地震保険の基礎知識

地震保険の改定(2019年1月)で保険料が値上げ!変更点は?

投稿日:2019年3月8日 更新日:

2022年10月に地震保険が改定されました。よってこの記事の情報は一部古い可能性があります。最新の情報は以下の記事リンクをご確認ください。

【2022年10月】地震保険の改定!変更点は?
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地震保険改定の背景

20191月の地震保険の改定は、地震保険の基礎データの1つである震源モデルが東日本大震災を踏まえて見直されたことにより実施されるものです。モデルの見直しにより保険料を計算するのに使う基本料率の大幅な引き上げが必要となり、3段階に分けて引き上げを行うこととなっています。20191月の改定は2回目の値上げに当たります。1回目については20171月に実施されて、全国平均で+5.1%の料率引き上げが行われました。

改定による変更点

20191月の改定での変更点は以下の通りです。

改定での変更点

  • 基本料率の見直し
  • 長期係数(1年超の契約において、保険料を一括で払う場合の割引率)の見直し
  • 割引確認資料の拡大

それぞれの変更点について、順に紹介します。

基本料率の見直し

地震保険の基本料率が見直され、多くの都道府県で値上げとなりました。しかし、一部の道府県では値下げとなっています。改定前後の年間保険料例は以下の表の通りです。

改定前後の年間保険料例(保険期間1年、地震保険金額1,000万円あたり、割引適用なし)

都道府県イ構造※1ロ構造※2
保険料改定額改定率保険料改定額改定率
改定前改定後改定前改定後
岩手、秋田、山形、栃木、
群馬、富山、石川、福井、
長野、滋賀、鳥取、島根、
岡山、広島、山口、福岡、
佐賀、長崎、熊本、鹿児島
6,800円7,100円+300円+4.4%11,400円11,600円+200円+1.8%
北海道、青森、新潟、岐阜、
京都、兵庫、奈良
8,100円7,800円▲300円▲3.7%15,300円13,500円▲1,800円▲11.8%
福島7,400円8,500円+1,100円+14.9%14,900円17,000円+2,100円+14.1%
宮城、山梨、香川、大分、
宮崎、沖縄
9,500円10,700円+1,200円+12.6%18,400円19,700円+1,300円+7.1%
愛媛12,000円12,000円0円0%23,800円22,400円▲1,400円▲5.9%
大阪13,200円12,600円▲600円▲4.5%23,800円22,400円▲1,400円▲5.9%
愛知、三重、和歌山17,100円14,400円▲2,700円▲15.8%28,900円24,700円▲4,200円▲14.5%
茨城13,500円15,500円+2,000円+14.8%27,900円32,000円+4,100円+14.7%
埼玉15,600円17,800円+2,200円+14.1%27,900円32,000円+4,100円+14.7%
徳島、高知13,500円15,500円+2,000円+14.8%31,900円36,500円+4,600円+14.4%
千葉、東京、神奈川、静岡22,500円25,000円+2,500円+11.1%36,300円38,900円+2,600円+7.2%

1 イ構造:主としてコンクリート造、鉄骨造の建物
2 ロ構造:主として木造の建物(ただし、経過措置の保険料は異なります)
出典:日本損害保険協会

もともと保険料が高かった千葉県、東京都、神奈川県、静岡県はさらに高くなりました。今回の改定で一番値上がり率が高かったのは福島県でしたが、元の保険料が少なかったので値上げ後でも安い部類で、千葉県、東京都、神奈川県、静岡県の半額以下です。

長期係数の見直し

地震保険は火災保険と同じように保険期間を2年~5年の長期にして、保険料を一括で支払うと保険料が安くなります。その時の計算に用いるのが長期係数です。3年以上の長期係数も見直され、値上げ(割引率の縮小)となっています。

改定前後の長期係数

保険期間2年3年4年5年
長期係数改定前1.902.753.604.45
改定後1.902.803.704.60
改定率0%+1.8%+2.8%+3.4%

出典:日本損害保険協会

地震保険料の算出方法

保険料=保険金額×基準料率
基準料率=基本料率×(1-割引率)×長期係数

割引確認資料の拡大

地震保険には10%50%の割引を受けられる割引制度がありますが、その適用を受けるには適用条件を満たすことを確認できる資料の提出が必要です。その確認資料が拡大され、割引の適用が受けやすくなりました。

対象の割引制度改定後の取扱い
免震建築物割引
耐震等級割引
耐震診断割引
建築年割引
保険会社から契約者あてに発行する満期案内書類および契約内容確認のお知らせも、更新前のご契約または現在のご契約に各種割引が適用されていることを確認できるものであれば、確認資料とすることができます。
建築年割引公的機関以外が発行する資料として、宅地建物取引業者が発行する不動産売買契約書や賃貸住宅契約書、建築工事施工者が交付する工事完了引渡証明書(建物引渡証明書)も、所定の項目を確認できる場合には、確認資料とすることができます。

出典:日本損害保険協会

今後も値上げが予想される

20191月に多くの地域で地震保険料の値上げとなりましたが、3段階で行われる料率改定の2回目です。時期は未定(2021年1月適用の見通し)ながらも3回目の料率改定が控えていて、その改定でも多くの都道府県で保険料が値上げとなります。

値上げ
地震保険料が値上げへ!基本料率が平均5.1%引き上げに
この記事は2019年の情報です。2022年10月に再度地震保険の改定が行われているため、一部情報が古い可能性があります。最新の改定内容は以下の記事リンクをご確認 ...

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地震保険の保険料を抑えるためにも5年などの長期契約で契約しておくのもよいでしょう。20191月改定後の長期係数の場合、5年契約は1年契約を5年繰り返すよりも8%保険料が安くなります。

割引
地震保険料を安くするなら割引制度と保険期間を確認しよう
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堀田健太

著者情報

堀田 健太
東京大学経済学部金融学科を卒業後、2015年にSBIホールディングス株式会社に入社、インズウェブ事業部に配属。以後、一貫して保険に関する業務にかかわる。年間で100本近くの保険に関するコンテンツを制作中。

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「保険(Insurance)」とインターネット「ウェブ(Web)」の融合から、サイト名『インズウェブ(InsWeb)』が誕生しました。自動車保険の見積もりを中心として2000年からサービスを提供しています。現在の運営会社はSBIホールディングス株式会社となり、公正かつ中立的な立場で自動車保険のみならず火災保険に関する様々なお役立ち情報も提供しています。

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