火災保険の基礎知識

水道管修理費用は火災保険で補償できる?

投稿日:2020年11月5日 更新日:

地域によっては季節によって水道管が凍結し破損してしまうようなことがあったり、古くなった水道管が破損してしまったりした場合に素人が自分で修理を行うのは困難です。自宅の水道管トラブルで専門の業者に修理依頼を行うと修理費用は火災保険で補償してもらえるのでしょうか。

水道管の修理費用は火災保険の補償対象外

火災保険では、水道管(給水管)や排水管などの給排水管のトラブルによって水漏れの被害があり、給排水設備の修理が必要となっても給排水設備そのものの修理費用は補償の対象外です。

次項で詳しく説明しますが、火災保険では、給排水管設備のトラブルで水が漏れ出したことなどで起こった被害は、火災保険の「水濡れ」補償によって生じた損害が補償されます。しかし、事故の原因となった給排水設備自体の修理代は補償対象外となることは覚えておきましょう。

凍結による水道管の破裂などは、火災保険の「破裂・爆発」補償で補償を受けられるのではないかと考える方もいるかもしれません。しかし、「破裂・爆発」補償は、「気体または蒸気の急激な膨張を伴う破壊またはその現象」となり、ガス爆発などを想定した補償となっています。したがって、水道管の破裂による損害は「破裂・爆発」補償では適用外です。

住宅の給排水管設備は目につきづらい場所に設置されていることもあり気づかないうちに問題を抱えていたり老朽化が進んでいたりします。水漏れは住宅への影響も大きい損害になってしまう可能性があるので、点検やメンテナンス、清掃は定期的に行いましょう。

水道管凍結修理費用保険金

給排水管設備の故障は火災保険の補償対象外となりますが、保険会社によっては「水道管凍結修理費用保険金」などの費用保険金がある保険会社もあります。水道管凍結修理費用保険金は、建物の専用水道管が凍結によって破損を受け、これを修理するときの費用が実費で支払われます。1事故あたり10万円などの限度額が設けられています。

火災保険の補償内容を確認しておこう!

火災保険はその名前から火災の時のための保険と思ってしまいがちですが、火災のみではなく自然災害をはじめとしたさまざまな住宅に対する損害の補償を受けることができる保険です。火災保険の一般的な補償内容は下記の通りです。

給排水管設備の事故による水漏れ被害で床や壁、電化製品が損害を受けてしまった、というような場合には、火災保険の「水濡れ」補償で補償を受けられます。ただし、住宅火災保険に契約している場合、「水濡れ」補償に契約していない場合は、補償対象外のため注意しましょう。

住宅火災保険住宅総合保険内容
火災失火・延焼・ボヤなどの火災の損害に対応
落雷落雷による損害を補償
破裂・爆発ガス漏れ等による破損・爆発の損害を補償
風災・雪災・雹災風災・雪災・雹災の損害を補償
水災台風や豪雨等による洪水等の水災の損害を補償
水濡れ・飛来排水管の故障による水濡れ損害や飛んできたボールによる損害などを補償
騒擾・集団行動等に伴う暴力行為集団行動などに伴う暴力行為・破壊行為による損害を補償
盗難盗難による盗取・汚損などの損害を補償
不測かつ突発的な事故子どもが室内でボールを投げ、窓ガラスが破損してしまった等の損害を補償

水道管の故障による「水漏れ」被害は火災保険で補償!

火災保険の「水濡れ」補償とは、自宅の給排水管設備の事故や他人の戸室で生じた事故に伴う漏水などによる水漏れで住宅に損害を受けた時に保険金を受け取れる補償です。「水濡れ」補償は、自然災害を原因としない偶然の事故により水漏れを起こして床が水浸しとになったという場合、水に濡れた床や壁の修繕費用や水に浸かって故障してしまった家電の修理費用などを補償します。自分の故意や不注意が原因で起こった損害や経年劣化による損害の場合は補償されません。

「水濡れ」による損害の例

  • 天井裏の水道管が破損し水濡れ損害が発生した
  • 給排水管が破裂し室内が水浸しとなり、保険の対象が損傷してしまった
  • マンションなど、受けの部屋の水漏れにより発生した被害

集合住宅で水道管設備が故障したら?

マンションやアパートなどの集合住宅では、配管設備は繋がっており、どこからどこまでが自分の責任で管理しなければいけない部分なのかという判断は難しいです。マンションやアパートに住む人は確認しておきましょう。

専有部分と共有部分の責任について

マンションやアパートの場合は専有部分で起きた水漏れ被害はその部屋を所有する人の責任として修理や被害の負担、対応をしなければなりません。共有部分においては管理組合の管理となります。集合住宅において床下の目に見えない部分の配管は専有部分として解釈されてきました。しかし、床下の配管が原因での水漏れの事故について「下階天井裏の配管は上階の専有部分ではない」という判例が出たこともあります。そのため、床下の目に見えない配管についての扱いはマンションごとの「標準管理規約」に定められている規約によることになりますので確認しておくとよいでしょう。

賃貸でマンションやアパートを借りている場合

賃貸で給排水設備などからの水漏れ発生による損害は、不動産会社や管理会社や大家さんに相談しましょう。経年劣化が原因であれば、管理側が修理費用を負担することになります。賃貸物件の場合は、入居時に何らかの保険に契約している場合が多いです。他人の部屋に被害が及んでしまった場合の補償について確認してみましょう。賃貸物件で契約している保険に「個人賠償責任保険」が付帯されているかどうかを確認しておくと安心です。

自分の過失で自分の部屋の床に被害が出てしまった場合などは、自己判断で修理したりせずに不動産会社や管理会社や大家さんに報告しましょう。修理費用を請求された場合は、「借家人賠償責任保険」の契約があれば「借家人賠償責任保険」で大家さんに賠償することができます。

個人賠償責任保険とは

個人賠償責任保険とは、日常生活における偶然の事故により他人にケガをさせてしまったり、他人がもっているものを壊してしまい法律上の損害賠償責任を負った場合に備える保険です。

集合住宅での水濡れトラブル

マンションやアパートなどの集合住宅で、「排水管が壊れて水が漏れており、床が水浸しになっていた」「上の階の水漏れが原因で家具や床に被害を受けた」などの集合住宅であるが故のトラブルに対応する保険について解説します。集合住宅での水漏れ被害ではどのような場合にどのような保険が適用になるのか確認しておきましょう。

自分の部屋が水漏れを起こしていた時の補償

留守中に自宅の給排水管から水漏れが起きていたなどの場合の補償について確認しておきましょう。水漏れの損害は火災保険の「水濡れ」の補償で保険金を受け取れる場合があります。

自分の部屋の床や壁が水漏れで水浸しになった場合

自分の部屋(専有部分)の床や壁に水漏れによる損害があった場合は、火災保険の「水濡れ」補償の契約があれば、床や壁の張り替え費用や修理費用を保険金として受け取る事ができます。ただし、水道の蛇口を閉め忘れていたなど自分に過失があった場合の水濡れ被害は補償対象外です。あくまでも「偶発かつ突発的」な事故によって起きた水濡れ被害に限り補償を受けることができます。家財が水濡れによって使えなくなってしまった、などの場合には、「家財」の補償の契約が必要になりますので注意しましょう。

自分の部屋の水漏れが他人の部屋にまで損害を与えてしまった場合

自分の部屋(専有部分)の水漏れが他人の部屋にまで及んでしまい、他人の部屋の天井や壁、家具などに損害を与えてしまった場合は、「個人賠償責任保険」で賠償をする事ができます。「個人賠償責任保険」は、火災保険の特約で契約する事ができる保険です。他人の部屋に損害が及んでしまった場合の賠償に備えて「個人賠償責任保険」に契約しておくと安心です。個人賠償責任保険は、自動車保険などでも付帯する事ができる保険のため重複契約に注意しましょう。

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自分の部屋が上階などの水漏れで被害を受けた時の補償

上階からの水漏れの被害で自分の家の天井や壁が被害にあってしまった場合は、水漏れが起こっている部屋(専有部分)の住人に被害の賠償を求める事ができます。しかし、集合住宅などの場合は、同じ建物に住む住人同士となります。今後の住環境を考えて自分から「損害賠償の請求」といったようなトラブルを招くような大ごとは避けたいと考える事もあるでしょう。水漏れが発生している部屋に損害賠償請求をする事もできますが、自分の火災保険に「水濡れ」補償があれば自分の保険で修理する事ができるので、保険の準備があると安心です。

他人の部屋からの水漏れが原因で自分の部屋に損害が出てしまった場合は、経年劣化や蛇口の閉め忘れなどの他人の部屋の住人の過失が原因であっても、自分の契約している火災保険の「水濡れ」補償で保険金を受け取る事ができます。ただし、自分の保険で被害の補償する場合で家具にも損害が及んでしまった場合は「家財」も補償対象である必要があります。

賃貸でマンションやアパートを借りている場合

他の住居からの水漏れの被害を発見したら、不動産屋や管理会社や大家さんに連絡しましょう。同じマンションやアパートの住人同士のみで修理業者の手配や損害賠償の話し合いを行うとトラブルとなってしまう事もあるため、不動産屋や管理会社、大家さんが仲介に入る方が安心です。

まとめ

トイレやキッチン、お風呂、洗面所などの水回りは使用頻度が高いからこそトラブルが発生しやすい場所です。水のトラブルで住宅の給排水管設備の修理が必要となった場合、火災保険では給排水管設備の修理費用は補償されません。水回りは清潔に保たれている方が気持ちがいいものですし、水のトラブルが起きないようにするためにも、給排水管設備の点検、清掃、メンテナンスなどは定期的に行うようにしましょう。「偶然かつ突発的な事故」により給排水管設備から水漏れが起こっており床や壁、家財が水濡れの損害を受けた場合には、火災保険の「水濡れ」補償で保険金を受けることができます。自分の加入する火災保険の補償内容を把握し、補償内容が十分足りているか定期的に見直しを行うとよいでしょう。

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