自宅が火災や自然災害の被害にあってしまった場合、火災保険に加入していれば保険金を請求して修理費用や再購入費用などに充てることができます。その火災保険の請求の際には損害が発生した場所の写真が必要となります。どのように撮るのが良いのでしょうか。
保険金請求に写真が必要
火災保険の保険金の請求を行う場合、損害箇所の写真を求められることがあります。保険会社としても、どの個所にどの程度の損害が発生したかという証拠もなしに請求のまま保険金を支払っていたら詐欺を防ぐこともできないので当然ともいえます。被害を受けた証拠として家全体や損害箇所などの写真を複数枚撮っておきましょう。
火災保険請求の流れ
損害が発生した後、どのように保険金の請求を行うのかその流れを説明します。
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1保険会社に連絡
まず、契約する保険会社に損害を受けたことを連絡してください。契約者氏名、保険証券番号、事故内容、被害状況などを伝えることとなります。
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2保険会社から必要書類等が送られてくる
保険会社に連絡すると、保険金の請求に必要な書類や案内が送られてきます。内容をしっかりと確認するようにしましょう。
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3保険会社に必要書類の提出
保険会社からの案内に従って必要な書類を用意して保険会社に書類を提出しましょう。保険会社指定の保険金請求書、修理費用の見積書、被害の状況がわかる写真などが必要となります。
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4保険会社による鑑定人の調査
鑑定人が被害状況の確認・調査を行います。調査結果と契約者からの申請書類などをもとに保険金の支払対象か審査を行い、支払われる保険金の金額が確定します。
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5保険金の入金
保険金の金額が確定したら、契約者指定の口座に保険金が支払われます。
どのような写真を撮ればいい?
写真を撮れと言われてもどのような写真を撮っていいのか迷うところはあると思います。保険金の請求に必要となる写真は、
- 表札や建物名がわかる看板など
- 被害を受けた建物や家財の全体を撮影した写真
- 損害を受けた個所の状況が確認できる写真
です。建物全体の写真や損害箇所の写真は複数枚、複数の角度からはっきりとした写真を撮るようにしましょう。写真は修理業者が撮ったものなど自身で撮ったもの以外でも大丈夫です。屋根の損害などでは自分で屋根に上って写真を撮るというのも危険なので修理業者に撮ってもらうのが良いでしょう。
保険金を受け取る前に片付けを始めてもいい?
安全上や防犯上の問題で被害を受けた場所の片づけや修理を早く行いたいという場合もあると思います。そうした場合は事前に写真を撮れば、片付けや修理に取り掛かってしまっても大丈夫です。なお、保険金の支払いは修理の見積書と写真からの判断となります。修理の見積額そのままの額で保険金が支払われないこともありますので注意してください。
悪徳業者に注意
住宅修理に関して悪徳な業者による被害報告が増えています。
一般社団法人 日本損害保険協会:住宅修理に関するトラブルにご注意
独立行政法人 国民生活センター:「保険金が使える」という住宅修理サービスの相談が増加!-解約料として保険金の50%を請求されたり、代金を前払いしたのに着工されないことも-
保険適用外となるような事例でも自己負担なしで修理できるといって契約を結ばせたり、契約後に保険適用外だと知ってキャンセルしようとしても高額なキャンセル費用を請求されたりするトラブルが発生しています。また、悪質な例では、「経年劣化では保険金が支払われないので台風のせいにしましょう」などと持ちかけるケースもあります。うその理由で保険金を請求しようとしても鑑定人による調査で老朽化か否かはわかりますし、うその理由での保険金請求は保険金詐欺に該当する恐れがあります。
修理業者が保険金を支払うわけでも支払対象になるか判断するわけでもないので、保険金が出るといわれても鵜呑みにしないようにしましょう。
まとめ
火災保険の保険金の請求には建物全体や被害箇所の写真が必要となります。火災や自然災害等で被害を受けて焦る気持ちはわかりますが、被害を受けたという証明にもなる写真ですので、被害の状況がはっきりとわかるように複数枚写真を撮っておきましょう。また、住宅修理において悪徳業者による被害も確認されていますので、怪しいと感じたらその場で契約してしまわずに保険会社や保険代理店に相談するようにしましょう。
著者情報
堀田 健太
東京大学経済学部金融学科を卒業後、2015年にSBIホールディングス株式会社に入社、インズウェブ事業部に配属。以後、一貫して保険に関する業務にかかわる。年間で100本近くの保険に関するコンテンツを制作中。