火災保険の基礎知識

共有名義の住宅の火災保険はどうすればいい?

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夫婦二人でローンを組んで住宅を購入した場合や二世帯住宅を建てたとき、親名義の建物を複数人で相続したときなど建物を共有名義で登記することがあります。この場合、火災保険の名義はどのようにすればよいのでしょうか。

「契約者」と「被保険者」

火災保険の契約の名義には「契約者」と「被保険者」があります。「契約者」は保険契約の当事者で保険料を支払う人です。「被保険者」は火災保険の補償を受ける人(保険金の支払を受ける人)で、保険の対象となる建物や家財の所有者です。

火災保険は契約者と被保険者が同一となることが多いですが、保険の対象となる建物が共有名義の場合、契約者と被保険者をどのように設定すればよいのでしょうか。

契約者は1人のみ

建物が共有名義であっても火災保険の契約者はだれか1人を選ばなければなりません。契約者は保険料を支払う人なので、実際に保険料を支払う口座の名義人を契約者としましょう。

誰を契約者にするのか迷う場合は所得が高い人を契約者にするとよいでしょう。なぜなら、火災保険に地震保険をセットした場合、地震保険料控除によって所得税・住民税の負担が軽くなるからです。所得税は所得が高いほど税率が高くなるので、所得が高い人が保険料を支払って控除を受けられるようにした方が有利です。

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被保険者は所有者全員

被保険者は複数の人を設定できるので所有者全員とします。火災保険の被保険者は建物の所有者なので、逆に所有者全員を被保険者にしておかないとスムーズな保険金の支払が行われません。保険金が支払われる前に契約の変更・訂正の手続きが必要となります。火事や自然災害などでお金が必要なときに余計な手続きが発生して保険金支払いが遅れることとなるので、所有者全員を被保険者にするようにしましょう。

保険金受取に持分割合は関係ある?

建物を共有名義で所有している場合、建物の所有権の割合である持分割合を決める必要があります。夫と妻が50%ずつや、父:50%、母:40%、子:10%というような具合です。

火災保険で保険金の支払を受ける際、保険金は持分割合に応じて被保険者に支払われることとなります。この場合、各被保険者の持分割合が分かるように登記事項証明書を求められることがあります。

また、実際の手続きにおいては手続きの簡略化のために被保険者の中から代表者を決めて保険金の請求を行うことも多いですが、この場合は勝手に保険金を請求して独占することを防ぐために他の被保険者からの委任状の提出を求められます。

保険金受取に税金はかかる?

建物が共有名義の場合、火災保険の契約者(保険料の支払者)は1人なので、その人以外は保険料を支払っていないのに保険金を受け取れることとなります。この場合、受け取った保険金に贈与税はかかるのでしょうか。

答えとしては、保険金を受け取っても税金はかかりません。損害保険の保険金は受けた損害を穴埋めするもので利益が生まれるものではないからです。

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離婚や相続などで所有者が変わった場合は?

離婚や相続などで建物の所有者が変わる場合があります。夫婦共有名義だったのが、離婚によって妻単独名義になる場合や、父:50%、母:40%、子:10%の持分割合で所有していたのが、父親死亡による相続で母:65%、子:35%になるような場合です。

建物の所有者が変更になった場合は、その実態に合わせて速やかに被保険者の変更の手続きを行いましょう。また、契約者も変更となるのなら合わせて契約者の変更も行いましょう。契約者・被保険者の変更を行わないでいると、火災や自然災害の被害に遭った場合、保険金の支払を受ける前に契約内容を実態に合わせて変更する手続きが必要となり、保険金の支払が遅れます。スムーズに保険金を受け取れるように、建物の所有者が変更になった場合は速やかに火災保険の契約者・被保険者も変更するようにしましょう。

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まとめ

共有名義の建物に火災保険をかける場合、保険料を支払う契約者はだれか1人、保険金を受け取る被保険者は建物の所有者全員としましょう。契約者をだれにするか迷った場合は、所得が一番多い人にすると地震保険料控除の面で有利になります。

また、離婚・相続等で建物の所有者が変更になった場合には変更後の実態に合わせて速やかに契約者・被保険者の変更を行うようにしましょう。変更を行わないまま放置すると、保険金を請求する際に契約の変更・訂正手続きが必要となって、保険金を受け取れるまでに時間がかかることとなります。

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