地震保険の基礎知識

注文住宅での地震対策は?地震保険は必要?

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生活スタイルに合わせて理想の間取りや住みたい土地を選べる注文住宅ですが、大きな地震が多い日本では地震に強い家を作りたいものです。耐震性能が高い家に住むことで万が一地震が起きても被害を抑えられるかもしれません。注文住宅ではどのように地震対策をしていけばいいのでしょうか?

地震に強い家の特徴

地震への対策として、注文住宅を建てる時に気を付けたいポイントを紹介します。

地盤の強い土地

地震が起きると震源地に近いほど大きく揺れますが、地盤によっても揺れの大きさは変わります。地盤が柔らかい土地だと揺れが大きくなりやすいだけでなく、液状化現象が起きて地盤沈下などの被害を受ける可能性があります。どんなに耐震性に優れた家を建てても地盤が弱いと住宅に被害が出てしまいます。注文住宅で土地から購入する場合は地盤の強い土地を選ぶことが地震対策への一歩となるでしょう。
なお、地盤調査は土地を購入してからおこなわれることが多く、土地の購入前に地盤の強さが分かっていることは少ないです。土地探しの段階では、ハザードマップで地震や土砂災害、洪水、津波などの災害リスクを把握しておきましょう。

シンプルな形

一般的に、正方形や長方形などシンプルな形の家は地震に強いといわれています。1階と2階の面積が同じになっている総二階建ての住宅や2階部分がない平屋は、地震の揺れが建物全体に均一に負荷がかかるため耐震性が高くなります。
1階に駐車場スペースがあるピロティ形式の家やビルトインガレージの家は、建物を支える壁や柱の量が少なく耐震性が低くなることが多いようです。また、L字型やコの字型の家も揺れのエネルギーが一点に集中しやすいため被害が出てしまうことがあります。

耐震等級3

耐震等級が高い住宅を建てるのも地震対策として重要です。耐震等級とは地震に対する建物の強度を表す指標です。耐震等級1、耐震等級2、耐震等級3の3段階に分けられており、数字が大きいほど耐震強度が強い住宅ということを表しています。

耐震等級基準主な建築物の例
耐震等級 1建築基準法による規定と同程度
  • 数百年に一度発生する地震の地震力に対して倒壊、崩壊しない程度。
  • 数十年に一度発生する地震の地震力に対して損傷しない程度。
※数百年に一度発生する地震とは、阪神淡路大震災程度の地震を指します。
一般の住宅
耐震等級 2耐震等級1で想定する1.25倍の地震力に対抗できる病院・学校など
耐震等級 3耐震等級1で想定する1.5倍の地震力に対抗できる消防署・警察署など

耐震等級1は建築基準法で定められている最低限の耐震性能で、震度6強~7クラスの地震には倒壊、崩壊しないものの損傷を受ける可能性があります。より地震に耐えられる住宅として、耐震等級2や3を取得するためには住宅性能評価機関に申請し認定を受ける必要があります。基準を満たす設計が必要なため、住宅プランを相談する段階でハウスメーカーや工務店、建設会社に耐震等級3の住宅を希望している旨を伝えなければなりません。さらに構造計算費用や耐震補強の施工費用も追加となり、費用は数十万円~数百万円ほどかかる場合があります。

なお、耐震等級を高くすることで地震対策以外のメリットも生まれます。耐震等級2や3では「フラット35S」の住宅ローンで一定期間金利が優遇されます。地震保険では等級によって割引を受けられ保険料が安くなります。また、長期優良住宅の認定には耐震等級2以上をはじめ省エネルギー性能等の条件が求められており、認定を受けると住宅ローンや不動産取得税、登録免許税、固定資産税などが控除されます。さらに耐震性能が高いと家自体の資産価値も高くなるのもポイントです。将来家を売却を考えている場合は取引しやすくなる可能性があります。耐震等級を高くするには追加費用がかかってしまいますが、金利優遇や税金の控除など様々なメリットがあることも覚えておきましょう。

耐震等級3”相当”に注意

工務店やハウスメーカーによっては、耐震等級3”相当”という表現をしていることがあります。「耐震等級3」と「耐震等級3相当」は違うので注意が必要です。

耐震等級3は住宅性能評価機関の審査を受け認定されていますが、耐震等級3相当は住宅性能評価機関へ申請せず、正式な認定を受けていないため実際の耐震性能は分かりません。「耐震等級3相当」ではフラット35Sの金利優遇や地震保険の割引が受けられなくなるので、「こんなはずじゃなかった…」という事にならないようにしっかり確認しておきましょう。

免震・制震構造を取り入れる

建物に対する地震対策として「耐震」「免震」「制震」の3つの構造があります。耐震構造は建築基準法によって耐震等級1以上の建物を建築することを定められていますが、免震と制震は特に義務付けられていません。より地震に強い家にしたい場合に免震構造や制震構造を取り入れていくものと考えればよいでしょう。

耐震構造《建物を強くする構造》

壁や柱の強化や筋交いを入れる事で建物自体を強くし地震による倒壊を防ぎます。地震の揺れは吸収されず直接建物に伝わってしまうため、上の階ほど揺れが大きくなりやすいです。

制震構造《揺れを吸収する構造》

建物内に重りやダンパーなどの制震装置を設置して地震の揺れを小さくします。高層マンションなどの高い建物は上階ほど揺れが大きくなるため多く使われていますが、戸建住宅にも取り入れられています。

免震構造《揺れを逃す構造》

建物と地面の間に免震装置を設置して地震の揺れを建物に伝えないため、耐震や制震よりも建物の揺れを抑えられます。建物内の揺れが少ないため家具や落下物などでの損傷は起こりにくいですが、コストが比較的高くなります。

地震に強い家でも地震保険は必要?

耐震等級3や免震・制震構造を取り入れた家なら地震に強いため、万が一大地震が発生しても倒壊は免れるかもしれません。しかし、地震によるダメージは住宅に蓄積されるため、絶対に崩壊しない住宅を建築することはできないのです。
土地を購入し家を建てる時には住宅ローンを組む方が多いと思いますが、地震の被害に遭っても住宅ローンの返済がなくなる訳ではありません。公的支援も少なく、「被災者生活再建支援制度」で受けられる支援金は最大で300万円、義援金として100万円受け取ることができたとしても住宅の再建にはとても足りない金額です。家具や家電も被害を受けたら購入費用も必要となります。地震に強い家でも貯蓄が十分にない場合は地震保険の必要性が高いといえるでしょう。

公的支援+義援金では約2100万円不足する

地震保険とは

地震保険とは、「地震・噴火・津波」を原因とする火災や損壊、埋没、流失による被害を補償する保険です。地震保険単独では加入できず、地震保険に入る場合は火災保険とセットで加入する必要があります。
地震保険の補償額は火災保険の30%~50%(上限は建物が5000万、家財が1000万)となるため、家が全損したとしても地震保険の保険金だけで再建するのは難しいかもしれません。しかし、公的支援よりはるかに大きい金額をカバーできるため、地震に備えるなら地震保険への加入を検討した方がよいでしょう。

火災保険と何が違う?

金融機関で住宅ローンを組む時には火災保険への加入が必須となっていますが、この火災保険と地震保険は別の保険です。どちらも住宅にかける保険で似ているように感じますが、補償される範囲が異なります。

火災保険

火災・落雷・風災・水災・水濡れ・盗難・破損・汚損など
※地震による火災や津波による水害は補償対象外!

地震保険

地震・噴火・津波

火災保険は火災や水災が対象となっているものの、地震が原因で発生した火災や津波は火災保険では補償されないため注意が必要です。大地震の後には暖房器具の転倒やガス管の破損、停電復旧時の通電による火災など、地震によって火災が引き起こされる可能性があります。このような火災での損害に備えるためには地震保険で備えることを検討しましょう。

保険料を安くするには?

地震保険は政府と民間の保険会社が共同で運営している保険で、どの保険会社でも補償内容や保険料に違いはありません。しかし、耐震等級3の場合は保険料が50%割引(耐震等級2は30%割引)となるなど、地震に強い家は保険料を安くすることができます。さらに、保険料は地震保険料控除の対象となるため所得税・住民税が安くなります。
一方で、火災保険は保険会社によって補償内容や保険料が異なります。不必要な補償内容を外せる保険会社を探したり、同じ補償内容でも保険料が安い保険会社を探したりすることで地震保険と合わせた保険料を安くすることができます。

まとめ

地震への被害を軽減するために地震に強い家を作っても絶対倒壊しないという事はありえません。より強固な地震対策をするなら、地震保険へ加入し被災した場合のリスクに備えることも考えた方がよいでしょう。

住宅ローンを契約する時には金融機関から火災保険を紹介されることがありますが、自分で選んだ火災保険に加入することもできます。インズウェブの火災保険一括見積もりサービスでは火災保険とセットで地震保険の見積もりを取ることができます。一度の入力で複数の保険会社から見積もりが出るため、様々な保険会社等を比較して自分に合った火災保険を見つけるのにぴったりです。ぜひ利用してみませんか。

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「保険(Insurance)」とインターネット「ウェブ(Web)」の融合から、サイト名『インズウェブ(InsWeb)』が誕生しました。自動車保険の見積もりを中心として2000年からサービスを提供しています。現在の運営会社はSBIホールディングス株式会社となり、公正かつ中立的な立場で自動車保険のみならず火災保険に関する様々なお役立ち情報も提供しています。

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