火災保険の選び方

築年数が古い家に火災保険は必要?築30年以上でも入れる?

投稿日:2021年6月23日 更新日:

築年数が古い家だと火災保険に加入しても意味がないと考えている人もいるかもしれません。しかし、築年数が長いほど自然災害や家の老朽化で損害を受けるリスクが高くなるため火災保険の重要性が高くなります。古い住宅の火災保険の見直しや賢い加入について考えていきましょう。

築年数が古い家でも火災保険に入れる?

築30年以上や築40年以上などの築年数が古い家でも火災保険に入ることができます。しかし、家の状態によっては保険料が高くなったり新規加入を断られたりする場合があります。 

築年数が古いほど保険料も高くなる

以前はどの築年数でも火災保険の保険料率は同じでしたが、新築などの築年数が浅い建物には築浅割引が適用されるため築浅の家は保険料が安くなっていました。
近年は自然災害が増加し、築年数が古い家は損害を受けるリスクが高くなっています。そのため、2019年頃から建物の築年数によって保険料率が変わる「築年数別料率」を取り入れる保険会社が増えてきました。築年数によって区分が分けられ、築年数が古いほど保険料が高くなるというものです。区分は保険会社によって異なりますが、築20年以上や築25年以上になると保険料が大きく引き上げになることが多いようです。

古い家の火災保険は必要?

築年数が古いと保険料も高くなることから、火災保険に加入しなくてもいいと考える人や、住宅ローンを払い終えたから火災保険は不要と思っている人もいるかもしれません。もし火災保険がないと、火災や自然災害で住まいが損害を受けてしまった時に修繕費用を全額自分で用意しなければなりません。全損した際には多額の再建費用も必要です。
このような費用を払えるような貯蓄がない場合は、火災保険の必要性は高いといえます。そこで、古い家にはどのようなリスクがあるのかを確認しておきましょう。

損害リスク

近年は自然災害が短いスパンで多発し、建物自体へのダメージも蓄積されていることから台風や豪雨・大雪などによる損壊リスクも高くなります。また、築年数の古い家は電気・給排水設備などの老朽化が進み、火災や水濡れのリスクが高くなります。水濡れ被害による支払い件数や保険金も増加しており、このような損害リスクに備える必要があります。

出典:損害保険料率算出機構「火災保険・地震保険の概況(2023年度版)」

築年数が古い物件は増加傾向

損害リスクが高い築年数が古い物件は年々増加しています。火災保険を契約している建物のうち、築30年以上の割合は3割を超え、今後も増えていくことが予想されます。

出典:損害保険料率算出機構「火災保険・地震保険の概況(2023年度版)」

2015年までは最長35年の火災保険の契約をすることができましたが、現在は最長5年に短縮されています。築年数が古い家に住んでいる人の中には、2015年以前に加入した長期契約の火災保険に加入した人もいるでしょう。
しかし、自然災害の発生件数も増え、加入した当時の住環境に合わせた補償内容では不足する部分が出てきている場合もあります。長期契約の火災保険を一度解約してしまうと、解約前と同じ長期契約で再加入ができなくなるため慎重な判断が必要ですが、補償が足りない保険に契約していても意味がありません。火災保険を長期で契約している人は定期的に補償の見直しを行い、必要な補償内容で備えておくことが大切です。

火災保険見直しポイント

火災保険に加入してから十年以上経過している場合は、今の住環境やライフスタイルに合った補償内容になっているかを確認しましょう。そこで、特に見直したいポイントを紹介します。契約している火災保険の補償が不十分であった場合や契約内容の変更を希望する場合は、保険会社や代理店に相談してみるとよいでしょう。

建物評価額

火災保険の建物の評価の仕方には「新価」と「時価」の2つの考え方があります。

「新価」は再調達価額とも呼ばれ、同等のものを新たに建築または購入するのに必要な金額です。「時価」は新価から経過年数による価値の減少や使用による消耗分を差し引いた金額です。

1998年以前に契約した火災保険の場合は時価での契約が一般的でした。時価の場合、例えば火災で全焼してしまっても価値の減少分を反映した金額でしか補償を受けられず、築年数が古くなるほど修復に必要な保険金が出ない可能性があります。しかし、現在の火災保険では、「新価」で契約することが主流です。昔入ったままで見直しをしていないという場合は時価額で評価する契約になっていないか確認するようにしましょう。

水災補償

水災補償は、台風、暴風雨、豪雨などによる洪水、高潮、土砂崩れなどにより生じた損害が補償されます。昔契約した火災保険に「水災補償」がついていないという人もいるかもしれませんが、近年は集中豪雨や大型台風が増加していることから今まで水害が起きなかった土地でも浸水被害や土砂崩れに遭う可能性があります。自分の住む土地の水災リスクが高いかどうかをハザードマップなどで確認し、水災補償の必要性について考えておきましょう。

水濡れ補償

築年数の古い家は給排水設備の老朽化が進み水濡れリスクが高くなります。ただし、経年劣化や不注意による水漏れは補償の対象外となるため、定期的にメンテナンスをしておきましょう。
特にマンションなどの集合住宅に住んでいる人は上階からの水漏れで自分の部屋の壁や床に水濡れの損害を受けてしまうようなことも考えられます。その場合は水漏れを起した住宅に損害賠償請求を行う事が可能ですが、同じ集合住宅に住む住民との関係維持のために法的な手段を取りたくないという人もいるでしょう。そのような時に自分の火災保険に水濡れ補償があれば自分の火災保険で修理することが可能です。

水濡れ被害
火災保険の水濡れ補償はどんな場合に使える?
マンションやアパートの方が特に想定しておくべき事故として水漏れがあります。上の階で水漏れが起きて天井にシミができたり、床が水浸しになってしまったりしてしまう可能 ...

続きを見る

類焼損害補償特約

類焼損害補償特約とは、自分の家が火災の出火元になり近隣の家に損害を与えてしまった時に被害者の方に補償を行うものです。過失による火災では火元になった住宅には損害賠償責任はありませんが、古くからのご近所付き合いがある場合にはその後の関係性に様々な影響が出る可能性があります。

特に築年数が古い家は木造で耐火性能が低い場合があり、火災が発生した場合に延焼しやすくなります。周辺の住宅との距離が近い住宅密集地の場合は隣家に燃え移ってしまう可能性が高いでしょう。
もし失火により近隣に延焼してしまっても、類焼損害補償特約があれば隣家の被害を補償することができます。今後のご近所との関係性が悪くなってしまわないように加入を考える方が増えているようです。

火災保険の類焼損害補償特約は必要?失火見舞費用保険金との違いも解説
住宅購入時、住宅ローンを借りる条件にも含まれることから火災保険に加入する方が多いと思います。火災保険に付帯できる「類焼損害補償特約」とはどのような保険なのか、付 ...

続きを見る

地震保険

地震・噴火、これらによる津波を原因として起きた損害については火災保険では補償されません。火災保険とセットで加入する地震保険の契約が必要です。地震は日本ではいつ、どこで起こっても不思議ではありません。南海トラフ地震など大きな地震が警戒されている地域だけでなく、地震による被害で住宅に損害を受けた時の費用に不安がある人は地震保険の加入も検討しましょう。

地震
地震保険の基礎知識
日本は地震大国であり、甚大な被害をもたらす規模の地震もたびたび起こっています。しかし、地震で受けた被害については火災保険のみでは補償を受けることができません。火 ...

続きを見る

保険料を抑える方法

築年数が古い家も火災保険に加入して火災や自然災害リスクに備えておく必要があります。しかし、直近10年間で火災保険は何回も改定されており、過去に契約した時よりも保険料が値上がりしている可能性があります。そのため、火災保険を見直す際に必要な補償で備えながら保険料を抑える方法を紹介します。

長期契約をする

火災保険の保険期間は最長5年です。1年契約を毎年更新するよりも長期契約の方が保険料の総支払額は安くなります。まとまった金額が必要になるものの、5年分の保険料を一括払いにするとさらに割安になります。なお、一括で支払っても途中解約の際には未経過分の保険料が返ってくるので解約時の心配はさほど必要ありません。

免責金額を設定する

補償に免責金額(自己負担額)を設定することで保険料が安くなります。免責金額を高くするほど保険料は安くなりますが、自己負担額も増えてしまうため注意しましょう。補償ごとに免責金額を設定できる場合には、発生する可能性が高い災害に対する補償の免責金額は低めにするなど検討しましょう。

免責金額
火災保険の免責金額って何?いくらで設定する?
火災保険の契約の際、免責金額を自分で選んで設定する必要がある場合があります。しかし、「免責金額」という言葉は日常生活で使うことはほぼなく、免責金額とはいったい何 ...

続きを見る

不要な補償を外す

古い火災保険に契約したまま何年も見直しを行っていない場合、不要な補償を付けているかもしれません。最近は火災以外の補償については自由に選択できるものも登場しています。必要な補償を選択し不必要な補償を外すことで無駄な保険料を節約できます。

保険会社を比べる

火災保険の保険料は一律ではなく、保険会社によって違いがあります。また、補償内容をある程度自由に付け外しできる保険会社もあれば、あまり選択の余地がない保険会社もあります。そこで、一括見積もりサービスを利用して複数の会社の保険料や補償内容を比較してみましょう。築年数が古い家は保険料が高くなってしまいがちですが、我が家に合った補償内容で保険料の安い会社が見つかるかもしれません。

まとめ

築年数が古い家は損害リスクが高くなるため火災保険は必要です。築30年以上の住宅でも火災保険に加入できますが、築年数が古くなるほど保険料が高くなる傾向にあります。

内閣府の試算によると、持ち家での火災保険や火災共済の加入率は82%です(2015年度末時点)。2割の世帯は火災や自然災害などで住宅を失っても保険・共済による補償を受ける事ができないという事になります。多額の修繕費用や再建費用を支払える貯蓄などがなければ火災保険は必要といえます。
また、古い火災保険に加入している人も補償内容が今の住環境やライフスタイルに合っているか見直しを行いましょう。補償が足りていないようであれば意味がありません。改定で保険料の値上げが行われる前に、火災保険の補償について考えておきましょう。

自動車保険も安くしませんか?
一番安い自動車保険を探す方はこちら!

自動車保険は比較で安くなる!

インズウェブSNS公式アカウント

  • Twitter
  • facebook
  • instagram
  • tiktok
  • LINE
  • youtube
  • pinterest
  • note
  • Twitter
  • facebook
  • instagram
  • tiktok
  • youtube
  • pinterest
  • note
\インズウェブのお得情報を発信!/友だち追加

記事が参考になったらシェアお願いします!

  • この記事を書いた人

インズウェブ

「保険(Insurance)」とインターネット「ウェブ(Web)」の融合から、サイト名『インズウェブ(InsWeb)』が誕生しました。自動車保険の見積もりを中心として2000年からサービスを提供しています。現在の運営会社はSBIホールディングス株式会社となり、公正かつ中立的な立場で自動車保険のみならず火災保険に関する様々なお役立ち情報も提供しています。

-火災保険の選び方
-,

Copyright© SBI Holdings Inc. All Rights Reserved.

\火災保険は比較で安くなる!/