台風や大雪などによってカーポートに損害が発生した場合、火災保険で補償を受けることができる場合があります。火災保険は火災のときだけのための保険ではありません。自然災害による損害にも利用できるのです。どのような場合に補償を受けられるのか紹介します。
目次
カーポートの損害に火災保険を使える事例
カーポートが自然災害によって損害を受けた場合、火災保険によって補償を受けることができるかもしれません。どのような場合に火災保険を利用できるのか、以下事例を紹介します。
台風などの強風による損害
台風などの強風でカーポートの屋根が吹き飛ばされたりその他損害を被ったりした場合には火災保険の風災補償で補償されます。強風によって飛んできた屋根瓦や看板等でカーポートが破損したという場合も風災補償での補償となります。
大雪による損害
大雪でカーポートの上に雪が積もり、その重みでカーポートがつぶれたという場合や屋根からの落雪でカーポートの屋根が壊れたという場合などには火災保険の雪災補償で補償されます。普段雪が積もらない地域で大雪が降ると、この事例での保険金の請求が増加します。
雹(ひょう)やあられによる損害
雹やあられによってカーポートに損害が生じた場合は火災保険の雹災補償によって補償されます。ちなみに、雹とあられの違いは直径の大きさで、直径5mm以上のものを雹、それ未満のものをあられといいます。
補償を受けられない事例
火災保険の対象とならず補償を受けられない事例も紹介します。
経年劣化による損害
自然災害によらず経年劣化により破損や倒壊した場合は火災保険の対象とはなりません。適切にメンテナンスを行って破損や倒壊が起きないようにしましょう。
車への損害
カーポートの損害は車にも被害を受けることがありますが、車は火災保険の対象ではないので火災保険による補償は受けられません。自動車保険で車両保険をつけていた場合はそこから補償を受けることができます。
事故発生から保険金請求までに3年以上経過していた場合
保険法により保険金の請求期限は3年と定められています。後で請求しようとして結局忘れてしまったということがないように気をつけましょう。
風災・雹災・雪災補償を外していた場合
当たり前ではありますが、風災・雹災・雪災の補償を外していた場合は、それらを原因とする損害が発生しても補償を受けることができません。
免責設定に注意
火災保険は昔契約したまま特に見直したことはないという場合は、損害額が20万円未満だと風災・雹災・雪災補償の保険金が支払われない設定になっている可能性が高いです(フランチャイズ方式)。例えば、修理費用が15万円の場合は全額自己負担で支払う必要があり、修理費用が25万円の場合は25万円の保険金が支払われます。
最近契約した方の場合は、免責方式といって免責金額を「0円」「3万円」「5万円」「10万円」などの金額の中から選び、損害額からその免責金額を除いた金額が保険金として支払われる方式が多いです。例えば、免責金額が5万円の場合、修理費用が3万円の場合は全額自己負担で、修理費用が15万円の場合は15万円-5万円で10万円の保険金が支払われ、修理費用が25万円の場合は25万円-5万円で20万円の保険金が支払われます。
損害額 | フランチャイズ方式 | 免責方式(免責金額5万円) |
---|---|---|
損害額3万円 | 保険金:0円 自己負担:3万円 | 保険金:0円 自己負担:3万円 |
損害額15万円 | 保険金:0円 自己負担:15万円 | 保険金:10万円 自己負担:5万円 |
損害額25万円 | 保険金:25万円 自己負担:0円 | 保険金:20万円 自己負担:5万円 |
現在加入中の火災保険がどのようになっているのかわからない場合は一度契約内容を確認しておきましょう。
まとめ
自然災害でカーポートに損害を負った場合は火災保険を利用することができます。しかし、車への損害は火災保険では補償されないこと、免責がフランチャイズ方式の場合は損害額が20万円以上でないと保険金が支払われないことなどには注意しましょう。
著者情報
堀田 健太
東京大学経済学部金融学科を卒業後、2015年にSBIホールディングス株式会社に入社、インズウェブ事業部に配属。以後、一貫して保険に関する業務にかかわる。年間で100本近くの保険に関するコンテンツを制作中。