昨今、自然災害が増えている中で、それにともなう停電の心配も懸念されますよね。停電が起こった影響により、家具家電が壊れてしまったり、びっくりしてケガをしてしまうこともあるかもしれません。そのようなケースの場合、火災保険の適用は可能なのでしょうか。
実際、どのようなシチュエーションであれば停電時に火災保険の補償を受けることができるのか、以下にて解説していきます。
目次
停電の原因
自然災害の影響がほとんど
停電は、自然災害(地震や落雷や雪害)などが主な原因で引き起こされます。
災害の影響で電柱が倒れ電線が切れてしまったり、雷の影響で大きな電気エネルギーが流れ変圧器を故障させてしまったりと、そのケースは様々です。稀に、交通事故によって電柱が倒れてしまうことや、鳥が巣を作るときに運んだ針金などが電線に接触して停電が起こることもあります。
停電によるトラブル
停電によって引き起こされるトラブルは様々ですが、主に起こりうるトラブルは以下になります。
ケガや破損
急な停電に驚き、身体をぶつけてしまったり火傷をしてしまったりなど、様々なシチュエーションでケガをしてしまう可能性があります。また、急に暗くなったことで周りが見えなくなり、家具や食器を破損させてしまったり、停電から復旧したときに家電が壊れてしまったりなどのトラブルも起こってしまうケースがあります。
通電火災
「通電火災」というのは、停電した後に電気が復旧するときに発生する火災のことを言います。出火の原因は、電気ストーブやアイロンに可燃物が触れてしまったり、電気コードの断線、水没した家電を使用した際など原因は多岐にわたります。
通電火災は大規模な火事に発展してしまう可能性もあるため、厳重な注意が必要です。
火災保険は使える?
上記でいくつかのトラブルを紹介しましたが、このうち火災保険の適用を受けることができるケースはあるのでしょうか。以下にて解説していきます。
ケガの場合
急な停電に驚いてケガをしてしまっても、基本的に火災保険を適用させることは難しいでしょう。火災保険の補償対象は、あくまで建物や家財です。ただ、入院や手術を要するレベルのケガをした場合は、火災保険ではないのですが、医療保険を適用できる可能性があります。
家具家電の破損の場合
家具家電の破損に関しては、停電自体が原因だったり、雪害や落雷による停電被害であれば、「破損・汚損など」や「落雷補償」などの火災保険が適用される可能性があります。仮にこれが地震による被害であれば、火災保険ではなく地震保険となるため、火災保険は適用されないので注意しましょう。 続きを見る
また、火災保険に「電気的・機械的事故特約」が付いていたり基本補償に含まれている場合は、電気がショートして使用不可になったエアコンや給湯器などに補償が下りる可能性があります。
詳細は以下の記事をご覧ください。 火災保険の「電気的・機械的事故担保特約」とは?
通電火災の場合
通電火災の場合による火災の被害に関しては、高い確率で火災保険を適用することができるでしょう。ただ、壁や柱など建物の被害は「建物」、家具や家電製品は「家財」の火災保険にそれぞれ加入をしていないと、支払いにはなりません。
また、地震によって停電が発生し、その復旧時に通電火災が発生した場合は、地震保険の適用扱いとなるため注意しましょう。
補償内容の把握は重要
上記にて説明した通り、補償内容や特約によって、火災保険が適用されるかどうかは様々です。また保険が下りたとしても、設定した金額次第で、被害額をどれだけ賄うことができるのか、大きく差が出てきます。
定期的な確認や見直しが必要
突然の停電被害や災害に困らないよう、火災保険の補償内容の確認は定期的に行いましょう。
物件購入時に不動産屋にオススメされた火災保険にそのまま加入している方は、一度内容を見直したり、他社と比較検討してもいいかもしれません。火災保険は、年毎や各地域の自然災害の発生率や時代のニーズなどを基に、補償内容や保険料、サービスの改正が都度行われています。一括見積サービスなどを利用して他社の保険料や補償内容も確認することで、より自分に合う火災保険を選ぶことができるかもしれません。
漏電やブレーカー故障の可能性も
補足ですが、急に電気が途絶えるときは、停電ではなく漏電やブレーカー故障の可能性もあります。
火災保険の対象となるのか
電気配線や電気器具類の配線が老朽化や破損などが原因で、外部に電気が流れ出てしまうことを「漏電」と言います。漏電も火災の原因となるため、早めの対処が必要です。漏電もしくはブレーカー故障の可能性がある場合、自分での対処は困難であるため、地域の電力会社に連絡しましょう。また、漏電により破損や火災での損害が出た場合、火災保険の対象となるケースや詳細の内容は以下の記事に記載しています。 続きを見る漏電による被害!火災保険でどこまで対応可能?
保険金を申請するための注意点
上記にて、停電時に火災保険を適用できるさまざまなケースを紹介しました。最後に、保険金をスムーズに申請できるよう注意しておくべきことを記述します。
被害の写真を残す
停電時、もちろん安全第一で行動したあとは、被害の写真を残していくと後の申請がスムーズです。「カーペットが焦げ付いたが、焦げ臭くてすぐ捨ててしまった」など、その時の状況や被害レベルが分からないと、適切な申請ができず、補償を受けられない可能性があります。
被害が起こった状況を把握
あくまで「停電」が原因での被害や損害であると証明できるよう、被害が起こった時間帯やシチュエーションをできるだけ正確に把握しておきましょう。実際の停電の時間や状況と大きくかけ離れた申請をしてしまうと、保険適用とみなされない可能性があります。
まとめ
さて、今回は、急な停電によるケガや家具家電の破損は火災保険で補償してもらえるのかどうかを説明しました。補償内容やシチュエーションによって適用条件は様々ですが、補償を受けられる可能性も大いにあるので、いざという時に慌てないよう一括見積サービスなどを利用して補償の内容を確認・見直しをして万が一のときに備えておきましょう。