火災保険の基礎知識

お風呂や洗面でのトラブル!火災保険は浴室にも使える?

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故障や破損で1日でも浴室が使用できなくなると、大変困ってしまいます。そして、水回りとなると修理費もある程度かかってしまうことも...。そんな時、火災保険で費用を補填できると助かりますよね。
万が一、急な浴室トラブルが起こってしまった場合、火災保険を使うことはできるのでしょうか。解説していきます。

浴室のトラブル事例

まずは、実際に浴室で起こりうるトラブル事例を5つ紹介します。

浴槽の傷

浴槽は、桶やシャワーヘッドをぶつけて傷がついてしまうことがあります。住宅で、一般的に使われているFRP素材は割と丈夫だと言われていますが、それでも衝撃で傷ついてしまう可能性は大いにあります。また、掃除道具に関しても、浴槽の素材にあった物を使わないと傷をつける原因になります。

洗面ボウルのヒビ割れ

洗面台は、化粧瓶やシェーバーなど硬いものを落としてぶつけるとヒビが入ってしまうことがあります。ヒビ割れがあると、すきまから水が入り込んでしまい、水漏れの原因になるので放置すると危険です。
また、ヒートショック割れが起こる可能性もあります。ヒートショック割れとは、熱湯がかかるなど洗面台の一部分が急激に加熱されると、その部分が膨張して割れてしまう現象で、洗面台が冷える冬に多く見られます。

浴室ドアの損傷

意外と多いのが、浴室ドアの故障や損傷です。浴室内で足を滑らせてしまったり、子供がドアにぶつかったり、ライトの取り換えの際にバランスを崩してしまったりなど原因は様々です。それらの衝撃により、浴室ドアのプレートが割れてしまたり、たてつけ自体が悪くなってしまうことがあります。

タイルの破損

浴室の床や壁に、タイルを使用することも多いと思います。タイルは、シャワーヘッドをぶつけた衝撃で割れてしまったり、タイル自体が剥がれてしまうこともあります。
一見すると問題なさそうな小さな傷でも、そのまま放置しておくとじわじわと水が浸入し、壁の内部や土台の腐食やシロアリ被害などの甚大な被害に繋がる可能性があるので注意が必要です。

給湯器の故障

最後は、給湯器の故障です。給湯器が故障するとお風呂に入れないので非常に困りますよね。
故障の原因は様々ですが、大雨により給湯器内部が浸水し点火しづらくなったり、強風時の飛来物(看板やタイヤ、植木鉢など)による破損も起こる可能性があります。また、気温が異常に低いとき、配管にたまった水が凍結し給湯器の配管が破裂するケースも考えられます。

修理費ってどのくらいかかるの?

上記にて様々なトラブルケースを記述しましたが、実際の修理費はどのくらいかかるのでしょうか。相場の目安は以下になります。

修理費の目安
排水口・排水管-5,000〜50,000円
シャワーヘッド・ホース修理4,000〜30,000円
交換5,000〜45,000円
蛇口修理4,000〜28,000円
交換15,000〜60,000円
浴槽修理80,000〜170,000円
交換80,000円〜
ドア交換40,000〜100,000円
壁・床・天井交換40,000円〜
換気扇修理7,000〜20,000円
交換30,000〜60,000円
給湯器修理7,000〜50,000円
交換80,000円〜

だいたい数万から中には十万を超えてくる内容もあるので、火災保険で支払いが出るとありがたいですよね。

火災保険は適用できる?

では、それぞれのケースで火災保険を適用することはできるのでしょうか。

火災保険を使える可能性がある

基本的に、上記のようなケースは、火災保険がおりる可能性があります。そのためには、火災保険で「建物」への補償をつけていることと、その中の「不測かつ突発的な事故」の補償をつけていなければなりません。(保険会社によっては「偶発的な事故」や「破損・汚損」などと表記されることもあります。)
ただ、給湯器だけは補償の種類が異なるので、下記にて追加で説明します。

給湯器は補償の種類が異なる

給湯器についても「建物」への補償となります。建物に固定されていて、簡単に取り外しができない設備であるためです。よって、火災保険で「建物」への補償をつけており、その中で受けた被害の原因に対応した補償内容を契約していれば、火災保険を使って修理できる可能性があります。例えば、強風が原因であれば風災補償、洪水が原因であれば水災補償(特定設備水災補償特約)、漏電やショートが原因であれば電気的・機械的事故担保特約などです。
詳細は、以下の記事をご覧ください。

適用されないケース

さて、浴室での様々なトラブルは火災保険がおりる可能性があると記しましたが、以下の条件に当てはまる場合は火災保険を適用することが難しくなってしまいます。

経年劣化である場合

経年劣化は、基本的に火災保険の補償対象外となってしまいます。火災保険で補償されるのは、火災や自然災害、突発的な事故などによる損害が主です。あらかじめ被害を予測することができない災害等に対し、経年劣化は時間の経過とともに必ずと言っていいほど起こるものです。居住者側は被害の発生を想定して対処できるとみなされ、対象外となってしまうのです。

地震が原因であった場合

地震が原因となり浴室に被害が出てしまった場合は、火災保険を適用することはできません。地震での被害は、基本的に地震保険の適用となります。なので、もし地震保険に加入している場合は、そちらで対応してもらえるかもしれません。

POINT

地震保険の保険金額(支払われる保険金の上限)は、契約している火災保険の保険金額の30%~50%の範囲内で決めます。ただし、上限が決まっており、建物は5,000万円、家財は1,000万円です。

火災保険を申請する注意点

浴室トラブルで火災保険を使用するにあたり注意するポイントを紹介します。

現場写真、修理見積書の用意

火災保険の保険金の請求を行う場合、損害箇所の写真を求められることがあります。保険会社としても、どの個所にどの程度の損害が発生したかという証拠もなしに請求のまま保険金を支払っていたら詐欺を防ぐこともできないので当然ともいえます。破損した証拠として、損害箇所などの写真を複数枚撮っておきましょう。また、破損に至った経緯についても、しっかりと説明できるよう整理しておきましょう。また、保険金の申請には、修理見積書も必要になるため、早い段階で修理見積りをとっておくとスムーズです。

免責金額設定に注意

免責金額というのは、”損害が発生した際、自己負担する額として契約時に設定する額”となります。
例えば、修理の見積もりが5万で、免責金額を1万円で設定していた場合、保険会社からは免責金額を差し引いた4万円が振り込みとなり、1万円は自己負担になるということです。
免責金額は0から設定できますが、自分がいくらで契約しているのか一度確認し、把握しておきましょう。

修復までの応急処置

浴室は毎日欠かさず使用する場所ですが、申請から振り込みまでおおよそ1〜2週間程度はかかってしまい、そこからの修理作業となると意外と時間がかかります。ヒビ割れ部分などで自分自身もケガをしてしまわないよう、破損はできる限りの応急処置をしておくことをおすすめします。接着剤や仮留め、簡易テープなど、破損の応急処置をする用具は、基本的にホームセンターで販売されています。

定期的な見直しや確認をしよう

火災保険は、補償内容や保険料、サービスの改正が都度行われています。また、火災保険は、家族構成や生活スタイルによって補償内容のニーズも変わるものです。家族が増えると、室内設備も増えるので損傷リスクが上がったり、住居設備によって修理費も変わってきます。今の火災保険の内容が、本当に今の自分の生活や家族構成にとってベストな内容であるのかを、一度しっかりと見直してみることをオススメします。
また、見直すだけでなく、各保険会社を比較検討してみることで、より自分や家族にとってベストな火災保険に切り替えることもできるかもしれません。

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