地震保険の基礎知識

地震保険の請求から支払いまでのコツ

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年々加入者が増加している地震保険ですが、実際に請求する際のことを考えたことはありますか。せっかく長い間保険料を払い続けた地震保険だからこそ、事故が起こった際にはスムーズに保険金を受け取りたいですよね。
そこで、筆者が損害保険会社にいた頃に、実際に被災されて地震保険金請求をした方から多く頂いた声を基に、請求から保険金支払いまでの具体的な流れと大事なコツを紹介していきます。

請求から保険金支払いまでの流れ

地震保険をいざ請求するとなった際には、とりあえず何をすればいいのか何を準備すればいいのか戸惑ってしまいますよね。まずは、請求から保険金支払いまでの基本的な流れを紹介します。

1.加入保険会社へ連絡

まずは保険契約者本人から加入保険会社へ連絡しましょう。

「本当に保険金はおりるのだろうか」「このくらいの損害で補償対象となるのだろうか」「どのくらい受け取れるのだろうか」など沢山の疑問があるかと思います。
保険会社への電話=保険金の請求とはならないので、どんなささいなことでも質問しても問題ないです。分からないことがあったら、憶測で判断せず保険会社もしくは代理店さんへ連絡しましょう。

「このくらいの損害があるが、補償の対象か」「保険金はいくらおりるのか」等気になるかと思いますが、損害割合を判定するのは実際に現地に損害確認に来る保険会社の担当者もしくは鑑定人です。
最終的に保険金の支払い・損害調査をする窓口とは異なっており、回答できる範囲は限られているため、支払い可否に関わるような具体的な質問は、保険会社の担当者もしくは鑑定人に確認しましょう。

コツその1

☑地震保険の付帯

☑被災した建物=契約の目的所在地
火災保険のみでなく、地震保険の付帯があって、被災した建物が契約の目的所在地となることで保険の補償対象となります。例え地震保険の付帯があっても被災した建物が契約の目的所在地ではなかったら補償の対象にはなりませんので、きちんと確認しておきましょう。

保険証券が手元にない場合は?!

保険会社に連絡する場合は、契約者本人が電話をして証券番号を伝える必要がありますが、被災したことにより保険証券が紛失もしくは焼失してしまい手元にない場合はどうしたらよいのでしょう。

保険証券が手元になくても受付できます

手元に保険証券がなくて証券番号が分からなくても受付はできますので、安心してください。保険会社へ電話口で証券が手元にない旨を伝え、契約者名、契約住所、契約した際の電話番号、保険の目的所在地等の必要情報を伝えれば、スムーズに受付できます。

また、上記のようなセンシティブな情報をやり取りする為、契約者本人が電話をするのが基本です。しかし、やむを得ない事情等で契約者本人が対応できない場合は、親族の方が契約者から了承を得たうえで電話し、保険会社へ電話する際にはその旨を伝えましょう。

保険金請求時は?!

保険金請求をする際も保険証券が焼失もしくは紛失などにより、手元になくても請求することは可能です。本人確認をしたうえで保険金の支払い手続きが可能ですので、手元にない場合は保険会社にその旨を伝えましょう。

どこに加入しているか分からない

地震保険を契約したのはだいぶ前のことだし、保険証券や通知等も被災によって手元にない為、どこの保険会社へ加入したか忘れてしまい分からなくなってしまった方もいらっしゃるのではないでしょうか。
そういった場合は、以下の情報を準備して契約者本人から日本損害保険協会の相談窓口へご相談ください。
日本損害保険協会が、各損害保険会社に照会を行ってくれます。

伝える情報

契約者名、被保険者名、契約住所、契約した際の電話番号、保険の目的所在地               

2.担当者からの連絡

受付が終わると、保険会社担当者もしくは鑑定人から連絡が入ります。
保険会社へ連絡をして受付が完了すると、実際に損害確認に来る保険会社担当者もしくは鑑定人から連絡が入ります。そこで損害確認の日時の打合せを行います。

コツその2

一番繋がりやすい日中連絡先を保険会社へ伝えておきましょう。
担当者からの連絡は受付後すぐにくるとは限らず、保険会社の規模や状況にもよりますが、大規模災害の際には連絡がくるまでに時間がかかる場合もあります。

すぐに電話に出られるように日中連絡先として固定電話ではなくて携帯電話を伝えたり、ご高齢の方の場合ですぐに電話に対応することが難しい場合はお子様など親族の携帯を伝えておいても良いでしょう。

3.保険会社の担当者もしくは鑑定人による損害確認

保険会社の担当者もしくは鑑定人が、実際に損害を確認しに訪問します。
地震保険では、各保険会社の社員または損害保険会社の委託を受けた専門家である「損害保険登録鑑定人」が損害認定を行います。
建物であれば「屋根」「柱」「外壁」「基礎」等の主要構造部の損害を確認してくれます。
家財であれば、細かい傷なども網羅的に確認をしてくれますので、請求漏れのないように損害状況を伝えておきましょう。

コツその3

漏れのない損害調査依頼

後に「損害調査時のポイント」にて紹介しますが、少しの損害確認の漏れが、損害割合に影響し査定結果が変わってしまったり、再調査を依頼することとなり二度手間となることもあります。損害調査をする調査員も細かく確認してくれますが、漏れなく損害状況を説明できるようにしておきましょう。

修理の見積書って必要?!

被災された方から頂いた質問として、「修理費用がそのまま支払われるのか」「修理の見積書は必要なのか」等の声は多くありました。

ココがポイント

保険会社への見積書の提出は不要

修理費用が支払われるのではなく、設定された保険金額が損害程度に応じて支払われる

地震保険は修理費用を基準として支払われる訳ではないので、修理の見積を依頼したり、保険会社への見積書の提出は不要です。
地震保険は、修理費用そのままが支払われる実損払いではなく、主契約である火災保険の保険金額の30%~50%の範囲内で設定した保険金額が支払われる定額払いとなります。
つまり、地震保険の損害認定がおりたら修理費用が支払われる訳ではなく、損害の程度に応じて各地震保険金額の一定割合が定額で支払いとなります。
したがって、修理の見積書は参考資料として提出するのは問題ないですが、保険会社への提出は不要となります。

罹災証明書や被災証明書って必要?!

地震保険請求時において、「罹災証明書は必要か」「罹災証明書と同じ損害区分なのか」等の声も多くありました。

ココがポイント

保険会社への罹災証明書や被災証明書の提出は不要

罹災証明書の損害区分とは異なる

罹災証明書や被災証明書は損害の参考として確認することもありますが、地震保険の認定基準とは同一ではないことから、保険会社への罹災証明書や被災証明書の提出は不要です。

そもそも罹災証明は、関係各省庁が被害状況を把握し災害に対応するためのものであり、地震保険の損害程度の基準となる「地震保険損害認定基準」は迅速・的確・公平な損害認定を行い地震保険金を可能な限り早期に支払うために損害保険業界で策定したものであるため、基本的に趣旨が異なります。
したがって、罹災証明書の区分とは同じにならないので、例えば、罹災証明書に「半壊」と記載されていても地震保険では必ずしも「半損」とはなりません。
地震保険の損害認定結果と自治体の罹災証明書の被害認定は必ずしも一致しないことから、罹災証明書の提出は不要となります。

4.支払保険金額の確定

損害確認結果が案内されて、支払保険金額を提示されます。

5.保険金請求書の受領

提示された支払保険金額に了解したら、保険金請求書に署名と捺印をします。
指定した口座への入金予定日の案内がされたのち、支払保険金が指定口座へ入金されます。

地震保険金の支払いを受けた後は?!

損害調査の結果「全損」と認定され、全損による保険金の支払いがなされた後は、保険契約は終了します。
また、全損以外つまり「大半損」「小半損」「一部損」の保険金の支払いがなされたときは、その後も保険契約は継続し保険金額も変わりません。 

修理について

例えば、お皿は地震保険の家財における補償範囲ですが、床に割れてしまったままだと危ないので、早めに片づけてしまいたいですよね。しかし、まだ損害確認に見に来てない場合はどうしたらよいのでしょうか。

大事なポイント

壊れてしまった物は写真を撮ってから片づけをしましょう

損害状況を確認することで損害認定を行うため、損害調査をスムーズに行うためにもできるだけ原状保存をしておき、損害調査が終了してから破棄及び片づけをするのがベストです。
しかし、壊れてしまった物は防犯・安全上の問題から、片づけや修理を行っても問題ないです。
損傷した建物や家財を原状のまま放置しておくことが危険である場合や生活の再開に支障を来すような状況であれば、修理や取片づけを行ってもやむを得ません。
ただし、損害状況を確認することで損害認定を行うため、地震保険の請求するつもりであれば可能な限り損害状況が分かるように写真に納めておき、損害調査時には損傷状況を説明できるようにしておきましょう。
          

損害調査時のポイント

やっと損害確認を見に来てくれたのに、もし請求漏れや再調査となってしまったら、再度の時間と手間がかかってしまいます。そんなことがないように損害確認をしに来た際には漏れのないように申告しましょう。

少しの申告漏れでも査定結果に影響が出てしまいます

地震保険は損害の程度で判断される為、少しの見落としで損害割合が変わってしまうことがあります。
例えば、木造建築の調査時にはブルーシートに覆われていた為、申告するのを忘れてしまった場合、もちろん後に再査定を依頼するのも可能ですが、二度手間となり再度の時間もかかってしまいます。
担当者や鑑定人はこと細かく確認してくれますが、漏れのないように確認を依頼しましょう。

大事なポイント

片づけ済みの物も忘れずに申告しましょう

調査時の目視だけではなく既に片づけてしまった物も忘れずに申告しましょう。
保険会社の担当者や鑑定人が現地に来るまで、保険会社にもよりますが、数週間程時間がかかることがありますので、調査時には既に破棄及び片づけてしまっていたようなケースもあります。
例えば、損害確認時に食器が散乱していることのみだったため、損害割合が2%程で無責となり保険金が支払われなかったが、実は損害確認時には既に片づけ済みであった為、他にもTV、PC、電子レンジも転倒・落下していたことが後に判明し、その結果有責となり保険金が支払われた、なんてケースも考えられます。
破棄及び片づけ済みの申告の有無によって査定内容が変わってきてしまいますので、破棄及び片づけをする際には可能な限り写真に納めておき、忘れずに損害調査時に説明をしましょう。

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「保険(Insurance)」とインターネット「ウェブ(Web)」の融合から、サイト名『インズウェブ(InsWeb)』が誕生しました。自動車保険の見積もりを中心として2000年からサービスを提供しています。現在の運営会社はSBIホールディングス株式会社となり、公正かつ中立的な立場で自動車保険のみならず火災保険に関する様々なお役立ち情報も提供しています。

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