火災保険の契約期間は長期で5年までとなっています。火災保険は1年契約で毎年見直しなどを行いながら更新していくパターンと長期契約にするパターンのどちらかを選択する事が可能です。1年契約や5年などの長期契約での保険料の支払いには一体どのような決まりがあるのでしょうか。また、一括で支払う場合などのメリットはあるのでしょうか。保険料の支払い方法も保険契約を行う時に注目しておきましょう。
保険料の支払い
火災保険は契約期間に応じた保険料を一括で支払ってしまう事が多いようですが、「年払い」や「月払い」で支払う事も可能です。
1年契約の場合
1年契約の払込方法では、下記パターンを選択する事が出来ます。
- 一括払い
- 月払い
一般的には1年契約の場合、1年分の保険料を一括で支払う事がほとんどです。1か月ごとに保険料を支払う「月払い」を選択できる保険会社もありますが、払込保険料の合計は高くなります。
長期契約の場合
長期契約の払込方法では、下記パターンを選択する事が出来ます。
- 長期一括払い
- 長期年払い
- 長期月払い
長期契約の場合、3年分や5年分などの契約期間の分の保険料を一括で支払う方法を「長期一括払い」といいます。長期契約の契約年数分の保険料を一括で支払えば、その分1年あたりの保険料が割安となるなど金額面でのメリットは多くあります。
火災保険の保険期間は最長5年!長期の方がお得?
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長期一括払いは、保険料を割安に契約する事が出来ますが、一回の出費が多くなります。そのため、1年ごとに保険料を支払う「年払い」を選択する事も可能です。契約期間は5年の長期期間とし、支払いは毎年、年に1回の年払いとして行うといった形となります。長期契約の年払いは、長期一括払いより保険料の合計は高くなりますが、1度にかかる出費を抑えられるといったメリットがあるため家庭の経済状況に合わせて選択しましょう。
もちろん、長期契約でも「月払い」を選択できる保険会社もあります。しかし、保険料の総額は割高となり、支払いを忘れてしまったりするリスクなどを考えると、メリットがあまりないかもしれません。
保険料の支払い方法
火災保険の保険料の払込方法では、口座振替での払込が一般的なようです。保険会社によってはクレジットカード払いやコンビニや郵便局などで利用できる払込用紙での対応も行っている保険会社もあるようですが、払込票は一時払いに限るなど注意が必要です。契約の時には保険会社の払込方法についても確認しておきましょう。
払込期日と期日までに払込が出来なかった場合の対応について
保険会社が定める払込期日まで支払う事が原則となります。一般的に一時払いで口座振替やクレジットカードからの引落を選択している場合では、保険始期日の属する月の翌月の請求と定められている事が多いようです。万が一、残高不足などで、引落日に支払いが出来なかった場合は、翌月に再度保険料の引落がされます。コンビニや郵便局で利用できる払込票の場合は、支払期日をしっかり確認し期日内に支払うように注意しましょう。また、支払いが遅れてしまった時には、保険会社に対応の連絡を入れる事をお勧めします。
月払いを選択している場合などでは、最終回の月払い保険料の引落が満期日以降になってしまうケースもあるようですので事前に確認しておきましょう。月払いでは、口座振替やクレジットカード払いでの設定を行っておく事が支払いを忘れてしまうリスク防止になるでしょう。
口座振替やクレジットカードの引落設定は保険会社によって、保険始期日以降は変更できない事もあるようですので注意が必要です。
長期契約と長期一括払いのメリット・デメリット
メリット
- 年間あたりの保険料が割安になる
- 支払いを忘れてしまう事がない
- 更新の手間がない
長期契約で長期一括払いを選択した場合は、長期係数に応じた保険料の割引を受ける事が出来ます。また、一度に契約期間分の保険料を支払うため、保険料の支払いを忘れてしまうリスクもない事がメリットです。
長期係数とは・・・
火災保険の長期一括払いで保険料を計算するための割引係数です。計算方法は下記となります。
■1年間の保険料額×長期係数=総額の保険料
契約年数 | 2年 | 3年 | 4年 | 5年 |
---|---|---|---|---|
長期係数 | 1.85 | 2.70 | 3.55 | 4.40 |
※保険会社によって長期係数が変わるため、上記は一例となります。
デメリット
- 1回あたりの支払額が大きくなる
- 補償内容の見直しを行う機会が減る
- 長期契約のため補償内容を忘れてしまう
長期一括払いで支払いを行うと、保険料の割引があるとは言え、1回あたりの支払いが大きくなってしまい負担になる事もあるでしょう。新築住宅を購入した場合などでは、住宅購入に関わる初期費用などで費用がかさみ、保険料の負担が重荷になることも考えられます。そんな場合は、分割払いを選択した方がよいケースもあるでしょう。住宅ローンを組んで住宅を購入する場合は、火災保険の加入が必須となりますが、火災保険の保険会社や補償内容、支払い方法などは自分で選択する事が可能ですので、借入先の担当者のアドバイスをそのまま受け入れるのではなく、家族で相談し決めるようにしましょう。
長期一括払いでは、保険料を一括で支払っているため保険料の支払いタイミングをきっかけに、補償内容がライフスタイルにあっているか再確認するという機会が減ってしまうといった事があります。また、補償内容を忘れてしまう事もあるでしょう。ライフスタイルに補償内容が合わなくなる事もあるため、年に1回など定期的に家族で契約している保険の契約内容を見直す機会を設けるとよいでしょう。
まとめ
長期契約で保険料を長期一括払いで契約した場合は、保険料が割安になるなどメリットも大きいです。しかし、長期期間での補償で保険期間の途中で保険料の支払い手続きを行う事もないため補償内容を忘れてしまったり、見直すタイミングが無かったり補償内容がライフスタイルに合わなくなっていたりなどの心配もあります。火災保険を長期契約で契約した場合は、長期一括払いを選択するメリットとデメリットを理解しデメリットの部分は注意するように心がけましょう。
火災保険は長期契約で一括払いをした場合も中途解約で未経過分は解約返戻金が戻ってきます。解約返戻金は未経過料率によって計算された金額となりますが、保険料の見直しで長期契約を解約したい場合や保険会社を変更したい場合などには、安心な制度です。長期契約で保険料の割引を受け長期一括払いで支払っていても、火災保険の補償内容の見直しは定期的に行うなど、万が一のリスクのために納得した補償内容での契約となるようにしましょう。