円~855万円 | ||
駐車場代 | 0円 | 0~1,080万円 |
税金 | 300万円~450万円 | 300万円~450万円 |
保険料 | 火災保険は戸建ての方が高くなる傾向 | 15万円~30万円 |
30万円~45万円 | ||
総額 | 1,005万円~1,350万円 | 1,215万円~2,820万円 |
POINT
マンションの維持費を軽減する方法
それでは、実際にどうすればマンションの維持費を節約できるのか、入居前後に分けて説明していきます。
入居前にできること
1.管理費や修繕積立金の収支状況を把握
仮に、住民が管理費や修繕積立金の未払いにする状況などが頻発すると、マンション自体の収支状況が悪化していき、最終的には、管理費や修繕積立金を値上げせざるを得ない状況になる可能性があります。よって、高齢者が多いマンションや、居住していない所有者が多い場合などは、将来の値上げリスクに備えて管理費や修繕積立金の収支状況をチェックしておいた方がよいでしょう。また、修繕積立金の使い道である”大規模修繕計画”が作成されているかも確認しておくと安心です。
2.金利が低い金融機関を見つける
住宅ローンを借りる際に少しでも低金利で借入できるよう、手間はかかりますができるだけ多くの金融機関に審査を出すことをオススメします。一般的に、地方銀行は低金利だと言われていますが、最も低金利だと言われているのがネットバンクです。ただ、低金利である金融機関こそ、一般的には審査の難易度があがってしまいます。仮に、勤務状況や信用情報などに心配がある場合は、比較的審査が柔軟である貸金業者系のノンバンクという選択肢もありますが、金利が銀行より大きく上がってしまうことがほとんどです。一見微々たる金利差でも、総額にすると大きな差額になることを認識しておきましょう。
POINT
3.駐車場代を抑える
マンションよっては建物の敷地内に駐車場が付いていますが、周辺の月極駐車場の方が安いケースもあります。 ただマンション敷地内の駐車場の場合、雨に濡れずに車に乗れたり、至近距離に駐車できる融通の良さがあったり、屋根付きの場合は車の清潔も保てたりと、様々なメリットもあります。仮にマンションの周辺で駐車場を探す場合は、たとえ同じエリアでもそれぞれの駐車場によって料金が大きく変わることもあるのでしっかりと比較しましょう。 ネット検索をしたり周辺を歩いてみたりして、地道に業者や地主に駐車料金を直接問い合わせてみるのも手です。
4.できるだけ安い保険会社を探す
例え同じ補償内容であっても、選ぶ保険会社によって保険料が大きく異なることがあります。火災保険一括見積もりサービスなどを利用して、補償内容と保険料のバランスを見て比較検討し適切な保険料率の会社を選びましょう。また、一般的には、代理店型よりネット型保険の方が安いと言われています。
POINT
入居後にできること
1.住宅ローンの借り換えや繰り上げ返済
変動金利の場合は、金融機関によって時期毎に金利が変化するため、他行で金利が下がりそうな場合は借り換えを検討するのも手でしょう。また、資金に余裕があるときは繰り上げ返済をすることで、総支払の額を抑えることができます。
2.本当に車が必要かを検討
実際に生活をしている中で、「思ったより車の使用頻度は多くないかも?」と感じることがある場合は、思い切って車を手放すことも選択肢としてあります。最近はカーシェアもだいぶ普及しており、車を使うときに使用した分だけの費用を払う生活スタイルに変えると、駐車場も保険代も車検代も不要になるため大幅なコストダウンが期待できるでしょう。自分が今現在どのくらいの頻度で車に乗っていて、どのくらいの固定費をかけているのかを改めて振り返ってみて、カーシェアやレンタカーで代用できそうであれば、検討してみるのもいいかもしれません。
3.保険の見直し
火災保険は、会社によってその補償内容や保険料は様々です。また、家族構成によって補償内容のニーズが変わることもあります。もし不要な補償内容に保険料をかけてしまっている場合は、火災保険の見直しにより保険料を軽減できる可能性も大いにあります。
効率的に保険会社を選ぶには?
住宅ローンを借りる金融機関や不動産業者に紹介された火災保険にそのまま加入するのではなく、一括見積もりサービスで保険料や補償内容・サービスをしっかり比較して決めることをオススメします。
火災保険一括見積もりサービスなどで、気軽にあなたに合った保険会社を比較してみましょう。