火災保険の基礎知識

その契約、大丈夫!?火災保険の「時価」契約を見直そう!

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火災保険の建物評価額には、「時価」と「新価」の2つの決め方があります。長期で古い火災保険契約の人は、「時価」で契約している可能性があり火災保険の見直しを行った方がよい場合があります。「時価」と「新価」はどのように違うのか、火災保険の「時価」契約において見直しを行った方がいい理由を紹介します。(家財においても標準的な評価額を算出し新価・時価で契約しますが、ここでは建物について詳しく説明します。)

「時価」と「新価」について

火災保険の契約を行うときには、建物の保険金額をどれくらいに設定するかを決める必要があります。火災保険の保険金額は建物評価額をもとに決めますが、建物の評価額には「時価」と「新価」(再調達価額)の2つの求め方があります。現在では、同じ物件を新たに建築あるいは購入するのに必要な金額で設定する「新価」(再調達価額)で契約することが一般的です。しかし、古い長期契約の火災保険では実際に保険金を受け取る事故が発生した時に、同じ物件を新たに建築あるいは購入するために必要な金額から経過年数による価値の減少と消耗分を差し引いた金額を保険金額とする「時価」で契約している事が多くあります。

2015年10月以降火災保険は、最長で10年までしか長期契約を結ぶことができなくなっていますが、それ以前は最長で36年の長期契約が可能でした。特に1998年の保険料率の自由化前の古い長期の火災保険に契約している人は「時価」の契約となっている場合が多いです。古い火災保険の場合は、大切な我が家が火災や自然災害などで全損の被害にあってしまっても補償が足りず自己負担分が多く発生してしまう可能性があります。「時価」と「新価」の違いについて理解し、火災保険の契約がどうなっているか確認してみましょう。「時価」と「新価」のどちらで契約しているかは保険証券などを確認すると記載してありますが、火災保険の契約が古く分からない場合は、契約している保険会社や代理店に確認するとよいでしょう。

ポイント

「新価」:同じ物件を新たに建築あるいは購入するのに必要な金額をいいます。
「時価」:「新価」から、「経過年数による価値の減少と使用による消耗分」を差し引いた金額をいいます。簡単に言い換えると、建物や家財などの現在の価値といえるでしょう。

「全部保険」「一部保険」「超過保険」に注意しよう

保険金額が建物評価額と同じ場合、多い場合、少ない場合とあります。「新価」の場合と「時価」の場合においてそれぞれ確認してみましょう。契約内容によってどのような違いがあるのか、どんなリスクがあるのか理解しておくことは重要です。「新価」(再調達価額)を基準に考えると分かりやすいため「新価」から説明します。

「新価」の全部保険・一部保険・超過保険

火災保険の保険金額は建物評価額と同額にすることが大切です。建物評価額と同額で契約することを「全部保険」といい、「新価」で建物評価額と同額で契約を行った場合は、保険金が支払われる事故が起こった場合に、保険金額を上限に損害額通りの保険金を受け取る事ができます(免責金額除く)。大切な我が家が火災や自然災害などで全損の被害にあってしまっても同じ物件を新たに建築あるいは購入するのに必要な金額を受け取る事ができるので安心です。

「新価」の契約で建物評価額より保険金額が少なく設定している場合は「一部保険」となり、保険金額より損害額が大きくても設定した保険金額までしか保険金を受け取る事ができません。また、保険金額が建物評価額より多く設定している場合は「超過保険」となります。当然、保険金額が大きいほど保険料を高く支払う事になりますが、火災や自然災害などで住宅が全損の被害にあってしまっても損害額以上の保険金は支払われないため、保険料の無駄払いとなってしまいます。

「新価」の例

全部保険 一部保険 超過保険
建物評価額 3,000万円 3,000万円 3,000万円
保険金額 3,000万円 1,500万円 4,000万円
全損時の保険金 3,000万円 1,500万円 3,000万円

「時価」の全部保険・超過保険

「時価」の契約では、住宅が全損の被害にあってしまっても支払われる保険金は、建物評価額から経過年数による価値の減少と消耗分が差し引かれます。そのため、保険金額を建物評価額と同額の「全部保険」で契約していても支払われる保険金は少なくなってしまうので「超過保険」となってしまいます。

「時価」の全部保険・超過保険の例

下記の表ように、20年後に住宅が全損となる被害にあっても、支払われる保険金は保険金額の二分の一になってしまいます。設定した保険金額での保険料を支払っているため超過保険となります。ただし、「時価」での全部保険での契約は「新価」より保険料は安くなります。しかし、同じ物件を新たに建築あるいは購入するのに必要な金額3,000万円を保険金として受け取ることができません。このように、「時価」で契約している場合には余分な保険料を払っている可能性があります。古い火災保険の場合は、契約している火災保険の補償内容を見直してみる事が必要です。

新築時の時価 20年後の時価
建物評価額 3,000万円 1,500万円
保険金額 3,000万円 3,000万円
全損時の保険金 3,000万円 1,500万円

「時価」の一部保険と比例てん補方式

それでは、「時価」の「一部保険」で契約していた場合はどうでしょうか。「一部保険」とは、「新価」の場合と同様で保険金額が建物評価額より少ない事をいいます。「時価」の「一部保険」で契約している場合において注意しなければいけない点は、「比例てん補方式」となっている場合があるという事です。比例てん補方式の契約では、受け取れる保険金が大幅に少なくなってしまう事が心配されます。比例てん補方式の仕組みも理解し、契約している火災保険が該当していないか確認してみるとよいでしょう。

【比例てん補方式】
比例てん補方式とは、保険金額が建物評価額より少ない一部保険の場合において、損害が生じた時に、保険金額の建物評価額に対する割合で保険金が支払われる方式です。
<計算方法>
保険金 = 損害額 × 保険金額 ÷ 時価額

「時価」の一部保険の例

下記の表のように「時価」の「一部保険」契約において、「比例てん補方式」で計算されると受け取れる保険金が大幅に少なくなってしまいます。

時価
建物評価額 3,000万円
保険金額 1,500万円
全損時の保険金 750万円

【全損時の計算】
1,500万円(設定した保険金額)× 1,500万円(保険金額)÷ 3,000万円(建物の時価額)= 750万円(保険金)

「時価」で「一部保険」の契約でも「比例てん補方式」ではなく、損害額が減額されない「実損方式」であれば、減額されずに保険金額を受け取る事ができますが、古い火災保険契約では「比例てん補方式」で契約していることが多くあります。ぜひ、この機会に確認してみましょう。

火災保険の「時価」契約は見直しを行いましょう

火災保険も過去には住宅ローンの返済期間に合わせて長期で契約することが可能でした。火災保険は現在、10年の長期契約が最長となっていますが古い火災保険契約のまま継続しているという人もいらっしゃるでしょう。

万が一、大切な我が家が火災や自然災害などが原因で全損の被害を受けてしまった場合、同じ物件を新たに建築あるいは購入するための金額が必要になります。そんな時、自己負担額が考えていたより多くなるようなことがないように火災保険でしっかり備えられていることが理想です。古い火災保険では、十分な補償内容となっていない場合があります。大切な我が家が全損となってしまった場合に再建築が可能な補償内容となっているか見直してみる事が大切です。

「時価」契約の見直しポイント
  • 「時価」契約は、損害があった時の補償額が足りない可能性がある
  • 「時価」契約では、超過保険になっていることで無駄な保険料を支払っている可能性がある
  • 「時価」契約の一部保険で比例てん補方式の場合は、大幅に保険金が少なくなる可能性がある

何年も前に契約した火災保険では、どのような内容で契約したか、補償内容など忘れてしまっている場合もあるでしょう。しかし、大切なマイホームを守るためにも火災保険の補償内容はしっかり把握し、必要な補償内容で契約できているかを見直しましょう。

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