火災保険は火災の時だけでなく、様々な自然災害によって損害を受けた場合にも利用することができます。積もった雪の重みで屋根が損害した場合や落雪で壁や塀が壊れた場合も火災保険を利用できる場合があります。どのような場合に火災保険が利用できるのか紹介します。
目次
雪害・雪災とは?
火災保険でいう雪害・雪災とは、豪雪時の雪の重み・落下等による事故や雪崩などを指しており、比較的短期間に多量の降雪があった場合に発生する雪の被害をいいます。
一般的には、雪に起因する自然災害が一定の地域で同時多発的に発生し、その地域における通常の備えでは回避できなかったような被害を雪害・雪災とされています。
補償される条件
1.「建物」「家財」「建物・家財」のいずれかに含まれている。
火災保険は「建物」「家財」「建物・家財」のいずれかの補償を選択できます。例えば、屋根が外壁など建物が雪害に遭った場合は、火災保険に建物の補償が付保されている必要があります。火災保険で補償を受けるには、被害に遭った対象物が含まれる「建物」or「家財」or「建物・家財」を補償範囲とした契約内容であることが必要です。
2.豪雪による雪の重みや雪の落下などによる事故。
上記でお伝えしたとおり、雪害・雪災とは豪雪による雪の重みや雪の落下、雪崩などによる事故が該当します。単なる雪の吹き込み、融雪水などの浸み込みあるいは漏入による損害は雪害・雪災には該当せず、補償されません。
雪害・雪災で保険金が支払われる事例
火災保険に風災・雹災・雪災補償を付けていれば、以下のような建物が被害にあった時に火災保険で補償を受けることができます。雨樋・カーポート・屋根・外壁など、建物の補償に含まれている物であれば、その他自宅アンテナ、エアコンの室外機、シャツターボックス、サンルームの屋根なども該当します。
屋根・カーポート
- 積雪により物置の屋根が崩落した。
- 2階屋根からの落雪にてカーポートが破損した。
- 雪の重みによって屋根瓦・ストレートが破損した。
雨どい
- 大雪の被害により雨樋が破損した。
- 屋根雪により雨樋とエアコンの室外機が破損した。
外壁
- 隣の空き家の屋根からの落雪により外壁が破損した。
- 雪の被害で自宅2階部分の外壁3枚程損傷した。
煙突
- 煙突が雪で押されて変形した。
- 積雪により集合煙突が破損し、軒先も破損した。
その他
- 屋根からの落雪で給湯器が破損した。
- 積雪により自宅アンテナが破損した。
- 大雪により、門と塀が破損した。
- 雪害により灯油タンクが破損した。
- 雪の重みで樋とオーニング(物干しの屋根)が壊れた。
雪害・雪災で保険金が支払われない事例
雪害・雪災で補償を受けられない事例についても紹介します。どのような場合は保険金が支払われないのかも把握しておきましょう。
- 雨どいの経年劣化
- 屋根からの落雪により隣家の外壁に損害を与えた
- 雪害や雪災ではなく、融雪水の漏入や融雪水による建物表面が劣化する凍害など事故性を欠くもの
- 雪解け水による雨漏り
- 融雪洪水
以下、具体的に説明していきます。
経年劣化の場合
ポイント
雪の重みや落雪ではなく、時間の経過と共に徐々に進行して生じる凍害や、雨樋の熱変形など経年劣化による損害と判断された場合は保険金が支払われません。
落雪で隣家に損害を与えてしまった場合
ポイント
自然災害による損害は不可抗力によるものであり、過失を問われることはなく、原則法律上の賠償責任は発生しません。したがって、屋根からの落雪によって隣家に損害を与えても賠償責任はありません。
しかし、その損害を予見できたにも関わらず、発生を防止することを怠った場合は、「過失」が認められ賠償責任が発生してしまうことがあります。その際の隣家への賠償については、個人賠償責任保険で補償を受けることになります。個人賠償責任保険は火災保険や自動車保険の特約でつけることができます。
雪解け水による漏入もしくは凍結
ポイント
積雪を原因としたものではなく雪解け水による浸み込み、漏入や凍結は、徐々に進行するものであり、急激性・突発性がないことからも火災保険では対象外とされています。なお、保険の対象となる建物の外部が雪災によって破損するに伴い、その破損部分から建物内部に浸み込み漏入することによって生じた損害については、雪災に該当しお支払いの対象となります。
雪解け水によって引き起こされる洪水、いわゆる融雪洪水については、水災リスクで補償されます。
いくら受け取れる?
火災保険が適用になった場合支払われる保険金額は、損害額-自己負担額となります。
例えば、免責金額を10万円と設定した契約内容で、雨樋の修理費用が20万円であった場合、20万円ー10万円となり、支払われる保険金額は10万円となります。
しかしながら、部分修理となり修理金額が3~5万円であった場合、免責金額以下であることから、火災保険は適用にならず修理金額全額を自己負担となります。
自己負担金額については、0円、5千円、3万円、5万円、10万円、20万円から選択できる火災保険であったりと保険会社ごとに設定金額や選び方は異なります。免責金額によって保険料も変わりますので、比較の際の参考にするとよいでしょう。
請求期限は?
保険法により保険金請求の時効は支払事由が発生してから3年と定められています。
忙しいから後で請求しようと思っていて、そのまま忘れて3年が経過してしまうと保険金の請求ができなくなってしまいます。年数が経ってしまうと、原因の特定が難しくなり認定もされにくくなってしまうことがありますので、損傷に気が付いたら早めに請求するようにしましょう。
火災保険の見直しには一括見積もり
風災・雹災・雪災の補償がついている火災保険であっても、対象となる「建物」「家財」「建物+家財」のいずれかの補償が付いていないと補償されません。特に、雪の多い地域にお住まいの方は、建物の補償があると安心です。今一度確認をしてみて、この機会に見直したい場合は、火災保険一括見積もりサービスを利用してみましょう。1回の情報入力で複数の保険会社から見積もりを取ることができます。
現在の保険会社で契約を変更する場合と他の保険会社で契約する場合とで保険料はどちらが安いのか、補償内容やその他サービスなどが満足いくのはどちらか、など気になる点を比較して契約する保険会社を決めましょう。

著者情報
堀田 健太
東京大学経済学部金融学科を卒業後、2015年にSBIホールディングス株式会社に入社、インズウェブ事業部に配属。以後、一貫して保険に関する業務にかかわる。年間で100本近くの保険に関するコンテンツを制作中。




