火災保険の基礎知識

火災保険の個人賠償責任特約で自転車保険加入義務にも対応できる

投稿日:2019年3月7日 更新日:

2015年10月より、兵庫県で自転車保険の加入が全国で初めて義務化され、各種ニュースでも取り上げられました。その後、その他都道府県や市町村でも自転車保険の加入が義務化・努力義務化されたところがあります。しかし、火災保険の特約などで加入できる個人賠償責任特約があれば、自転車保険の義務化にも対応することができます。

自転車保険加入義務化の背景

自転車は幼児から高齢者まで幅広い年代の人たちが手軽な移動手段として利用しています。その一方で、歩行者と自転車の事故は増加傾向にあり、自転車側に対して高額な賠償が命じられる事例も見られるようになりました。このような状況の中で、自転車の安全な利用を促進するのと高額な損害賠償に備えるために自転車保険の加入義務化を定める条例が制定されたのです。

自転車事故の高額賠償事例

賠償額裁判所判決日事故の概要
9,521万円神戸地裁平成25年7月4日当時11歳の男児が夜、自転車で走行していたところ、歩行していた62歳の女性と正面衝突し、女性は頭蓋甲骨折などの障害を負い、意識が戻らない状態になった。高額な損害賠償に加えて母親に支払い命令が出されたことが大きな話題となった。
9,266万円東京地裁平成20年6月5日男子高校生が昼間、自転車横断帯のかなり手前の歩道から車道を斜めに横断していたところ、対向車線を自転車で直進していた24歳の男性会社員に衝突、男性会社員は言語機能の喪失などの重大な障害が残った。
6,779万円東京地裁平成15年9月30日男性が夕方の時間帯にペットボトルを片手にスピードを落とさず下り坂を走行して交差点に進入したところ、横断歩道を歩行中だった38歳の女性と衝突し、女性は3日後死亡した。
5,438万円東京地裁平成19年4月11日男性が昼間の時間帯、信号無視をして速いスピードで交差点に進入し、青信号で横断歩道を横断中だった55歳の女性と衝突、女性は頭蓋内損傷などで11日後に死亡。
4,746万円東京地裁平成26年1月28日男性が昼間の時間帯、信号無視をして赤信号で交差点を直進し、青信号で横断歩道を歩行中だった75歳の女性に衝突、女性は脳挫傷などで5日後に死亡。

個人賠償責任特約で備えられる!

火災保険の特約に個人賠償責任特約というものがあります。個人賠償責任特約は日常生活において、契約者自身またはそのご家族の方が他人にケガをさせてしまったり他人のものを壊してしまったりして法律上の損害賠償責任を負った場合に保険金が支払われる特約です。自治体の自転車保険加入義務化は被害者への賠償に関する保険に加入することを求めているので、この特約をつければ別途自転車保険に入らなくても自転車保険の加入義務に対応できるのです。

個人賠償責任特約は自転車の事故による損害賠償以外にも、以下のような事例にも備えることができます。

備えられる事例

  • 飼い犬の散歩中、犬が他人にかみつきケガをさせてしまった場合
  • 買い物中にガラス製品を落としてしまい、賠償することになった場合
  • マンションで水漏れを起こし、下の階に損害を与えてしまった場合
  • 子供がボールで遊んでいて、他人の家の窓ガラスを割ってしまった場合
  • 子供がいたずらで他人の車を傷つけてしまった場合

マンションにお住まいの方や小さなお子さんがいる家庭ではぜひとも検討したい特約です。

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個人賠償責任特約と自転車保険の違い

個人賠償責任特約で自転車保険の加入義務化に対応することができますが、自転車保険に価値がないというわけではありません。自転車保険には個人賠償責任特約にない補償やサービスもあります。個人賠償責任特約と自転車保険の補償やサービスをまとめると以下の表のようになります。

個人賠償責任特約自転車保険
対人賠償
自身が死傷時の補償×
示談交渉サービス
(保険会社による)

(保険会社による)
ロードサービス×
(保険会社による)
弁護士費用特約×
(別の特約として契約できる保険会社もある)

(保険会社による)

個人賠償責任特約は事故相手への損害賠償には備えることができますが、事故によって負った自分のケガには備えることができません。ただし、既に医療保険や生命保険に加入していれば、ケガや死亡したときの保障は用意されているということを頭に入れておく必要があります。また、自転車保険は保険会社によっては自転車ロードサービスや弁護士費用特約が用意されています。自転車に乗る機会が多いという方や自転車で遠出することがあるという方はこうした特約やサービスが用意されている自転車保険を検討してみるのもよいでしょう。

自転車の盗難にも火災保険で部分的に備えられる

自転車が盗難されてしまったという場合、火災保険の家財の補償で盗難補償をつけていれば補償対象となる場合があります。補償対象となるか否かで重要なのが、どこに置いてあるものを盗まれたのかということです。自宅の軒下や自宅マンションの駐輪場から盗まれてしまったという場合は補償の対象となりますが、駅の駐輪場やスーパーの駐輪場、自宅の塀の前など自宅敷地外で盗まれてしまった場合は補償対象外となります。保険会社によっては自宅敷地内でも保管場所に制限がある場合もあるので、事前に確認しておくとよいでしょう。

なお、自転車や原付(総排気量125cc以下)は火災保険の対象となりますが、バイク(総排気量125cc超)は火災保険の対象とはならないのでご注意ください。

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まとめ

自転車を安全に利用するため、また自転車事故による高額賠償に備えるために自転車保険の加入が義務化されている自治体があります。この義務化で求められているのは事故相手への損害賠償に備えるものなので、火災保険などで特約として加入できる個人賠償責任特約でも対応できます。自身のケガについても既に医療保険や生命保険に入っていれば改めて保障を追加する必要性があるのか考えてみるとよいでしょう。

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