地震保険は火災保険とセットで契約します。保険金額は、火災保険の保険金額の30%~50%の範囲内で決定し、建物の上限は5,000万円、家財の上限は1,000万円までです。
地震による損害は、火災保険とセットで契約する地震保険の契約がなければ補償されません。地震保険の契約でも建物と家財それぞれで契約する必要があります。
目次
家財の補償範囲(地震保険)
家財を保険の対象として契約している場合は、地震・噴火またはこれらにより発生した津波が原因で家財が損害を受けた場合に補償されます。しかし、一定基準の条件に達した場合の補償となりますので確認しておきましょう。
保険の対象となる家財
地震保険で家財が保険の対象となっている場合、対象となる家財は住居用建物に収容されている家財となります。テレビや食器棚、冷蔵庫、机やベッドなどの家具類や衣類や食器類などとなります。ただし、補償外となってしまうものもあるので注意しましょう。
保険の対象とならない主なもの
- 1個または1組あたり30万円を超える宝石や美術品等
- 営業用設備・什器などの物品
- 通貨・有価証券・預貯金証書・印紙・切手など
- 自動車(自動車は家財に含まれません)
地震保険の損害基準や保険金支払額(家財)
2017年1月1日以降始期契約の場合
損害基準 | 保険金支払額 | |
---|---|---|
全損 | 損害額が家財全体の時価の80%以上 | 家財の地震保険の保険金額の全額(時価額が限度) |
大半損 | 損害額が家財全体の時価の60%以上80%未満 | 家財の地震保険の保険金額の60%(時価額の60%が限度) |
小半損 | 損害額が家財全体の時価の30%以上60%未満 | 家財の地震保険の保険金額の30%(時価額の30%が限度) |
一部損 | 損害額が家財全体の時価の10%以上30%未満 | 家財の地震保険の保険金額の5%(時価額の5%が限度) |
2016年12月31日以前始期契約の場合
損害基準 | 保険金支払額 | |
---|---|---|
全損 | 損害額が家財全体の時価の80%以上 | 家財の地震保険の保険金額の全額(時価額が限度) |
半損 | 損害額が家財全体の時価の30%以上80%未満 | 家財の地震保険の保険金額の50%(時価額の50%が限度) |
一部損 | 損害額が家財全体の時価の10%以上30%未満 | 家財の地震保険の保険金額の5%(時価額の5%が限度) |
地震保険の保険金額と限度額
地震保険の保険金額は、火災保険の保険金額の30%~50%の範囲内で決定し、建物の上限は5,000万円、家財の上限は1,000万円までです。
家財の保険金額 | |
---|---|
地震保険の保険金額の範囲 | 火災保険(家財の分)の30~50% |
限度額 | 1,000万円 |
火災保険 家財1,000万円の場合 | 300~500万円で設定 |
保険金が支払われない主な場合
- 地震の発生日から10日以上経過後に生じた損害
- 地震等の際の紛失・盗難の場合
- 損害の範囲が一部損にあたらない場合
地震によって自宅の食器棚の食器が数枚割れてしまった場合や、テレビなどの電化製品が壊れてしまった場合では、家財の損害が「一部損(家財全体の時価の10%以上となる損害)」に該当しなければ補償外となります。
家財の査定方法
家財は大きく5分類されて種類ごとに決められた構成割合によって計算され、どれくらいの損害であるかを判定します。家財の損害を品目ごとに加算していきその合計で判断します。
分類 | 代表品目 | 1品目 | 最大 | |
---|---|---|---|---|
1 | 食器陶器類 | 食器・陶器置物・食料品・調理器具など | 1% | 5% |
2 | 電気器具類 | 冷蔵庫・洗濯機・パソコン・TV・エアコンなど | 2.5% | 20% |
3 | 家具類 | 食器棚・タンス・机・椅子・ソファーなど | 4% | 20% |
4 | その他身の回り品 | カメラ・靴・鞄・スポーツ用品・レジャー用品など | 2.5% | 25% |
5 | 衣類寝具類 | 衣類・寝具など | 15% | 30% |
査定の計算方法
例:地震によって、テレビ1台とパソコン1台、冷蔵庫が壊れ、タンスが倒れて壊れてしまった場合
テレビ、パソコン、冷蔵庫(2.5%×3)+ タンス(4%×1)= 11.5%
この場合では、11.5%の損害となりますので一部損の扱いで補償対象となります。分類された家財で最大比率が決まっているため地震による揺れで食器陶器類だけの損害の場合は補償対象外となってしまいます。
地震が原因で家財に損害を受けた場合は、状態の写真を撮っておくとベストです。保険会社に補償の請求をする際の証拠にもなります。地震が落ち着いて、安全を確認し、スマートフォンなどで写真が撮れるようであれば状況を写真に残しておきましょう。
生活再建の備えに役立てよう
火災保険の契約で住宅トラブルに関する備えが万全でも、地震が原因による損害には対応できません。地震による損害には建物、家財それぞれ火災保険にセットで契約する地震保険で備える事が必要です。
日本は地震大国で地震のニュースを耳にすることも多くあります。建物に被害が及ばなくても住居の揺れによって家財に損害が出てしまうような事もあるでしょう。近年では家具の転倒防止グッズなども手軽に購入できるようになっていますが、家電などの電化製品が多く被害にあってしまった場合、新しく買い換えるなどの出費は、経済的に大きな負担となってしまいます。そんな場合に、地震保険で家財の補償があれば安心でしょう。一定以上の条件での補償となりますが、いつくるか分からない大きな地震の備えとして地震保険に家財の備えもあると安心です。
地震保険は建物、家財どちらの損害の補償においても、受け取った保険金の使い道は自由です。地震が原因で、建物や家財に損害が生じても、早く元の生活に戻れるように生活再建の備えとして契約するかどうか家族としっかり話し合って決めるとよいでしょう。