新築の一戸建てやマンションを購入した方で火災保険について悩んでいる方はいませんか?住宅という大きな買い物をしているので、できることなら保険料は安くしたいところです。不動産屋や銀行の窓口などで勧められた火災保険にそのまま契約するのではなく、自分で火災保険を選べば保険料を安くできるかもしれません。
新築住宅の火災保険の必要性
新築に限ったことではないのですが、火災保険に加入することで火災や自然災害で住宅に損害を受けた時に備えることができます。住宅は生活するうえで欠かせないもので、かつ購入費用も大きなものです。住宅ローンを借りているのなら、火災等で住宅を失った時に新しく立てるにしろ賃貸に住むにしろ住宅ローンと併せて二重に負担する必要が生じます。万が一に備えて火災保険に加入することは大切なことです。
また、自分では絶対に火災を起こさないと思っていても、隣家で出火した火災が延焼したり、自然災害の被害にあったりすることが考えられます。これらは自分だけがどれだけ気を付けていても防ぐことはできません。また、ある程度気を付けることもできますが放火されてしまう可能性もあります。
火災保険の加入のタイミング
新築住宅の場合、火災保険は引渡日から補償の効力が発生するように契約を進めましょう。つまりは引き渡しまでに火災保険に加入すればよいのですが、住宅購入時は保険以外にも様々な手続きや検討事項があるかと思います。あわてて決めることにならないよう、余裕をもって見積もりを取得するようにしましょう。
火災保険料を安くするには
火災保険の保険料を安く抑えるためにはどうすればよいのか、その方法を紹介します。
複数の保険会社を比較する
不動産会社や銀行の窓口などで紹介された保険会社にそのまま加入するのは楽ではありますが、同じ補償内容でも他の保険会社の方が安い可能性があります。保険会社各社に見積もりを請求して保険料を比較しましょう。
ただ、1社1社個別に見積もりを取るのは大変です。そこで、火災保険の一括見積もりサービスを利用しましょう。火災保険の一括見積もりサービスであれば、一度の情報入力で複数の保険会社の見積もりを請求することができます。もちろん利用は無料です。見積もりを取った保険会社と必ず契約しなければいけないということもないので、気軽に利用してみましょう。
契約期間を長くする
火災保険の契約期間は最長で10年です。以前は最長36年でしたが、2015年10月から最長10年になりました。1年契約にして毎年毎年契約を更新するよりも初めから10年契約したほうが保険料の総額が安くなります。
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不必要な補償は外す
火災保険に限ったことではありませんが、補償範囲を広くすれば保険料も高くなります。逆にいえば、不必要な補償を外せば保険料を安くすることができます。例えば、マンションの高層階で近くに土砂崩れを起こしそうな場所がない場合は水災補償を外すことを検討してもよいでしょう。補償を選ぶ際に一つの参考になるのが、自治体が公表しているハザードマップです。洪水や土砂災害、地震などのリスクを確認することができます。
また、補償の重複にも気を配りましょう。特に、自転車事故の賠償などにも使える個人賠償責任保険は火災保険の他にも自動車保険や傷害保険でも特約で契約できることが多いです。重複して契約していても賠償責任を負った金額以上に保険金が出るわけではありませんので、他の保険に個人賠償責任保険をつけていないか一度確認しておくとよいでしょう。
地震保険は必要?
日本は地震大国であり、いつどこで甚大な被害をもたらす地震が起こっても不思議ではありません。しかし、通常の火災保険では地震・噴火・津波が原因で起こった損害については補償を受けることができません。これらは火災保険に地震保険を付帯することによって補償を受けることができます。地震に対する備えが必要であると感じるのであれば、火災保険だけでなく地震保険についても加入を検討しましょう。
地震保険の世帯加入率は2022年で35.0%です(損害保険料率算出機構統計集より)。昔は地震保険を付帯することが少なかったので低い数値となっています。ただし、共済等で地震の被害に備えている世帯は含まれていないので備えがある世帯の割合はもう少し高くなります。世帯加入率は年々上昇しており、特に東日本大震災後は加入率の上昇率が大きくなっています。
また、「当該年度に契約された火災保険(住宅物件)契約件数のうち、地震保険を付帯している件数の割合」である地震保険の付帯率は、2022年度の数値で69.4%です。全世帯のうち地震保険に加入している割合は35.0%とそれほど高くない数値ですが、最近火災保険を契約する場合は地震保険を付帯することが多いようです。なお、2022年度に最も地震保険の付帯率が高かった都道府県は宮城県で89.5%でした。
地震保険の加入率はどれくらい?
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まとめ
新築住宅の購入の際は不動産会社から提携の火災保険を勧められたり、住宅ローンを借りるときに銀行の窓口で火災保険を勧められたりすることが多いと思います。しかし、勧められた保険会社にそのまま契約するのではなく、火災保険一括見積もりサービスなどを利用して納得のいく保険会社選びをするようにしましょう。
著者情報
堀田 健太
東京大学経済学部金融学科を卒業後、2015年にSBIホールディングス株式会社に入社、インズウェブ事業部に配属。以後、一貫して保険に関する業務にかかわる。年間で100本近くの保険に関するコンテンツを制作中。