自転車の盗難は、5分に1件起こると言われており、日本で最も多い犯罪です。
中には、クロスバイクや電動機付き自転車など数十万を超えてくる高額なモデルも被害に遭うケースもあります。身近な日常に潜んでいる自転車の盗難被害に遭ったときに、火災保険を使うことはできるのでしょうか。
目次
自転車盗難の実態
日本の自転車盗難件数
令和3年における自転車の盗難届件数は、年間10万件ほどとなっています。要するに、一日あたり250件以上の自転車の盗難被害が起こっているということです。
また、そのなかでも犯人を特定できた割合は7.9%となっているため、自転車を盗難されてしまったら、持ち主のもとへ戻ってくる可能性は10人に1人にも満たず、非常に可能性が低いことが分かります。
※参考:警察庁 犯罪統計資料令和3年
盗難が増加する季節
盗難は、春から夏に向けその件数が増えていくといわれています。理由としては、新生活をスタートさせる人が多いことなどから自転車を購入する人が増えることや、日が長く気候が暖かくなることで自転車利用率が増えると同時に、盗む側も外での活動が活発になることが原因だと考えられます。
火災保険は使用することができるのか
自転車の盗難は、日常の身近なところにあるということが分かりました。では、実際に盗難被害に遭ってしまった場合、火災保険を適用することができるのでしょうか。
盗難された場所による
自転車が盗難されてしまった場合、火災保険の”家財”の補償で「盗難補償」をつけていれば補償対象となる可能性があります。補償対象となるか否かで重要なのが、盗難時に自転車がどこにあったかということです。
自宅の敷地内や軒先、または指定駐輪場に収容・管理されている状態から盗まれてしまったという場合は補償の対象となる可能性があります。一方で、駅の駐輪場やスーパーの駐輪場、自宅の塀の前など自宅敷地外で盗まれてしまった場合は補償対象外となってしまうでしょう。
POINT
請求する時の流れ
自転車が盗難されてしまった場合、まずは盗難届を警察へ提出しましょう。その後保険会社へ盗難にあった旨を連絡すると、後日必要書類が届くので、必要事項を記入して提出します。提出後は、保険会社による被害状況の調査が行われ、問題がなければ指定口座に保険金が入金されます。
こんなケースでも適用になる?
原付やバイクの盗難時は?
バイクや原付の盗難に対してはどうなるのかというと、原付(総排気量125cc以下)は火災保険の対象となりますが、バイク(総排気量125cc超)は火災保険の対象とはなりません。バイクについてはバイク盗難保険などで備えましょう。
一部のパーツだけ盗まれたら?
昨今、電動機付き自転車のパーツだけを盗難したり、クロスバイクのオプションアイテムだけを盗難したりなど、パーツだけの盗難が増えてきています。これは、気軽に転売できるサイトの普及が影響しているようです。万が一自転車のパーツの一部のみ盗難されてしまった場合、火災保険が適用できるかどうかは保険会社の規定によりますが、補償してくれる保険会社もあるようです。自身が加入している火災保険の会社に、適用条件を確認しておくことをオススメします。
自分の施錠忘れで盗まれてしまったら?
保険会社にもよりますが、自身の施錠忘れで盗難被害へと至ってしまった場合には、基本的には支払いとならないケースが多いようです。警視庁の報告によると、東京で盗まれた自転車のうち、施錠がされていなかった自転車は半数以上に上るようなので、気を付けなければなりません。
補償が下りた後に自転車が見つかったら?
火災保険がおりた後に”自転車が見つかった”という報告を受けた場合は、すみやかに保険会社に連絡をするようにしましょう。なぜなら、保険金を受け取ったことで、盗まれた自転車の所有権が保険会社に移ってしまっているからです。よって、基本的には保険会社に自転車を渡すことになります。
POINT
自転車盗難を避けるためにするべきこと
必ず鍵をかける
当たり前のことですが、自転車盗難の防止には”忘れずに施錠する”ということが最も重要です。可能であれば、メイン錠に加え補助になる鍵をもう1つ使用したり、近くの支柱等にまきつけて施錠できる鍵などを使用するとなおさら安心です。
自宅敷地内でも工夫
たとえ自宅敷地内に置いていたとしても、気は抜けません。自転車はなるべく室内に置くことをおすすめしますが、屋外に置くならば門内でも施錠をしたり、簡易的な監視カメラを設置すると安心です。
駐輪する場所に注意
人が集まりやすい公共の場や商業施設、街中の駐輪場では、自転車の盗難が多発します。施設管理者の目に届く場所や、監視カメラのある場所に駐輪することを意識してみましょう。
ちょっとした時間であっても路上に停車するなどは危険なので、できるだけ駐輪場を利用するようにしましょう。
まとめ
自転車盗難は、日常の身近なところに潜んでいます。状況によっては火災保険が適用される可能性もありますが、普段から盗難被害に遭わないよう意識して生活することも大切です。
また、万が一盗難被害に遭った時に慌てないよう、日ごろから補償内容の確認や火災保険会社自体の見直し等を行うことをおすすめします。
火災保険の見直しには、一括見積もりサービスを利用することをおすすめします。一度の情報の入力で複数の保険会社の見積もりを取ることができるので、各保険会社の保険料やサービスの比較を簡易に行うことができます。