火災保険の選び方

築年数が古い家の火災保険~見直しは必要?~

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築年数が古い家は昔の長期契約の火災保険に加入したまま、火災保険の契約がどうなっているか忘れているという人もいるかもしれません。また、そもそも火災保険に入っていないという人もいるようです。

築年数が古い家だと火災保険に加入しても意味がないと考えている人もいるかもしれませんが、火災保険は古い住宅ほど重要性が高いとも言えます。古い住宅の火災保険の見直しや賢い加入について考えていきましょう。

火災保険の状況

火災保険は、2015年10月まで最長で35年の長期契約が可能でしたが、10年に短縮されています。そして、2022年度からは更に5年へと短縮される見通しです。同時に火災保険料も値上げとなる見通しですが、その背景には、近年、大きな損害をもたらすような自然災害が多く発生するようになり、保険会社が長期の収支予測をすることが困難になったことが大きな理由としてあります。

築年数が古い住宅は、2015年10月以前に加入した長期契約の火災保険に加入しているという人もいるでしょう。火災保険料の値上げが続いている背景を考えても長期契約の火災保険を一度解約してしまうと保険料が高くなってしまう可能性があるので注意が必要ですが、補償が足りない保険に契約していても意味がありません。自然災害による住宅損壊のリスクも増えており、住環境に補償内容が合っていない場合もあります。火災保険を長期で契約している人は定期的に補償の見直しを行い必要な補償内容で備えておくことが大切です。また、火災保険に入っていないという人は火災保険の重要性を認識し保険料の値上げ前に加入することをおすすめします。

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築年数が古い家の損害リスク

2022年度より火災保険料が値上げとなり、長期契約が10年から5年に短縮される背景には、築年数の古い住宅が増加すると火災保険の保険金支払いリスクも高くなるという事があります。

築年数の古い住宅は電気・給排水設備などの老朽化による影響で、火災・水濡れリスクや台風・大雪などによる損壊リスクなど火災保険におけるリスクが総じて高くなります。そのような築年数の古い住宅の割合は増加傾向にあり、今後も増加していくことが見込まれることから、リスクの増加を織り込むために保険料の値上げが必要となっています。

築年数別保有契約件数の構成割合

出典:損害保険料率算出機構「火災保険・地震保険の概況(2020年度版)」

水濡れ損害の支払状況

出典:損害保険料率算出機構「火災保険・地震保険の概況(2020年度版)」

築年数が古い家は火災保険が重要

築年数が古い家は火災保険が必要ないと思っていた人もいるようですが、火災保険は損害保険の一種で、保険の対象となっている建物や家財が火災や自然災害などによって受けた損害を補償する保険です。

築年数が古い住宅も新しい住宅も火災や自然災害で住宅に損害を受けてしまう可能性は避けられません。既に住宅ローンを払い終え、満期を迎えた火災保険も更新せずに現在加入していないという人もいるでしょう。そのような家庭で火災や自然災害で住宅が全損しても暮らしていける十分な蓄えがあるという人は火災保険の契約は必要ないかもしれません。しかし、これから起こるかもしれない火災や自然災害で損害を受けてしまった時に必要になるかもしれない費用に不安があるという人は火災保険に契約することを検討しておきましょう。

古い住宅は火災保険に加入できないと思っている人もいますが、さまざまな住宅に関わるリスクに備えることができるのが火災保険であり、築年数が古い家だからといって火災保険に加入できないという事はありません。

火災保険の保険料を決める要素

古い家で火災保険に加入しても意味がないと考えていた人の中には、火災保険は時価額をもとに保険金が支払われるという認識でいる方もいるのではないでしょうか。しかし、現在の火災保険は建物を「時価」ではなく「新価(再調達価格)」で評価するのが主流です。新価と時価については後程詳しく説明しますが、ここでは保険料に影響する要因について紹介します。

1-建物の種類、築年数、住所

一戸建て住宅か共同住宅かによって保険料は変わります。共同住宅とはマンションやアパートなどです。

住んでいる場所や築年数によっても保険料は異なってきます。都道府県別の事故の発生・損害状況を元に保険料が算出され、築年数も保険料を決める要素になります。築年数が古い住宅は損害リスクが高いという実態から築年数別の割引が設けられている保険会社があるなど築年数は古い方が保険料は高い傾向にあります。

2-建物の構造

建物の構造によって耐火性能やその他災害への耐性の強さが変わるため、その違いが保険料に反映されています。保険は加入者の保険料によって成り立っているので、保険金が支払われる可能性が高い構造の建物の保険料は高くなります。

構造級別建物の例
M構造耐火建築物の共同住宅(例:コンクリート造のマンション)
T構造耐火建築物の専用住宅、準耐火建築物、省令準耐火建物(例:鉄骨造の一戸建て)
H構造M構造・T構造のいずれにも該当しない建物(例:木造の建物)

3-建物の価値

建物の価値が高ければ支払う保険金が多くなるという事から保険料も高くなります。

価値のある建築物だったり、高価な材料を使っていたりする場合や大きな住宅であれば面積に応じて保険料も高くなります。

4-保険の内容

補償の内容をどれだけ充実させるかによって保険料の金額は当然変化します。基本的な補償内容は以下の6種類となります。ただし、最近は火災のリスクに備える内容以外は自由に選択できるものもあらわれています。

  1. 火災、落雷、破損・爆発に関するリスク
  2. 風災、雹災、雪災に関するリスク
  3. 水災に関するリスク
  4. 水濡れ・外部からの物体の衝突等に関するリスク
  5. 盗難、通貨・預貯金証書の盗難に関するリスク
  6. 不測かつ突発的な事故に関するリスク

これらに追加して、「地震保険」や特約の「個人賠償責任特約」などを補償内容に加えることができますが、補償が手厚くなる分保険料も高くなります。

5-保険の期間

現在、火災保険の保険期間は最大で10年です。火災保険は長期の契約期間で保険料を一括支払いにすれば、1年契約を繰り返すよりも保険料を安く抑える事ができます。

ただし、既に紹介している通り、2022年度より火災保険の最長期間は5年に短縮される見込みです。更に保険料も高くなるとのことですので、新規で契約する場合は改定が適用される前に長期契約で契約をすると保険料を安く抑える事ができます。

築年数が古い家の火災保険見直しポイント

火災保険料に入っていても補償内容が適切でなければ十分な補償を受けられなかったり、補償が全く受けられないという場合もあります。特に古い火災保険契約の場合は補償内容や契約が今の住環境やライフスタイルにあっているか確認するようにしましょう。特に見直した方がよい4つのポイントを下記で紹介します。

現在、契約している火災保険の補償が不十分であった場合や契約内容の変更を希望する場合は、保険会社や代理店に相談してみるとよいでしょう。

1-「新価」か「時価」か

火災保険において保険の対象となる建物の評価の仕方には「新価」と「時価」の2つの考え方があります。新価は再調達価額とも呼ばれ、同等のものを新たに建築または購入するのに必要な金額です。時価は新価から経過年数による価値の減少や使用による消耗分を差し引いた金額です。時価での契約の場合、例えば火災で全焼してしまっても価値の減少分を反映した金額でしか補償を受けられません。

1998年以前に契約した火災保険の場合は時価での契約が一般的でした。そのため、築年数が古くなった住宅は火災保険に加入しても意味がないと思っている人もいるのかもしれません。しかし、現在の火災保険では、新価で契約することが主流です。昔に入ったまま見直しをしていないという場合は時価額で評価する契約になっていないか確認するようにしましょう。

ポイント

  • 新価:同等のものを新たに建築あるいは購入するのに必要な金額
  • 時価:新価での評価額から「経過年数による価値の減少と使用による消耗分」を差し引いた金額

2-「水災」補償があるか

火災保険の補償内容に「水災補償」がついていないという人もいます。水災補償は、台風、暴風雨、豪雨などによる洪水、高潮、土砂崩れなどにより生じた損害を補償します。近年、集中豪雨や大型台風などの自然災害の影響で水災リスクなども注目されるようになりました。火災保険の水災補償は支払い基準が設けられていますが、水災補償がついていないという人は、自分の住む土地の水災リスクが高いかどうかをハザードマップなどで確認し、水災補償の必要性について考えておきましょう。

自治体が公表するハザードマップを確認する場合は「市区町村名 ハザードマップ」などと検索するか、国土交通省国土地理院の「ハザードマップポータルサイト」から確認することができます。

注意ポイント

水災補償の支払基準

  • 建物(家財)の保険価額に対して30%以上の損害を受けた場合
  • 「床上浸水」または「地盤面から45cmを超える浸水」によって損害が生じた場合

なお、床上浸水とは、畳やフローリングなどの居住部分の床を超える浸水のことをいい、地盤面とは、建物が周囲の地面と接する位置のことをいいます。ただし、地盤面について、地下室など床面が地盤面より下にある場合は、その床面をいいます。

3-「水濡れ」補償があるか

築年数の古い住宅は電気・給排水設備などの老朽化による影響で、火災・水濡れリスクが高くなります。給排水設備などからの水漏れなどによる水濡れ補償で火災保険の支払件数も増えています。

経年劣化や不注意による水漏れは補償の対象外となりますが、築年数が古い家では「偶発かつ突発的」に起きてしまう事故も増えてしまうのかもしれません。水濡れ補償がついていない場合は必要かどうか検討しておきましょう。特にマンションなどの集合住宅に住んでいる人は上階からの水漏れで自分の部屋の壁や床に水濡れの損害を受けてしまうようなことも考えられます。その場合は水漏れを起した住宅に損害賠償請求を行う事が可能ですが、同じ集合住宅に住む住民との関係維持のために損害賠償請求のような法的な手段を行いたくないという人もいるでしょう。そのような時に自分の火災保険に水濡れ補償があれば自分の火災保険で修理することが可能です。さまざまなリスクを想定し火災保険の補償が現状にあった補償で備えられているか確認しましょう。

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4-「地震保険」はどうなっているか

地震・噴火、これらによる津波を原因として起きた損害については火災保険では補償されません。火災保険とセットで加入する地震保険の契約が必要です。地震は日本ではいつ、どこで起こっても不思議ではありません。地震による損害は火災保険では補償されませんので地震による被害で住宅に損害を受けた時の費用に不安がある人は火災保険とセットで契約する地震保険の加入も検討しましょう。南海トラフ地震など大きな地震が警戒されている地域だけでなく、他の地域に住んでいる方も地震保険の契約を検討しておくとよいでしょう。

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火災保険料を抑える方法はある?

築年数が古い住宅も火災保険に加入し火災や自然災害リスクに備えておく必要があります。しかし、近年の自然災害被害の増加背景を考えると火災保険料の値上げや保険期間の短縮は避けられないでしょう。それでも現在、火災保険に加入していないといという人は加入の検討をしましょう。火災保険の契約を行っていても昔の契約となっている人は見直しを行いましょう。火災保険料の値上げが続いているという現状がありますが、補償内容が住環境に合っていなければ意味がありません。火災保険料を抑えながら必要な補償で備えるポイントを紹介しますので押さえておきましょう。

1-改定が適用される前に契約する

保険料の値上げや保険期間の短縮が実際に適用されるのは改定が実施された以後に新規加入あるいは更新した契約に対してです。そのため、それ以前に長期契約を結べば改定の影響を受けるのを遅らせることができます。また、途中で保険料の値下げが行われなければ、1年契約を繰り返すよりも長期契約の方が保険料の支払総額が低くなります。長期間の契約で保険料を一括で支払っても途中解約の際には未経過分の保険料が返ってくるので解約時の心配はさほど必要ありません。

2-免責金額(自己負担額)を設定する

補償に免責金額(自己負担額 )を設定することで保険料が安くなります。保険を利用する際に、設定した自己負担額の分は自分で払う必要がありますが、保険料を安くすることを考えるのであれば、万が一の時に自己負担できる金額を考えて設定を検討するのもよいでしょう。

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3-不要な補償を外す

長期契約で古い火災保険契約のまま何年も見直しを行っていないような人は不要な補償に契約している場合もあります。最近は火災以外の補償については自由に選択できるものも登場しています。必要な補償を選択し不必要な補償を外すことで無駄な保険料を節約できるように工夫しましょう。

4-保険料の安い保険会社と契約する

火災保険の保険料は一律ではなく、保険会社によって違いがあります。また、補償内容をある程度自由に付け外しできる保険会社もあればあまり選択の余地がない保険会社もあります。一括見積もりサービスを利用して複数の会社の保険料や補償内容を比較して、自分に合った補償内容で保険料の安い会社に変更してみるのもよいでしょう。

まとめ

近年の自然災害リスクの増加から火災保険料の値上げが続いています。長期契約の保険期間も5年に短縮となる見通しです。内閣府の試算によると、2015年度末において持家世帯の火災保険の加入割合(建物のみ)は61%、火災共済の加入割合は33%、重複を除いた火災保険・共済の加入割合は82%です。残りの2割の世帯は火災や自然災害などで住宅を失っても保険・共済による補償を受ける事ができないという事になります。

築年数が古い住宅だからこそ、損害リスクは高くなります。損害リスクが高いという事は火災保険料も高くなってしまいますが、住宅を失っても暮らしていけるだけの貯蓄があるという人以外は火災保険で備えておくことが必要だと思います。また、古い火災保険に加入している人も補償内容が今の住環境に合っているか見直しを行いましょう。補償が足りていないようであれば意味がありません。保険料の値上げや保険期間の短縮が実際に適用される前に火災保険の補償について考えておきましょう。

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