火災保険の基礎知識

「水災」と「漏水などによる水濡れ」の違いは?火災保険の補償はどうなるの?

投稿日:2020年8月19日 更新日:

火災保険の補償内容には「水災」と「水漏れ」があります。住宅が「水」による被害で損害が出てしまった場合に「水災」と「水漏れ」の扱いとなる「漏水などによる水濡れ」の取り扱いはどのように分けられているのでしょう。どういった場合が「水災」という判断となり、どういった場合に「水漏れ」という扱いになるのでしょうか。

火災保険の「水災」補償とは?

火災保険の補償にある「水災」補償は、台風、暴風雨、豪雨などによる洪水、高潮、土砂崩れなどにより住宅に損害を受けた時に保険金を受け取れる補償です。近年、都市部では集中豪雨による大量の雨水被害が増えていますが、そのような自然現象が原因で起こる水災害の総称を「水災」といい、大量の雨が降ったことで起こる土砂崩れや落石などで受けた住宅の損害も水災補償で補償を受けます。更には雪解け水が原因起こる融雪洪水の被害も「水災」補償です。この場合の損害は「雪災」補償に契約があっても「水災」補償がなければ補償対象外になってしいます。

火災保険の基本は、住宅火災保険と住宅総合保険で補償がパッケージ化されています。住宅火災保険の契約では、水災は補償対象外となっています。最近では、契約する補償の種類をカスタマイズできる保険会社も多いです。ハザードマップで自分が住むエリアの水災リスクを確認し、火災保険の水災補償の必要性について考えておきましょう。

「水災」による損害の例

  • 集中豪雨で自宅が床上浸水した
  • 台風で近くの川が氾濫し、床上浸水して、壁の張り替えが必要になった
  • 豪雨等で山が土砂崩れを起こし、家を押し流してしまった

「水災」補償の支払基準

水災補償には一般に以下の支払基準が設けられています。支払基準に満たない場合は保険金は支払われません。

注意ポイント

水災補償の支払基準

  • 建物(家財)の保険価額に対して30%以上の損害を受けた場合
  • 「床上浸水」または「地盤面から45cmを超える浸水」によって損害が生じた場合

床上浸水とは、畳やフローリングなどの居住部分の床を超える浸水のことをいい、地盤面とは、建物が周囲の地面と接する位置のことをいいます。地下室などがあり、床面が地盤面よりも下にある場合はその床面を地盤面とします。

火災保険の「水漏れ」補償とは?

火災保険の補償にある「水漏れ」補償とは、自宅の給排水設備の事故や他人の戸室で生じた事故に伴う漏水などによる水漏れで住宅に損害を受けた時に保険金を受け取れる補償です。「水漏れ」での補償は、自然災害を原因としない場合で水漏れを起こして床が水浸しになったという場合、水にぬれた床や壁の修繕費用や水に浸かって故障してしまった家電の修理費用などは、火災保険の水漏れ補償で補償を受けます。自分の故意や不注意が原因での損害の場合や経年劣化による損害の場合などでは補償とはなりません。

「水漏れ」補償も「水災」補償と同じく住宅火災保険では、補償対象外です。「水」による住宅への損害もさまざまなケースが考えられれます。起こりえるケースを想定し火災保険で必要な補償をじっくり選ぶことが大切です。

「水漏れ」による損害の例

  • 天井裏の水道管が破損し水濡れ損害が発生した
  • 給水管が破裂して室内が水浸しになり、保険の対象が損傷してしまった
  • マンションなど、上の部屋の水漏れにより発生した被害

「水漏れ」による補償は、給排水設備自体に生じた損害は補償対象外です。あくまでも給排水設備の故障などにより起こった水濡れの損害に対しての補償です。

火災保険の補償内容はどんなものがある?

火災保険は「火災」に対する損害に備えるためだけの保険ではありません。火災保険という名前ですが、上記で説明した「水災」のような自然災害による損害から給排水管の故障などによる「水漏れ」に損害まで幅広く対応しています。「水」による被害だけでなく、風災被害から盗難被害など住宅に対するさまざまな損害の補償を受ける事ができます。

住宅火災保険 住宅総合保険 内容
火災 失火・延焼・ボヤなどの火災の損害に対応
落雷 落雷による損害に補償
破裂・爆発 ガス漏れなどによる破損・爆発の損害を補償
風災・雪災・雹災 風災・雪災・雹災の損害を補償
水災 台風や豪雨等による洪水などの水災の損害を補償
水漏れ・飛来 自動車の飛び込みや排水管の故障による水濡れ損害に対応
騒擾・集団行動等に伴う暴力行為 集団行動などに伴う暴力行為・破壊行為による損害を補償
盗難 盗難による盗取や損傷・汚損などの損害を補償
不測かつ突発的な事故 子どもが室内でボールを投げ、窓ガラスが破損してしまった等の損害に対応

「雨漏り」は火災保険のどの補償?

住宅の「水」による損害には、「雨漏り」の被害もあります。火災保険は、経年劣化が原因とされる損害に対しては補償を受ける事ができませんが、台風が原因で屋根が破損し雨漏りが発生したことで受けた損害などは、火災保険の「風災」補償で保険金を受け取る事ができます。また、雹(ひょう)などによって屋根に穴が開いて雨漏りに至った場合の修理費用などは「雹災」補償で保険金を受け取る事ができます。雨漏りが火災保険の補償対象になるかどうかは、雨漏りの発生原因によります。屋根は常に風や雨にさらされている場所であり、風や雨による被害を常に受けています。屋根は天候の影響を受けやすい場所でもありますので日々のメンテナンスに気をつけることが大切です。

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「個人賠償責任保険」で他人への損害に備える

マンションやアパートの上層階に住んでいるような人は、豪雨による冠水で損害を受けるような水災のリスクは低くなりますが、漏水や水漏れのリスクは高くなります。戸建ての場合は、1階に水回りが集中していることが多いうえに自分たちしか住んでいませんが、マンションやアパートのような集合住宅は多くの部屋で設備を共有しています。そのため、自分の部屋の水漏れが下階の部屋に損害を与えてしまうような事故が起こる事があります。そうした場合、その部屋の住人から損害賠償を求められるような事もあります。そのような事故では火災保険の特約などで契約できる個人賠償責任特約で補償を受けることができます。

個人賠償責任特約とは、日常生活において契約者自身またはご家族の方が他人にケガをさせてしまったり他人のものを壊してしまったりして法律上の損害賠償責任を負った場合に備える保険です。水漏れで損害を与えてしまったというような場合以外でも、自転車に乗っていて歩行者にぶつかってケガをさせてしまった場合や飼い犬の散歩中に犬が他人を噛んでケガをさせてしまった場合、買い物中にガラス製品を落として壊してしまい弁償する必要が生じた場合などに補償を受けられます。補償される範囲が幅広く、あると便利な補償だといえるでしょう。

個人賠償責任特約で注意が必要なのが重複して契約してしまいやすいということです。火災保険の特約以外でも自動車保険や傷害保険の特約として契約できたりクレジットカードに付帯することができたりします。そして、複数の個人賠償責任特約を契約していても補償を受けられるのは実際の損害額までです。損害額の2倍、3倍と多く受け取れるわけではないので、重複して加入していると保険料の無駄となってしまいます。どれか1つに絞る場合は示談交渉サービスがついているものや保険金額が大きいものを優先して残すとよいでしょう。

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津波による被害は地震保険で備える

自然災害による被害の中で地震による損害は火災保険で補償を受ける事が出来ません。そのため地震が原因で起こる津波で受けた損害は、火災保険の「水災」に契約があっても補償対象外です。地震による損害に備えるためには、地震保険に契約しましょう。地震保険は「地震・噴火またはこれらによる津波を原因とする火災、損壊、埋没または流出による建物や家財の損害」の補償を受けられる保険のため津波による損害も地震保険で補償を受けられます。地震保険は、火災保険とセットで契約します。国と民間が共同で運営する保険のためどこの保険会社で契約しても補償内容や保険料は変わりません。地震保険の契約は、補償内容を確認し必要かどうかを判断するとよいでしょう。

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住宅への「水」による被害への補償は原因によって違う

火災保険は住宅に起こるさまざまな損害を幅広く補償する保険です。火災だけでなく自然災害により受けた損害も対象です。住宅が水によって受ける損害では、給排水設備の故障による水漏れ被害から台風や豪雨などの自然災害が原因で起こる住宅浸水被害や土砂災害、地震が原因で起こる津波による損害など多岐にわたります。

自宅の給排水管設備の故障が原因で起こった水漏れによる水濡れ損害であれば、火災保険の「水濡れ」補償、台風や豪雨が原因で起こる住宅浸水被害であれば「水災」補償で補償を受ける事ができます。ただし、地震が原因で起こる津波被害の補償を受けるためには、地震保険の契約が必要になります。「水」による被害で住宅に損害が出た場合でも、原因が何かということが重要になります。火災保険の「水災」補償はどういうときに受けられるのか、「水漏れ」補償はどういうときに受けられるのか、という事を理解しておきましょう。

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「保険(Insurance)」とインターネット「ウェブ(Web)」の融合から、サイト名『インズウェブ(InsWeb)』が誕生しました。自動車保険の見積もりを中心として2000年からサービスを提供しています。現在の運営会社はSBIホールディングス株式会社となり、公正かつ中立的な立場で自動車保険のみならず火災保険に関する様々なお役立ち情報も提供しています。

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