生命保険の契約などで申し込みを行う際には、職業や健康状態、過去の病歴などをありのままに伝えなければいけないという告知義務があります。では、火災保険の契約を行う時に必要な告知内容にはどのようなものがあるのでしょうか。事前に確認しておくことで申し込みをスムーズに行えるかもしれません。
火災保険に告知義務があるのはなぜ?
「告知義務」は、生命保険に申し込みをする際に保険会社が確認する重要な事項を報告することだという印象が強いですが、生命保険に限らず、それぞれ保険の契約には保険会社に事前に報告しなければならない告知義務はあります。また、保険契約後に契約内容の一定事項について変更が生じた際には変更があったことを伝えなければならない通知義務もあります。それは当然火災保険においても同様です。
火災保険の告知義務の内容は、火災保険料を決める際に重要な事項であるため、火災保険の申し込みの際に必要になります。火災保険料を決める要素に、建物の構造や築年数、所在地などの条件が関係しており、建物の所在地や構造などにより保険事故(損害の発生)のリスクを算出し保険料は決定されています。そのため、契約者または被保険者は告知を求められた事項について事実を正確に伝えなければならず、約款に告知義務として記載されていることです。
火災保険の「告知義務」と「通知義務」
火災保険の申し込みを行う際に、保険会社が確認する重要な事項を正確に告知しなければいけません。それを、「告知義務」と言い、保険契約後に保険の対象に一定事項について変更が生じた際に、契約者や被保険者は、変更内容を保険会社に通知する義務があることを「通知義務」と言います。火災保険の具体的な告知義務・通知義務には主に次のような内容があげられますので確認しておきましょう。
火災保険の告知事項の内容
契約時の告知事項は、損害の発生に対する可能性に関係する重要な事項の中で、保険会社が申込書に記載して告知(報告)することを求める内容となります。
- 保険目的の所在地
- 保険目的の所有者
- 保険目的の建物および保険目的を収容する建物の構造・用法・延べ面積
- 他の火災保険契約(共済火災含む)の有無
保険会社から告知を求められた事項については、事実を正確に伝える必要があり、故意または重大な過失によって正しく伝えていなかった場合には、「告知義務違反」となり、契約が解除されたり、保険金が支払われない場合がありますので注意が必要です。
火災保険の通知事項の内容
保険契約後の通知事項は、告知事項の中で契約時に告知した内容に変更が生じたことにより損害が発生する可能性が高くなると判断している事項に対して、保険会社が変更の通知を求める内容となります。
- 保険目的の建物および保険目的を収容する建物の構造・用法・延べ面積の変更
- 保険目的の譲渡
- 保険目的の移転
保険契約後に建物のリフォームを行ったり、増築を行ったりした場合には、遅滞なくその事実を保険会社に通知(報告)しなければいけません。その場合も、故意または重大な過失によって通知を行わなかった場合には、「通知義務違反」となり、契約が解除されたり、保険金が支払われない場合がありますので注意が必要です。
火災保険の重複契約に注意!
火災保険に契約する時には、他の火災保険契約(共済火災含む)の契約(重複契約)の有無について報告することは告知義務となっています。火災や自然災害のリスクに備えて多くの保険金をもらえるように複数の火災保険に加入しようと考える人もいるかもしれませんが、損害があった際に実際に受け取れる保険金は実際の損害額までとなっており、複数の保険会社と契約しているからと倍の保険金を受け取る事はできません。そのため、火災保険の重複契約は加入するメリットはあまりなく、無駄に保険料を支払ってしまう可能性がありますので注意しましょう。
火災保険は重複契約しても補償は多くもらえない
ときどき火災や自然災害などで損害を受けた時に多くの保険金がもらえるように複数の火災保険に加入している人がいます。しかし、火災保険を重複して加入するメリットはあり ...続きを見る
保険会社は比較して決めよう
火災保険を契約する際に保険会社から求められる告知事項には、保険の目的とする建物の所在地、建物の構造や築年数があります。それは、保険事故(損害の発生)のリスクを算出し保険料を決める要素となるためです。それぞれの住宅によって条件は変わるため、火災保険料の相場はいくらだということは一概に言えません。自分の住宅の火災保険料がいくらくらいなのかという事は、保険会社に保険料の見積もりを行ってみる事で確認することができます。
火災保険料は隣の家と比較をしてもあまり意味がありませんが、保険会社の比較を行う事で安く抑える事ができます。同じ条件でも保険会社によって保険料には違いがあります。保険会社の独自の割引制度が利用できたり、不必要な補償を削る事で保険料を安く抑える事も可能です。複数の保険会社で見積もりを行う事で自分の住宅に合った保険会社が見つかるかもしれません。複数の保険会社から一度に見積もりを取得することができる一括見積もりサイトなどを活用し比較をしてみましょう。